吉川晃司&布袋寅泰によるCOMPLEX、B'z 松本孝弘率いるTMG……再始動で盛り上がるキャリアアーティスト

 3月5日、X(旧Twitter)をふと開くとトレンドワードに「COMPLEX」の文字。まさかと思いながらも急いで調べてみると、吉川晃司と布袋寅泰による伝説のユニット・COMPLEXが再集結するというではないか。よくよくその経緯をたどっていくと、今年元日に発生した能登半島地震を受けて、5月に13年ぶりのチャリティーライブを東京ドームで2Daysにわたって開催するのだという。

 
 
 
 
 
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 BOØWYを解散したばかりの布袋と、すでにロックシンガーとしてカリスマ的な人気を集めていた吉川が1988年に電撃結成したCOMPLEX。ヒットシングルとなった楽曲「BE MY BABY」や代表曲のひとつ「恋をとめないで」などを含む、2枚のシングルと2枚のオリジナルアルバムを産み落とし、結成からわずか2年後の1990年に東京ドームでのライブ『ROMANTIC EXTRA』をもって無期限の活動休止となった伝説のユニットだ。当時の東京ドームといえば、まだライブを開催するアーティストも限られていた場所。そんな東京ドームでのライブをラストステージとしたことからも、彼らがいかに人気絶頂の状態であったかがうかがえる。彗星のように現れて消えていった伝説のユニット・COMPLEXの再結成を望む声は、継続的にあがっていたものの、実現することなく時は過ぎていった。大きく風向きが変わったのは2011年4月のこと。東日本大震災が発生した年である。活動休止前、最後のライブを開催した東京ドームで21年ぶりにライブを開催することが発表されたのだ。そのライブタイトルは『日本一心』。東日本大震災の復興支援チャリティーライブである。当初1日限りの復活と銘打たれていたものの、あまりの反響の大きさに追加公演が決定し、最終的に追加公演もふくめて2Daysでの開催となったことからも、どれほどのインパクトであったのかがわかる。そして、今回発表された13年ぶりの東京ドームライブのタイトルも『日本一心』。公演の利益全てを能登半島地震の被災地の復旧、復興のために寄付するチャリティーライブだ。

 COMPLEXのようなキャリアアーティストによる特別ユニットの復活といえば、TMG再始動の知らせに大いに驚かされた人も少なくないのではないだろうか。TMGすなわち「Tak Matsumoto Group」は、B'zの松本孝弘(Gt)、MR.BIGのエリック・マーティン(Vo)、NIGHT RANGERやDAMN YANKEESで知られるジャック・ブレイズ(Ba)によるスペシャルバンドだ。2004年に結成されたTMGは、同年にシングル『OH JAPAN 〜OUR TIME IS NOW〜』とオリジナルアルバム『TMG I』をリリースし、ツアーを開催すると、以降実質的な休止状態となっていた。そんな彼らだが、昨年末に松本がエリックとジャックに再結成を打診したことが、今回の20年ぶり再始動に繋がった。バンドの公式HPがオープンし、徐々に具体的な動きが見えてきている彼ら。新作のリリースや全国ツアーの開催も予定しているという。彼らが放つ筋金入りのハードロックサウンドが、2024年の音楽シーンにどのように響くのか注目したい。

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