TRACK15、聴く人の気持ちを意識した曲づくり バンド結成から1stミニアルバム『bouquet』に至るまで

1stミニアルバム『bouquet』それぞれが好きな歌詞は?

——では、1stミニアルバム『bouquet』について聞かせてください。まずタイトルを「bouquet」にしたのはどうしてですか?

蓮:以前から個人的に『bouquet』というアルバムを作りたいと思ってたんですよ。花束みたいにそれぞれ(収録曲)のいいところが集まっているっていう……ちょっと安直なんですけど。そう思ったときに「ブーケ」という曲を作って。今までのバラードのなかでも気に入ってますね。

——〈逸らさないで言うよ ちゃんとダサいけど 今でも君を想ってるよ〉というフレーズが印象的な楽曲ですね。

高橋:今までのバラードのなかでは、わりと明るい印象の曲だと思います。この曲ができた頃からバンド全体の印象もちょっと明るくなってきたのかなと。

TRACK15 - ブーケ【Official Music Video】

前田:凜が言うように明るめのバラードですね。テンポ的にもそうだし、歌のメロディだけじゃなくて、楽器のフレーズも聴きやすいんじゃないかな。以前はもっとテンポが遅くて暗めのバラードが多かったんですよ。それはそれでよかったと思いますけど、「ブーケ」で殻を破った印象があります。

寺田:ギターのリードのフレーズの話になっちゃうんですけど、情景が伝わるように意識しましたね。ソロはできるだけ壮大にしようと思っていました。

——歌詞がアレンジに影響することも多い?

寺田:そうですね。まずは思いついたフレーズを即興で弾いてみるんですけど、行き詰まると歌詞を読み直すようにしていて。

蓮:メンバーから歌詞について聞かれたことは1回もないですけどね。

高橋:そんなことないやろ(笑)。

蓮:歌詞の本当の意味とか、そういうことは聞かれたことがない気がする。良い、悪いって話ではないんですけど。

寺田:個人的な解釈は返してるけど。

蓮:それがいちばん嬉しいんやけどな。

前田:……いちばん近いファンでありたい、みたいなところもありますね。

高橋:めっちゃインタビューみたいなこと言うやん(笑)。

前田:だから歌詞の意味は知りすぎたくないというか、自分の解釈でいいと思うんですよね。聴いてくれる人たちと同じ側に立ってフレーズを考えたいので。

——ミニアルバムの収録曲のなかで、前田さん、高橋さん、寺田さんが好きな歌詞は?

前田:いまパッと浮かんだのは、「プラネタリウム」ですね。aikoさんが好きなんですけど、この曲には〈あなたに会いたい夜は/あたしだけのこのaikoを聴くわ〉という歌詞があって。自分たちのバンドの曲にaikoさんが出てきて嬉しいし(笑)、ドキドキします。

蓮:さっき夕日が言ったことに似てるかもしれないですけど、歌詞を書くときは「聴く人の気持ちになる」ということを意識していて。自分もそうですけど、不安だったり落ち込んでいるときに音楽を聴きたくなるという人は多いだろうなと。自分もaikoさんの曲が好きなので、歌詞に入れてみました。

TRACK15 – プラネタリウム【Official Music Video】

寺田:全曲好きなんですけど、「私くらいになれば」の〈白い息だけが寂しそうに残ってるから〉は印象に残ってますね。冬の切ない寒さが伝わってきて。

——〈私くらいになれば 冬の匂いだけであなたが浮かぶ〉という歌い出しもすごいですよね。

高橋:ヤバい恋をしてますよね(笑)。

蓮:当たり前ですけど恋愛は二人じゃないとできなくて。この曲の歌詞は“片方だけが思いすぎてる”という関係を意識しました。あと〈私くらいになれば〉ってけっこう強気に聞こえると思うんですけど、サビでは〈「それじゃあまたね。」〉ってサヨナラの雰囲気を出していて。プラスとマイナスの気持ちの動きを表現できたのかなと。

——「話したいこと」もそうですが、失恋や終わりそうな恋をテーマにした歌詞も多いですよね。

蓮:どちらかというとハッピーな歌より切なさが入っている歌のほうが得意なんですよ。それはたぶん、自分の性格が反映されているのかなと。

寺田:「ダメ宣言」の“曲調は明るくてポップだけど、歌詞的にはマイナスの感情”というギャップも好きです。単純なファイティングソングではないというか。

蓮:この曲は大学時代の友達がモデルになっていて。その子、ポンコツなんですよ(笑)。本当にダメだから、その子を勇気づけるというか、元気づけようと思って書いた曲ですね。

高橋:僕は「シティーライト、今夜」の〈ねぇ、星と君以外は街のエキストラ〉が刺さりました。言葉遊び的なところもあって、おしゃれだなと。

TRACK15 - シティーライト、今夜【Official Music Video】

——ポップで心地いいサウンドにも似合ってますよね。

蓮:“エキストラ”もそうなんですけど、普段から「こういう言葉が曲に入っていたらおしゃれだな」とか「すっと耳に入ってきそう」という言葉を書き留めているメモがあって。歩いているときもそうだし、そのことを意識していない時間はないですね。

高橋:街中の看板とかも?

蓮:使えそうな言葉だったら書き留めてる。親が言ったこと、それこそメンバーに言われたこともそうだけど、ハッとした言葉をメモしていて。その言葉はたぶん、誰が聞いても印象に残ると思うんですよ。

——なるほど。「オレンジ」には〈僕は僕の歌で迎えに行くからそこで待ってて〉というフレーズがあって。これはリスナーに向けているんですか?

蓮:はい。聴いてくれてる人たちもそうだし、自分自身に向けているところもあって。「オレンジ」はミニアルバムの最後に作った曲なんですよ。「あと1曲入れよう」ということになって、急いで作ってレコーディング2日前くらいに完成しました。追い詰められている自分をそのまま出した感じもありますね。この曲が入ったことで“粒が揃った”という感じになったので、がんばって作ってよかったです。

——この春は音楽フェス『JAPAN JAM 2024』に出演するなど、活動の幅も広がっています。今後のビジョンを教えてもらえますか?

高橋:もっとたくさんの人に知ってもらいたいし、大きいフェスにもいっぱい出たくて。……普通のことしか言ってないですね(笑)。あとはメンバーや周りの方々と楽しく音楽を続けられたらなと思っています。

前田:フェスもそうだし、『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出たいとか、バンドマンなら誰もが夢見ているようなことをやりたいですね。ドラマや映画の楽曲を任されるバンドになりたいという気持ちも強いです。

寺田:デカい会場が似合うバンドになりたいですね。僕も映画が好きなので、エンディングで自分たちの曲が流れる瞬間を味わいたくて。

——蓮さんはどうですか?

蓮:そうですね……何かを目指すみたいな感じはそんなになくて。たとえば「冬に聴きたい曲」みたいな特集で名前が挙がったり、「このアニメと言えば」「この映画と言えば」という感じで思い出してもらったり。リスナーのみなさんがそれぞれ好きなように思ってくれるバンドになっていきたいです。

■リリース情報
1stミニアルバム『bouquet』
2024年3月20日(水)リリース
PCCI-00016 2,500円(税込)
仕様:デジパック
URL:https://lnk.to/track15_bouquet

<収録曲>
1.プラネタリウム
2.オレンジ
3.シティーライト、今夜
4.私くらいになれば
5.話したいこと
6.ダメ宣言
7.ブーケ

■ツアー情報
『TRACK15 1st Mini Album「bouquet」Release Tour』
全公演前売りチケット料金:3,300円(税込)
https://eplus.jp/track15/

4月19日(金)東京編 ※SOLD OUT
Spotify O-Crest
w/パーカーズ
開場18:30/開演19:00

4月20日(土)名古屋編 ※SOLD OUT
RAD SEVEN
w/トンボコープ
開場17:30/開演18:00

4月26日(金)大阪編
OSAKA MUSE
w/Hakubi
開場18:30/開演19:00

■関連リンク
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