NOAがすべてを投じて生み出す音楽と空間 『Primary Colors』ツアー最終公演で予感させた5周年への道
NOAが全国ツアー『NOA “Primary Colors” HALL TOUR IN JAPAN 〜Flashing Lights〜』を開催した。本稿では、11月6日に神奈川県・パシフィコ横浜 国立大ホールでの公演をレポートする。同公演は、2ndアルバム『Primary Colors』を携え、10月から全国6カ所をまわった本ツアーのファイナル公演となる。
スクリーン一面に映し出されたオープニングムービーに続き、NOAが登場。会場は大きな歓声に包まれた。黒のコートに身を包み、「COLORS」「gimme」を立て続けに披露。スーツスタイルのダンサーたちとともに、ステージを大きく使ったコンビネーションダンスで場を圧倒する。挨拶に続き、コール&レスポンスをへてハンドクラップを煽って始まった「Prime」、ジャケットオフで歌われ熱気が高まっていった「between」、ウィスパーボイスとセクシーな表情で魅了した「Don’t Waste My Time」と、繊細に違った表現を繰り出していった。
VTRを挟んで始まった「YBOM (You've Been On my Mind)」は、歌詞になぞらえてパズルのピースをモチーフにしたムービーと激しいダンスの動きが連動する演出で魅せた。切なくかき乱される心をダンサーたちとのスタイリッシュなパフォーマンスで表現されていく。
今回のライブのなかでもことさら心に残ったパフォーマンスが、次に披露された「imasara」だ。ステージに座って歌うNOAと、少し離れた場所に置かれた椅子にスポットライトが当たる。失った存在を取り戻したいと願うような歌声と演出によって、この苦しいラブソングの物語をより鮮やかに感じられるステージングだ。バックスクリーンに映し出されたNOAから汗が滴り落ち、その表情からは、彼がすべてを投じて音楽を生み出していることが伝わってくるようだった。
さらに「Too Young」、ミラーボールやライティング、背景映像によって砕け散った何かを感じさせた「Break Away」と、ハードなダンスパフォーマンスの裏側に切なさを感じさせる楽曲が続いた。
赤いライトと重低音、ノイズ混じりのVTRと新たな幕開けを感じさせたインターバルに続いて、NOAが赤いジャケットを羽織って再登場。「RED ZONE」「RED ZONE REMIX」と続く。客席に降り、ハイタッチを重ねながらファンに囲まれ笑顔で歌われた「answer」、ワイルドなリズム感と炎の特効でさらに熱を上げていった「Step Back」「BURN」と、次々に表情を変え楽曲の世界観を提示していった。これまでのクールさや儚さ、切なさと言った表情に加え、彼の奥底に眠る信念やパワフルさ、強さを感じさせるブロックとなった。