B’z、6年ぶりシングル『STARS』で50作連続首位獲得 デビュー35周年、衰えることなく躍動する勢い
CD Chart Focus
参照:https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2023-07-24/
2023年07月24日付のオリコン週間シングルランキングで1位に輝いたのは、B’zの『STARS』。初週売上は約11.8万枚を記録した。これでB'zは1990年6月にリリースした『太陽のKomachi Angel』から50作連続で、シングルがオリコンチャートの1位を獲得。歴代1位となっている「シングル連続1位獲得作品数」の記録をさらに伸ばしたかたちだ。
B'zにとって、本作は54枚目のシングル。前作『声明/Still Alive』以来実に6年ぶりとなったが、この間『DINOSAUR』(2017年)、『NEW LOVE』(2019年)、『Highway X』(2022年)と3枚ものアルバムをリリースしていたためか、ブランクは全く感じさせない。それどころか、サウンド面では若返りすら感じさせるほどだ。
表題曲はまず冒頭、シンガロングパートととも言える主題から始まり、松本孝弘のギターとホーンセクションが協奏しながらAメロへ。ミドルテンポに心地よく体を揺らしていると、その後に訪れる力強いサビがカタルシスを放つ。B'zらしい重層的でド派手な音作りの中にも、少々肩の力が抜けたような軽やかさがにじみ、それが「STARS」という曲の手触りを決定づけている。驚くのはCメロパート。いきなり別の曲が始まったかと思うほど大胆な転調とスローダウン。〈さぁくよくよすんなもう遠慮はいらない〉と稲葉浩志が高らかに歌いあげると、今度は松本がブルージーなギターソロで応戦する。1曲の中にさまざまな表情を織り込むのはB'zが得意とするところではあるが、今作でもそれは健在。締めくくりの〈Fly High High〉は、「ultra soul」のラストばりのキラーフレーズとなってライブの盛り上がりに一役買うのがイメージできる。
一方、歌詞で描かれるのはままならない世の中を生きる私たちへのメッセージだ。“髪を切っても理想のスタイルに近づけない”だったり、“それぞれに正義があるから争いが絶えない”だったり、どうにも落とし所のない毎日でも、生きている一人ひとりが輝く星のような存在で愛おしいものだと繰り返し訴えてくる。現在開催中のスタジアムツアーのタイトルにも『B'z LIVE-GYM Pleasure 2023 -STARS-』と掲げている通り、“STARS”というワードが今の彼らのテーマであることは明白で、だからこそこのタイミングで〈We're all stars.〉と宣言したかったのかもしれない。