FRUITS ZIPPER、念願の武道館で広めた“NEW KAWAII”の輪 2万4千人集客の2周年ライブを振り返る

FRUITS ZIPPER、2周年ライブレポ

 ライブ本編終盤、グループの知名度を押し上げた楽曲が続けて披露された。「ハピチョコ」では櫻井が代名詞〈なあになあに?〉をカメラ目線であざとくキメると、「わたしの一番かわいいところ」では中盤のハンドクラップとカラーテープ噴射により祝祭感を演出。客席では待ってましたと言わんばかりにサビの振り付けを真似する者も。続いて、仲川が「FRUITS ZIPPER 2周年、ここにいる会場のみんなの大きな声の『おめでとう』を聞かせてくださーい!」と伝え、「超めでたいソング~こんなに幸せでいいのかな?~」へ。昨年10月の東京体育館公演にて、日本武道館公演がサプライズ発表されたときにも披露された「ちょめでたソング」、曲中では何度も「おめでとー!」のコールが飛び出し、2周年のお祝いをハンドクラップと紙吹雪噴射も交えて存分に分かち合いながら本編が終了した。

FRUITS ZIPPER

FRUITS ZIPPER

 アンコールに応える形で再度ステージに上がると、「わたしの一番かわいいところ」が「THE FIRST TAKE」で披露された一幕を完全再現。衣装もそのときのもので、2番サビ前では6人が順番にリレーしラストに本家の櫻井がタメて〈ね!ね!ね!〉を言う神展開に大歓声が沸き起こる。楽曲前後の茶番風のやりとりも微笑ましい。東西南北4方向でそれぞれ記念撮影を済ませると、真中の「みんなでTikTokを撮っちゃいたいと思いまーす!」という呼びかけにより、「NEW KAWAII」の振り付けをレクチャー(1日目は「わたしの一番かわいいところ」)。360°カメラを持ったカメラマンとして登場したKAWAII LAB.総合プロデューサーの木村ミサが「みなさん!FRUITS ZIPPERを武道館まで連れてきてくれて本当にありがとうございます!」と感謝の言葉を伝えて撮影へ。客席はやや難易度の高い振り付けに苦戦しざわざわするも、そんなところもNEW KAWAIIと肯定してしまえる温かい雰囲気はなんともふるっぱーらしい。続いて、鎮西の「2周年という節目にこんなに素晴らしくておっきな日本武道館という場所に連れてきてくれたふるっぱーのみなさん、そしてすべてのみなさんに感謝の気持ちを込めて歌いたいと思います」という言葉とともに披露されたのは新曲「虹」。繰り返し届けられた〈君にとってのパワースポットになるから〉〈アイドル以上のアイドル〉というフレーズには、アイドルとしてまだ見ぬ未来に向かってなおも進み続ける強い意志を感じた。

FRUITS ZIPPER

 最後のMCでは、メンバーからふるっぱーに向けて書かれた手紙を1人ずつ読み上げていく。

「私は今、一番好きなことをやってます。好きなことをしているとキラキラ輝けることを知りました。私たちを愛してくれるように、自分のことを愛してください」(鎮西)

「FRUITS ZIPPERは武道館が通過点だと胸を張って言えるグループです。これからもアリーナ、そして東京ドームでライブがしたい!と心から思った2日間でした」(仲川)

「私のアイドル人生に続きをくださって本当にありがとうございます。これから3年目は脱・新人をして、一人前のアーティストとして評価されるグループになれたらいいなって思います」(月足)

「これからはアイドル3年生になるので、これまでみたいに『できないけどがんばる』じゃなくて『かれんたんみたいになりたい』とか『かれんたん見てたら元気になるな』ってみんな思ってもらえるように、もっともっと成長できるようにがんばります」(松本)

「今まで私が助けてきてもらったように、私たちを好きでいてくれている人たちが、私たちを通して、どういう形であっても救われているといいなって思うばかりです」(早瀬)

「私はアイドルは向いてないんだなあって、もうやらないって頑なに言ってました。そんな私が、こんなに幸せな気持ちでアイドルにまた戻ってこれて、武道館まで来ることができたのは、ありのままの私を受け入れてたくさん応援してくれる皆さんのおかげです」(櫻井)

「自分の大好きなものを大好きになってくれるみんながいるって、本当に普通じゃなくて、当たり前じゃなくて。とっても幸せなことだなあって今改めてここに立って感じています」(真中)

 花道とペンライトがそれぞれのメンバーカラーで照らされる中、それぞれ武道館のステージに立てた感謝の言葉を思い思いの形で伝えつつ、3年目の決意を新たにこの日2回目の「NEW KAWAII」へ。ラストは武道館公演の模様を収めた『1st LIVE FILM at 日本武道館FRUITS ZIPPER 2nd ANNIVERSARY 超めでたいライブ~NEW KAWAII~』のリリース決定と、12都市13公演に及ぶ秋のホールツアー開催決定のニュースを直接届けると、全員がマイクオフで「ありがとうございましたー!」と感謝を伝え、結成2周年記念ライブは幕を閉じた。

 シンプルなワードでありながら、現代の多様性を見事に反映させ新たな価値観を定義する「NEW KAWAII」。FRUITS ZIPPERのコンセプト「原宿から世界へ」を体現し、ふるっぱーとともに世界のポップカルチャーを席巻する日もそう遠くないだろう。

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