石野理子×すりぃ×やまもとひかる×ツミキによるスーパーバンド“Aooo”とは? 個性が共生する予測不能な音楽性

 作詞作曲においても4人全員がクレジットされており、4曲それぞれで組み合わせが異なるというところも面白い。初ライブから披露されている「アパシー」は、作詞を石野、作曲はメンバー全員が担当。すりぃのギターリフが印象的であるが、「無関心」という意味の曲タイトルをつけながら、〈震える瞳の奥に 燃え上がる無数の感情をしまい あの空の彼方まで吠える 切実なシグナルなの〉と綴るサビからは石野のこのバンドにかける覚悟が感じられる。

Aooo Demo CD『Demooo』全曲トレーラー

 レトロポップな「イエロートイ」はツミキ、疾走感の中に寂寥感を纏った「リピート」はすりぃがそれぞれ作詞作曲を手がけた。「青い煙」は作詞を石野、作曲をやまもとが担当。やまもとのスラップを筆頭に、Aメロ、Bメロの流れはヘビーでありながら、サビになると途端に突き抜けたポップネスを感じさせる。4曲に共通しているのは、ロックバンド然としたストレートなサウンド。すりぃ、ツミキがボカロPとして活躍していることもあり、意外かもしれないが、全員がバンド経験者でありそこが多くのメンバーのルーツにあるということも、現在のバンドの形、サウンドに辿り着いたポイントとして言えるのかもしれない。

 ライブではこれらオリジナル曲のほかに、「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」、「あんずの花」(すりぃ feat. ねね)といったメンバーそれぞれが手がけた提供楽曲も披露している。今後、Aoooはmeiyo×新宿LOFT共催のイベント『aufgießer1st set』、やついいちろう(エレキコミック)主催のイベント『YATSUI FESTIVAL! 2024』に出演予定。コロナ禍を経て、オンラインで観るライブと実際にライブハウスに足を運んで観るライブとでは別物であることを誰もが痛感した今だからこそ、今回のスタジオライブを通じて、Aoooを生で観たいという思いはきっと高まっているはずだ。そういった一つひとつのライブを積み重ねていった先に、いつかワンマンライブという場所でAoooが新たな景色を見せてくれるーーそんな予感が今からしている。

■関連リンク
Aooo Official X(旧Twitter):https://twitter.com/Aooo_band
Aooo Official YouTube:https://www.youtube.com/@Aooo_band
石野理子 X(旧Twitter):https://twitter.com/yoooutopia
すりぃ X(旧Twitter):https://twitter.com/iii0303_8
やまもとひかる X(旧Twitter):https://twitter.com/Yamahika_da
ツミキ X(旧Twitter):https://twitter.com/_23ki_

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