B'z、Mrs. GREEN APPLE、back number……ライブ映像作品で3部門同時1位を達成したアーティスト
昨年初の5大ドームツアーを完走したback numberの『in your humor tour 2023 at 東京ドーム』も映像3部門同時1位を達成した作品である。最新アルバム『ユーモア』の楽曲を中心に披露し、強靭な音の密度で東京ドームを圧倒したこのライブ。サブステージでの演奏やオーディエンスとのコール&レスポンスなど、ステージと客席の間でエネルギーを交歓するようなback numberのライブらしいアットホームな雰囲気も健在だ。会場の規模がライブハウスからホール、アリーナ、そしてドームになってもひとたび彼らの音が鳴り響けば、変わらぬ親密な空間が生まれる。直近ではライブハウスをまわるファンクラブ限定ツアーを開催している彼ら。派手なステージ演出がなくても楽器ひとつでオーディエンスを満足させることができる楽曲と演奏の強度こそ、彼らのライブの魅力であろう。
そして、最後に取り上げたいのは、海外でのライブツアーを経験するなど、ライブバンドとして定評のあるONE OK ROCKだ。彼らも映像作品『ONE OK ROCK 2023 LUXURY DISEASE JAPAN TOUR』で映像3部門同時1位を記録した。最新アルバム『Luxury Disease』を携えた6大ドームツアーの東京ドーム公演を映像化したこの作品。北米ツアーを終え、ヨーロッパツアーを控えた脂の乗り切ったタイミングでのライブということもあり、グローバルスタンダードでダイナミックなパフォーマンスに、東京ドームさえ狭く感じてしまうほど。全力でシャウトするTaka(Vo)のボーカルをはじめ、気迫の演奏を繰り広げるバンドに、何度も胸を突かれるような思いをさせられながら、気づけばこちらも全力で拳を挙げている。音楽を信じ、オーディエンスを信じ、そして何よりバンド自身を信じているからこその説得力が、音にも表れている。
このように映像3部門同時1位の記録を達成した4組のアーティストのライブを思い返すと、それぞれのスタイルを貫き極めていくことで、映像作品として観返しても熱量が衰えないライブになっていることに気づく。映像作品を入り口にぜひライブ会場に足を運び、彼らの生のパフォーマンスにも圧倒されてほしい。
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