生田絵梨花、ソロアーティストとして見せる新鮮な表現力 気ままな音の中で届ける真摯な想い
生田本人が名づけた今作『capriccioso』のタイトルには、音楽用語で"気ままに"や"気まぐれに"という意味がある。その思いが強く表れているのが、リード曲であり、生田が作詞作曲を担当したオリジナル曲「Laundry」だ。回転する洗濯機を眺めながら思いついた鼻歌が元になっており、その頃「何なんw」を練習していたのも影響し、これまで生田の引き出しにはなかったジャジーなテイストがふんだんに取り入れられている。生田本人に加え、作詞にはいしわたり淳治が参加。〈washed-up baby〉〈get back up〉など、サビ終わりには必ず英詞が当てはめられており、洗濯機から生まれたグルーヴを止めずリズミカルにそのまま吹き抜けていくような、爽やかかつポップな印象を与えている。洗濯物と自身の心の汚れを重ねた歌詞も、この新生活の季節にぴったりだ。
コンサートでの披露から大きく進化を遂げたのが「I'm gonna beat you!!」。TikTokライブにて音源用にバージョンアップしたことを生田は明かしていたが、カラフルなバンドサウンドに加え、ピアノのアレンジも変化している。収録曲のうち「だからね」を除く6曲ではピアノ演奏も担当している生田。跳ねるようなピアノ演奏に連動したボーカルは、スタッカートが強調されており、サビの〈見てろよ 次は きっと倒してやる〉の歌い回しはその象徴と言える。
『Venue101』にMCとして迎えるだけでなく、生田自身がかねてからライブに足を運ぶなどその音楽に背中を押されてきたSUPER BEAVERの柳沢亮太が提供した「だからね」は、自問自答の末に自己肯定へと向かっていく、聴く人の心を鼓舞してくれるようなメッセージソングだ。生田は「だからね」についてInstagramにて、「初めてこの曲を聴いたとき、心の奥底からじんわりと熱い気持ちが込み上げました。歌詞に背中をさすってもらいながら飾らない自分で一生懸命歌いました」(※1)と記している。筆者がこの曲を聴いて感じたのが、コンサートでも聴くことのなかった生田の新たな歌声が表れた楽曲だということ。それは熱い意志を持った確かな力強さであり、大サビの〈今やるべきことだと そう思うから〉には両手を広げ、笑みを浮かべて歌う、そんな生田の姿がありありと目に浮かぶ。〈私〉と〈あなた〉というフレーズが出てくることにより、生田とファンとの関係性をイメージさせ、〈私からも ぬくもり届けに行くからね〉というラストは生田からファンに向けた約束のようにも聞こえてくる。
「No one compares」は生田がコロナ禍のステイホーム期間中に独学でコードを勉強し、初めて作詞作曲したミディアムソング。そこには「誰もあなたと比べられるものはない。それぐらいあなたは特別な存在だ」という真っ直ぐな思いが込められている。「No one compares」は“ステイホームによって時間の止まった部屋”、「だからね」は“鍵を閉めた玄関”と、この2曲には不思議と通ずる世界観が感じられ、聴く人の心にそっと寄り添うメッセージ性という部分でも両曲は共通している。「いつか聴いてもらえる時が来るかもしれない」という「No one compares」を作った当時の思いは、コンサートの舞台を経て、こうして『capriccioso』という作品として実を結ぶこととなった。
『capriccioso』は、柳沢やいしわたりを迎えることで生田の新たな表現を引き出しながら、彼女の自由に音で遊ぶような感覚とファンとの距離感を大事にした作品。カバーの選曲にも挑戦の姿勢が見て取れる。生田は『capriccioso』を持って、ソロアーティストとしての第一歩を踏み出す。
※1:https://www.instagram.com/p/C4x3kIQSrsj/
■リリース情報
生田絵梨花 1st EP『capriccioso』
4月10日(水)リリース
CD購入:https://ErikaIkuta.lnk.to/capriccioso
※全形態共通初仕様:ポスタープレゼント応募用ハガキ封入
<全形態共通収録楽曲>
01.Laundry
02.No one compares
03.I’m gonna beat you!!
04.だからね(Song by 柳沢亮太(SUPER BEAVER))
05.ELEVEN -Japanese ver.- (Original Artist:IVE)
06.ガーデン(Original Artist:藤井風)
07.花(Original Artist:森山直太朗)
08.Laundry (instrumental)
09.No one compares (instrumental)
10.I’m gonna beat you!! (instrumental)
11.だからね (instrumental)
12.ELEVEN -Japanese ver.-(instrumental)
13.花 (instrumental)
・初回生産限定盤A
CD+BD+アートワークフォトブック
7,700円(税込)
<BD収録内容>
"Erika Ikuta Autumn Live Tour 2023" at 東京国際フォーラム ホールA
01.ビートDEトーヒ
02.I’m gonna beat you!!
03.ルージュの伝言
04.歌うたいのバラッド
05.楓
06.丸の内サディスティック
07.ハレンチ
08.裸の勇者
09.愛し君へ
10.One more time, One more chance
11.SWEET MEMORIES
12.何なんw
13.ELEVEN -Japanese ver.-
14.私は最強
15.ビートDEトーヒ
16.Laundry
17.No one compares
・初回生産限定盤B
CD+BD+ライブフォトブック
7,700円(税込)
<BD収録内容>
"Erika Ikuta 2022 winter fun" at KT Zepp Yokohama
01.すてきなホリデイ
02.スターライトパレード
03.何なんw
04.踊り子
05.ふられ気分で ROCK'N' ROLL
06.A winter fairy is melting a snowman
07.ロマンスの神様
08.白い恋人達
09.自信満々よ
10.銀の龍の背に乗って
11.We Wish You a Merry Christmas
12.I’m gonna beat you!!
13.No one compares
・通常盤初回仕様
CD only
3,000円(税込)