コレサワ「これからも私の日々を歌っていきます」 メジャーデビュー7周年記念迎えたツアー東京公演レポ
シンガーソングライター・コレサワが、『コレサワ LIVE TOUR 2024 日々会々』を開催した。8月23日から東京・愛知・大阪・福岡で開催予定の追加公演(『コレサワ LIVE TOUR 2024 追加公演 日々会々々』)も含む全17公演がソールドアウトした今ツアーから、本稿では、デビュー7周年記念日でもある8月9日にZepp Shinjuku (TOKYO)で行われた、本編ラストとなる東京公演の模様をお届けする。
最高気温が35度にのぼり、連日続く猛暑に見舞われたこの日、オールスタンディングのフロアをびっしりと埋める“コレンズ”(ファンの呼称)たちが新宿・東急歌舞伎町タワーに集結していた。開演前から、場内に流れる「デートの前の夜に」の歌詞に合わせて発される〈可愛いよ〉コールが、この日の主役を待ちわびる場内にこだまする。
そんな会場がライブモードに一変したのは、コレサワが登場した瞬間だった。黄緑色のワンピースに身を包んだ彼女がかき鳴らすエレキギターに、観客は手拍子で瞬時に応えていく。「あたしを彼女にしたいなら」では、〈OK〉〈デートしよう!〉という息ぴったりなコレンズの掛け声が合いの手に。普段は別々の人生を生きている観客たちがひとりのアーティストに一心に視線を注ぐ光景は、音楽が人生と隣り合わせで不可欠であることを感じさせるものだった。
「今日までにあったイヤなこととか、このツアーでざぶーんと洗い流して! みんなで熱唱しましょう!」「Let’s バスタ〜イム!」――そんな掛け声で続くのは「バスタイム」。サビでは〈今日はいいことがなかったけれど/このバスタイムで帳消し〉という代表的なフレーズを歌うオーディエンスの声が、このライブをコレサワやバンドメンバーとともに作り上げる重要な1ピースを担っていた。
「(今ツアーで)6年ぶりに北海道から福岡まで旅できました! ありがとうございます」そう感謝を伝えたコレサワは、「地方はほんまに女の子のお客さんばっかりで、だけど東京は男の人もいっぱいで……ありがとう!」と、老若男女が集う東京公演の多様なファン層を前にテンションを上げていく。「夏ってお祭りとかがあって、いつもよりもカップルがキラキラして見えるけど、恋人がいてもいなくても幸せは自分で掴みに行けるよっていう夏の曲をやりたいと思います」――そんな言葉を合図にしてギターの音色が誘うコレサワの音楽は、恋愛の幸せや悲しみを歌うだけでなく、自分の人生を生きる人にも力強くやさしいエネルギーをくれる応援歌だ。
中盤の衣装チェンジでは、試着室から「は〜い!」「ちょっと待って!」と声が聞こえたかと思えば、「よしっ! この服、みんな『可愛い』って言ってくれるかな?」と言う声も聞こえてきて、満を持して着替え終えたコレサワが登場。シフォン素材のパフスリーブが可愛らしい白のトップスにピンクのビスチェとミニスカートを身にまとって歌った「デートの前の夜に」では、「今日もコレちゃん?」「可愛いよ!」とコール&レスポンス。「最近、私のライブに減りつつあるおじさんのファンに確認してみたいと思います!」と言って“おじさんコレンズ”の歓声を浴び、「きゃあっ! おじさんがたくさんだわ!」とキュートにおどけるお茶目な表情も見られた。
続いて、猫の鳴き声とともに試着室から猫のしっぽが覗く。猫耳と尻尾をつけて再び登場したコレサワは、SNSで〈愛してるにゃ/いつでもにゃ/あなたの帰りを待ってたにゃ〉というフレーズが大きなバズを巻き起こしている「にゃんにゃんにゃん」を披露した。暗転後に女性ファンから飛んだ「コレちゃん可愛い〜!」の声を聞けば、ステージに立っていた彼女が女子も見惚れる可愛さであったことがよくわかるだろう。
MCでは、コレサワ一推しのグッズを紹介するコーナーも。この日のおすすめはご当地の「日々会々れ子アクキー」。このグッズはご当地別に色をイメージしてデザインしたそうで、スカイブルーの東京バージョンはスカイツリーをイメージしたようだ。また、「1列目の人は気づいたかもしれないけど、今日、うちの前髪が一切崩れてないのご存知!?」「いつもアイドルを担当しているヘアメイクさんがやってくれました!」と、この日のヘア事情を嬉しそうに教えてくれた。
この日のハイライトとなったのは、ギターを降ろし、「すべてのコレンズに捧げます!」とマイクとタオルを両手に持って熱唱した「SSW」だろう。まばゆいライトに照らされながら、自身の生業を描いた一曲を歌うコレサワが、ベーシスト・なかむらしょーこの肩を抱いて語りかける〈ステージの上で泣いたりしないもう一人じゃないから〉というフレーズは、まさしくシンガーソングライター・コレサワの今を表しているようだった。
「今日でメジャーデビュー7周年を迎えることができました。みんながいたから7周年もできたし、本当に日々感謝ばかりです」「これからも私の日々を歌っていきます!」――そう伝えて最後を飾ったのは、「この日々を」。ノンストップのライブ終盤でも開演時と変わらないクオリティを担保するさすがの歌唱力で、美しく力強いロングトーンを響かせたコレサワは、深々とお辞儀をしてステージを後にした。