LDH JAPAN、タイ大手音楽レーベル GMM Musicと業務提携 アジアから世界に向けてエンタメを発信
LDH JAPANが6月5日、タイを代表する大手音楽レーベル GMM Musicとの業務提携のもとに合弁会社G&LDH(以下、G&LDH)を設立したと発表した。それにともない5日夕方、タイでGMM MusicとLDH JAPANによる合同記者会見が行われた。
記者会見ではまず、GMM Musicで最高マーケティング責任者を務めるFAHMAI DAMRONGCHAITHAMが登壇。質疑応答が行われた。
まず、タイと日本の音楽市場の現在地について質問が挙がると、同氏は「音楽ビジネスは黄金時代に突入した」と断言。続けて、「音楽の聴き方はコロナ禍後から劇的に変わっており、アーティストのレベルも日本とタイで飛躍的に上がった」「今回LDHと業務提携できることは、タイのアーティストにとって素晴らしいチャンスではないかと考えている」と語った。
また、今回の業務提携に対する期待については、「機会の増加」「タイと日本、両方の市場を見据えた活動」「アーティストのクオリティの向上」という連動する3つのポイントを提示。同氏は「(G&LDHの設立によって)タイと日本のアーティストが両国でデビューすることが可能な時代を迎える」とコメントし、両国デビューを叶えた暁には、GMM Musicがタイ市場を、LDH JAPANが日本市場を担当しながら楽曲制作やマネジメント、マーケティング、PRなどを同時に着手することにより、両国市場に効果的に進出できるはずだと戦略を明かした。そして、双方の事務所が保有するアーティスト育成ノウハウをシェアし合うことにより、両国のアーティストのレベルアップにつなげていきたいと希望にあふれた様子で語った。
続いて、LDHからは代表を務めるHIROが登壇し「本当に素晴らしい環境で迎え入れてくれて光栄に思っている」と挨拶した上で、まずは日本の音楽業界に関する見解を述べた。
HIROは「コロナ禍も収束したので、世界中から日本にいろいろなエンターテインメントが集まり始めている」とした上で、「(日本のエンタメは)世界で2番目の市場があるため、ガラパゴスと言われたりすることもあるが、それはつまりオリジナリティだと思う」「日本のエンターテインメント業界も大きな変革期に来ているので、これからは日本のものをどんどん世界に発信していくすごく良いタイミングなんじゃないかなと思っています」とコメント。
今回の合弁会社設立でタイ市場への展開が進むことに関して、HIROは「LDHのアイデンティティであるダンスを軸にした音楽やエンターテインメントをアジア全域に広げたいという思いがあった」「今この場に立っていることはその成果ですし、結果につながっているので、今後の展開がさらに楽しみになっています」と自身の思いを明かした。
また、タイの音楽市場に対する所感について尋ねられると、HIROはLDHとして行ってきた過去2年間のタイとの文化交流を振り返り、「若くて才能のあるアーティストやクリエイターが多いので、クオリティの高い作品が作りやすい環境だなというのをこの2年間で学びました」「日本の作品とはまた違うテイストの作品もたくさん作れたので、すごく勉強になった」とコメント。そして、「今後はアーティストとファンの皆さんとのつながりで、アジアから世界に向けておもしろいムーブメントが起こせるのではないかとワクワクしています」と、G&LDHの設立に対して期待を込めた。
ここで、特別ゲストとしてEXILE NAOTOが登場。LDHに所属するグループの特徴と、それらがタイに与える影響についてコメントした。NAOTOは「各グループにすごく個性がある」「HIPHOPやR&Bをベースに、J-POPのバラードなどをミックスさえることでオリジナリティのある音楽やダンスパフォーマンスを作ってきたという自信がありますので、それをぜひ(タイの)皆さんにも体感していただきたい」「ライブパフォーマンスのクリエイティブもLDHはすごく力を入れてきたので、そういった部分でもタイの皆さんに影響を与えられたら」と、自身の経験をもとに語った。
GMM Musicとの協業経緯については、HIROが同社の実績をかねてから聞いていたことが大きく影響しているという。HIROは「合弁会社を作ることは僕らにとっても絶好のチャンスですし」「(両社の連携で)アジア全域に素晴らしいエンターテインメントを作れたらなという思いがあります」「(それぞれが)培ってきたノウハウをミックスして、今までにないような新しい音楽やエンターテインメントを作り、たくさんの人に喜んでもらいたいなと思っています」とコメント。
最後に、HIROは「(LDHの由来である)Love, Dream, Happinessを1人でも多くの人と分かち合えるように、子どもたちにたくさんの夢を提供できるように頑張っていきたいと思います」とメッセージを語り、GMM MusicとLDH JAPANの経営者に対する質疑応答を終えた。
会見のラストは、GMM MusicとLDH JAPANに所属するアーティストによるステージが披露された。LDHからは、まずTHE RAMPAGEとPSYCHIC FEVERの混合チームでダンスを披露。その後、PSYCHIC FEVERが「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」で、タイでの武者修行などを通じて鍛え上げられた歌とダンス、ラップの総合的なパフォーマンスを見せ、現地に駆けつけたメディアやストリーミング配信で観覧する大勢のファンを魅了した。THE RAMPAGEは「100degrees」をパフォーマンス。ロックなサウンドの中で熱くクールなダンスを披露し、ダンスブレイクでは各メンバーのダンスパフォーマンスでスキルの高さを印象づけ、ステージを終えた。
今後、G&LDHでは、2024年第3四半期にオーディションの開催を予定しているという。また、GMM MusicとLDH JAPANの強みを融合させた新たな研修プログラムを開始し、両国混合のチームによる楽曲制作にも挑戦する。日本とタイのエンターテインメントにおける優れたノウハウが結集したとき、どのような新しい音楽やパフォーマンスが生まれるのか。G&LDHは、注目必至の新興事務所となりそうだ。
PSYCHIC FEVER、シンガポールで初パフォーマンス 現地ファンも巻き込んだ大盛況のステージに
PSYCHIC FEVERが5月10日、シンガポールで同月8日~11日にかけて開催された世界三大音楽見本市『MUSIC MATT…
LDH JAPAN、アジアで掴んだグローバル進出の手応え 「J-POPを売り出すのは今がチャンス」
LDH JAPANが2022年より注力しているグローバル戦略が着々と成果を挙げ、THE RAMPAGE、BALLISTIK BO…