ポルノグラフィティ、中島健人、ONE OK ROCK、MISAMO、MY FIRST STORY、WurtS……注目新譜6作をレビュー
MISAMO「Identity」
TWICEの日本人メンバーMINA、SANA、MOMOによるユニットMISAMO。日本2ndミニアルバム『HAUTE COUTURE』のリード曲「Identity」は、彼女たちのアーティストとしてのスタイルが端的に示されたトラックだ。楽曲の始まりを告げるのは、勇壮なファンファーレとドラム。次の瞬間にドープなシンセベースと〈I'm coming to you/Check this out, it’s my style〉というラップが耳に飛び込んできて、心と身体が気持ちよく揺さぶられる。エキゾチックな雰囲気のサウンドの中で彼女たちは、「これが私のスタイル、誰の真似もしない」という意思を刻んだリリックをなめらかに描き出す。声高に主張するのではなく、自分たちのアイデンティティを自然体で示した、ラブリーな力強さを感じさせる楽曲だ。(森)
MY FIRST STORY「アクマ」
全8話の主題歌がすべて異なることが話題となったAmazon Originalドラマ『【推しの子】』、その第1話主題歌となる楽曲。ふわりとしたボーカル独唱から始まるが、歌詞の内容は〈命の代償〉〈復讐心〉〈飽くまでも 許さない〉などの言葉が飛び交う不穏なもの。細かく刻まれるギターリフや瞬間的なノイズ、次々と変化するリズムパターンも含めて、聴いているとずっと何かに追われている気分になる。癒しとは対極の、聴き手を翻弄し摩耗させる楽曲であるのは事実だが、話題沸騰となった漫画/アニメの実写化、これぐらい攻めていくのが正解か。ロックバンドのボーカルとしてはややフェミニンであるHiro(Vo)の歌声の柔らかさが、この場合はいい緩衝材になっている。(石井)
WurtS「ライフスタイル」
「研究者×音楽家」という形からスタートし、数多くのタイアップ曲、精力的なライブ活動によって瞬く間に圧倒的なポピュラリティを得たWurtS。最新アルバム『元気でいてね。』収録曲「ライフスタイル」は、80年代後半あたりのヒップホップを基盤にしつつ、ネオソウル以降のグルーヴを取り入れながらアップデートさせた楽曲。スクラッチやストリングスを反映させたトラックは、懐かしさと新しさを同時に感じさせてくれる。〈俺とダチとの日常〉のフィールを映し出し、〈2ndはちょっとミュージックスターを/魅せたい〉と自らの野望をチラ見せするリリックも楽しいこの曲は、幅広い年齢層の音楽リスナーを強く惹きつけるはずだ。(森)
木村拓哉、手越祐也、ももクロ、ポルノグラフィティ……ポップミュージックのなかで出会える“ゲーム用語”
近年リリースされた楽曲を振り返ると、歌詞のなかにゲーム用語を用いたものが多く存在していることに気づく。本稿では、木村拓哉、手越祐…
ONE OK ROCK Taka×Nissy、ミセス 大森×中島健人、King Gnu 井口×ポルノ 岡野……惹かれ合う才能たち
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