GANG PARADE、終わりへ向かう日々に今何を思う? 10年間の嘘偽りのない感謝と『KIMI☆NO☆OKAGE』を語る

GANG PARADEの10周年イヤー記念シングル『KIMI☆NO☆OKAGE』には3曲が収録されている。作詞をJxSxKこと所属事務所WACKの元代表・渡辺淳之介、作曲を草野華余子が手掛けた「KIMI☆NO☆OKAGE」。テレビアニメ『デブとラブと過ちと!』(TOKYO MXほか)のオープニングテーマ「Happy Yummy Lucky Yummy」。9mm Parabellum Bulletの菅原卓郎が作詞、滝 善充が作曲した「ラビバアソビバ!!」。かっこいい、激しい、あたたかい、ラブリー、キュート、遊び心――そのすべてが溢れているGANG PARADEの多彩な魅力が各々の曲に凝縮されている。
リリースされる前日の12月16日、Zepp Shinjuku (TOKYO)公演で発表されたGANG PARADEの解散。それを踏まえながら聴くと、寂しい気持ちが募るのはファンにとって避けられないことだと思う。しかし、メンバー全員が力を合わせながら最大限に輝いているこの3曲は、ギャンパレに対する「大好き!」という想いを深めてくれるはずだ。ユメノユア、ココ・パーティン・ココ、月ノウサギ、ナルハワールド、アイナスターが最新シングルについて語る今回のインタビュー。解散へと向かう日々のなかで抱いている想いも伝えてくれた。(田中大)
順風満帆ではなかった10年、仲間を増やし続けた10年
――10周年イヤーに突入していますが、今みなさんはどのような想いのなかにいますか?
ユメノユア(以下、ユア):グループ結成時は、10年も続いているとは思ってもいなかったです。それも遊び人(ファンの呼称)のみなさんのおかげなので、「本当にありがたいなあ」という気持ちで過ごしています。私たちには分裂した時期もあったけど、ひとつの場所でやり続けるのはなかなかできることではないので、事務所とメンバーにも感謝ですし、レーベルやまわりのみなさんのおかげですね。
――順調な時期ばかりではなかったですもんね。
ユア:はい、本当に(笑)。
――タフで前向きであり続けながら進化してきた姿も愛されているのがギャンパレですよ。
ユア:そう言っていただけるグループを生み出せたことも嬉しいです。
――前身グループを含めると、2014年にプラニメが始動して、ユアさんと(ヤママチ)ミキさんが加入したタイミングの2015年6月からPOP、その翌年にGANG PARADEが誕生して。
ユア:改名の案を自分たちで出して、“GANG PARADE”になって、その後もメンバーのみんなが入ってきてくれて、ずっとやってきました。
――今回の取材に参加してくださったメンバーのなかで、次の古参メンバーは、2016年10月6日加入のココさん?
ココ・パーティン・ココ(以下、ココ):はい。
――SiSとして活動を始めたと思ったら一瞬で終わって、そこからのギャンパレでしたよね。
ココ:SiSは始まってもいない(笑)。いろいろあったところからのギャンパレへの加入でしたね。私も10年続けられるとは思っていなかったし、いろんな変化も経てきたグループなので、メンバーたちとここまで走り切ることができているのが嬉しいです。
――BiSの公式ライバルとして結成されたSiSは、お披露目ライブの翌日に活動休止。そこから突然のギャンパレ加入でした。「お前はWACK所属じゃない部外者だ」と、渡辺淳之介さんにもずっと言われ続けて。
ココ:はい(笑)。正式合格じゃなかったというイレギュラーな形でしたからね。BiSに落ちたところからのスタートだったので、昔はコンプレックスがあったんです。でも、そういうコンプレックスを覆していけたのも、遊び人(ファンの呼称)とメンバーと一緒にギャンパレとしての独自の道を進めたからで。進んでこられたからこそ、自信を持てました。
――SiSのメンバーだった3人(ココ、ユイ・ガ・ドクソン、テラシマユウカ)の逆境からのスタート、コンプレックスを覆す姿勢は、ギャンパレ全体にもプラスのパワーになったと思います。
ユア:3人が入ってきてくれて、そのちょっと前に加入したマイカ(キャン・GP・マイカ)も過ごしやすくなったと思いますし、“ギャンパレらしさ”みたいな部分の基礎は、その頃から作られていったのかもしれないですよね。
ココ:私が加入した頃のWACKは、今と比べてグループも少なかったので、比べられる対象がすごく限られていたんです。全員がハングリー精神を共通して持っていたんですよね。改名を経たという当時のギャンパレの状況もあって、全員が戦う意志を強く持っていたからこそ、それが強さにも繋がっていったのかなと思います。
――正直に言ってしまえば、BiSやBiSHと比べるとファンがそれほど多くなかったあの頃のギャンパレを遊び人が一生懸命応援しているのは、WACKオーディションのニコ生配信のコメントとかでも感じました。
ココ:ユアちゃんとユユ(テラシマ)が参加した最初の合宿(2017年3月28日から4月2日まで開催されたWACK合宿オーディション)は、ひとつのターニングポイントで。GANG PARADEに目を向けてもらえるタイミングだったと思います。
――月ノさんは、その翌年の合宿(2018年3月12日から18日にかけてのWACK合同オーディション2018)に合格して、ギャンパレ加入に至ります。
月ノウサギ(以下、月ノ):もう7年くらい経つんですね。私も加入前からギャンパレのハングリー精神を感じていて「かっこいいなあ」と思っていたし、その印象は加入してからも変わらずだったんですけど、どんどん“楽しい”の成分が足されていったのかなと感じています。どんどん形も変えながら作っていった10年なのかなと思いますね。
――初期はオラオラ感が強かったのが、新メンバーの加入で楽しいとか、柔らかで華やかな部分も加わっていったと思います。
月ノ:私も最初はビビッていましたからね。坊主(カミヤサキ)もいたし。
全員:あははははは!
――(笑)。
月ノ:私、前の年の合宿の動画も全部観てからオーディションに参加したんですよ。だから、「刈り上げてる! ヤバい!」みたいに思ってました(笑)。2018年の合宿は「誰か新しいメンバーが入るかも」と先輩メンバーも思ってたみたいで、ギャンパレに新加入した私をあたたかく迎え入れてくださったことに今でも感謝しています。


――新しく入ったメンバーをあたたかく迎えて、一緒に新しいスタイルを作っていく前向きな雰囲気が常にあるグループという印象があります。
月ノ:メンバーの入れ替わりもたくさんあったので、自然とそういう体制にみんながなってくれていたし、自分も今そうしようと思えるというか。誰かが入ってきた時に、「いいグループにしたいなあ」「プラスに持っていきたいなあ」という気持ちは自然と湧きましたね。
――ナルハさんもギャンパレにフレッシュな風を吹かせましたよね。加入したのは2019年5月26日。初お披露目は、日比谷野音のライブでしたよね。
ナルハワールド(以下、ナルハ):そうです。私はもともとWACKに入る前からギャンパレが好きだったんですよね。研究生(WAgg)だった時期は「正規メンバーになりたい」とずっと思っていて、ギャンパレに入ることになった時はすごく嬉しかったです。
ココ:ナルハが入ることになった時は、意外性があったかも。
ユア:あの時期は「新しいメンバー入るのかな?」という空気もあったからね。人数が多くなっていった時期だったので。
ナルハ:私も加入してからもう6年なんですよね。ここまでやってこられたことを考えると、あらためて嬉しい気持ちになりますし、正直なところ、こんなに続くとは思っていなかったです。もともと好きなことが長続きするタイプではなかったので、こんなに続けられていることに自分でも驚いています。
――ナスさんは、ギャンパレのなかでいちばん新しいメンバーですね。『WACK合宿オーディション2022』でWAggから昇格して、5月からのツアーのタイミングでの加入でした。
アイナスター:私が事務所に入ってすぐに、ギャンパレがGO TO THE BEDSとPARADISESに分裂したんですよ。
――WAggのメンバーになったのは、分裂直前の2020年2月?
アイナスター:そうです。WACKオーディション合宿(2023年3月22日〜28日に開催)で、私は3日目くらいで帰らされて。分裂したのはあの時でした。
――あの合宿の最終日に分裂が発表されたんでしたっけ?
アイナスター:はい。最終日の『WACK EXHiBiTiON』にきたら、「分裂します」と発表されて、「そうなの!?」「っていうか、分裂って何!?」っていう(笑)。分裂のちょっと前にハルナ・バッ・チーンさんが脱退したんですよ。『WACK TOUR』(2020年2月20日Zepp Tokyoにて開催『WACK TOUR 2020 “WACK FUCKiN’PARTY”』)の時でしたね。あのツアーは全グループが集まっていたので、私もWAggのメンバーとして会場にいて、楽屋が慌ただしくなっているのを近くで見ていました。
――激動のギャンパレを後輩として間近でずっと見ていたんですね。
アイナスター:そうなんですよ。再始動ライブも観に行きました。再始動は新聞で知ったんじゃなかったかな?(2022年1月1日にGANG PARADEの集結および再始動を読売新聞の朝刊で発表/1月2日、3日にSpotify O-WESTで再始動ライブが緊急開催された)。
ユア:再始動することは、メンバーも知らなかったんだよ。
ココ:うちらも新聞で知ったから(笑)。
アイナスター:お正月に普通に実家で過ごしていて、新聞を見て、「えええーっ!」って。「このライブ、観に行けますか?」とマネージャーさんにすぐに連絡したら、「すごく端っこから観るんだったらいいよ」と。2階の影から覗き込むようにして観ました。当時、いちばん関わりがあったメンバーが月ちゃんでしたね。PARADISESのオーディションでもずっといろいろ動いてくれたのが月ちゃんだったので、月ちゃんばっかり観ていたのを覚えています。
月ノ:そうだったんだ(笑)。
アイナスター:フォーメーションの真ん中から月ちゃんが出てくるのを観た時に、「かっこよ!」と思いました(笑)。研修生は先輩から吸収することばっかりだから、全部が「すごい!」っていう時期でしたね。
――さまざまなタイミングでのメンバーの加入と脱退を経て、最大人数が13人で現在は11人。いつの間にかWACKの最大勢力になりましたね。
ココ:9人体制になったところから、ずっと最大勢力です(笑)。
――7人体制だった時にリリースされた「FOUL」の〈BODY & 7 SOUL〉の数字も、何度も変化してきました。語呂が悪い時もありましたが。
ココ:12(twelve)が、いちばん語呂が悪かった気がします(笑)。
月ノ:でも、意外とライブでやってみるとしっくりきたりして。






















