櫻坂46 山﨑天&日向坂46 渡辺莉奈、グループ活動での成長 中学・高校卒業で広がる可能性
春は出会いと別れの季節。今年もまた櫻坂46と日向坂46から多くのメンバーが中学校・高校を卒業し、新たな門出を迎えようとしている。毎年この時期になると中高を卒業したメンバーを集めて『B.L.T.graduation2024高校卒業』と『B.L.T.graduation2024中学卒業』(いずれも東京ニュース通信社)が発売されているが、それぞれ表紙を飾っているのが櫻坂46の山﨑天と日向坂46の渡辺莉奈だ。中でも山﨑天は中学1年生で欅坂46の二期生として加入し、青春時代の大半をアイドルとして過ごしてきた。
振り返れば山﨑は2018年当時、グループ最年少メンバーとして加入しながらも、大人びた姿がフォーカスされることが多かった。バラエティなどで見せる素顔からは年相応な一面を覗かせることもあったが、ステージに立つと表情が一変。最年少メンバーとは思えないほど、グループの中でも圧倒的な存在感を見せていたのが山﨑だった。筆者が山﨑のパフォーマンスで衝撃を受けたのが、2020年に国立代々木競技場 第一体育館にて開催された『欅坂46 THE LAST LIVE』で山﨑がセンターとして披露した「大人は信じてくれない」だ。同年7月に開催された配信ライブ『KEYAKIZAKA46 Live Online,but with YOU!』でも同曲でセンターに立った山﨑だが、欅坂46としてのラストライブではそのパフォーマンスを凌駕するほどのキレのあるダンスと鋭い表情で新たな境地を見せつけた。欅坂46から櫻坂46への改名という混沌の中で、山﨑に希望を見出すことができたのもこの時期だったように思う。
櫻坂46へと改名されたのは山﨑が中学3年生のとき。まだまだ顔つきにはあどけなさを残しつつも、ブログやインタビューで語られる改名への前向きな決意は年齢以上の落ち着きを感じさせた。そんな彼女にとってターニングポイントとなったのは、4thシングル『五月雨よ』で表題曲初センターを経験し、ツアーの座長としてグループを牽引した『2nd TOUR 2022 “As you know?”』だろう。同ツアーは菅井友香の卒業を控えたものだったが、山﨑のリーダーシップはグループの分岐点において、次第に存在感を大きくしていた。そして、昨年の『3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE』で観客を堂々と煽る姿は頼もしさを感じるのと同時に、グループを象徴する存在であることを示していた。
『B.L.T.graduation2024高校卒業』のインタビューでは「嫌でも大人になっていくわけですから、変に急がなくてもいいのかなって。逆にいつまでも子ども心というか、はしゃぐ楽しさを忘れたくないなあ〜って思っています(笑)」と語っていた山﨑。この発言そのものがある意味達観しているとも言えるのだが、山﨑にはいつまでも変わらずに、次世代へとバトンをつないでほしい。