「ハロプロ卒業後の活動に興味がない」は過去の話? 稲場愛香、鈴木愛理らソロでの飛躍に注目
そして、2015年から約5年間つばきファクトリーで活動していた小片リサは、表現をとことん追求した音楽活動を2021年から積み重ねてきた。小片は、2021年12月にカバーアルバム『bon voyage!〜 risa covers 〜』でソロデビュー。それ以来、シングルのリリースや単独コンサートの開催で高い歌唱力を発揮すると、2023年12月リリースの2ndシングル『映画の趣味が合うだけ/ちいさな世界』では、「オリコン週間シングルランキング」で2位にランクインして注目を集めた。
小片といえばグループ在籍時から儚げで少し影のある歌声が特徴だったが、最新シングルに収録された「映画の趣味が合うだけ」は小気味良いアップテンポなサウンドで、小片の新たな一面が垣間見える楽曲となっている。インタビューでは、映画の趣味が合うだけの恋が始まるか始まらないか分からない絶妙な男女の距離感を表現するために、自らもアイデアを出しながら試行錯誤してレコーディングを進めていった様子が語られており、ソロアーティストとして着実に成長を遂げている小片の姿に期待を寄せているファンも多いことだろう。
それから、佐藤優樹への言及も欠かせない。2021年12月に多くのファンに惜しまれながらモーニング娘。’21を卒業した佐藤は、卒業直後からM-line clubの公式YouTubeチャンネルで歌唱動画等をコンスタントにアップし、2023年3月に1stシングル『Ding Dong/ロマンティックなんてガラじゃない』でファン待望のソロデビューを実現した。
特にアイドルの楽曲も多数手がけてきたヒャダインこと前山田健一が作詞に携わった「Ding Dong」は、MVの再生数はすでに166万回を超え、どこを切り取っても佐藤の魅力が伝わってくる映像に心を奪われたファンが続出した。今年はソロでのカレンダーも発売したほか、雑誌やテレビ、ウェブをはじめとしたメディアにも頻繁に登場しており、今後もそのカリスマ性の高さを発揮しながら、楽曲のリリースやコンサートで活躍する姿を見せてくれるに違いない。
さらに、一時は稲場と同じカントリー・ガールズで活動していた小関舞のソロデビューも発表された。小関は宮本、小片、佐藤、稲場とともに新ユニット・SIOOM(from M-line Music)が、ドラマ『シンデレラ・コンプレックス』(MBSドラマ特区)のエンディング主題歌を務めていることも話題となった。2008年6月にリリースされた高橋愛、田中れいな、清水佐紀、矢島舞美、前田憂佳から成るユニット・High-Kingの「C\C(シンデレラ\コンプレックス)」をカバーする。
このように、ハロー!プロジェクトのグループを卒業したOGは、ソロデビューを果たした後も、グループの看板がなくとも個人の力で活躍の場を広げている事例が増えてきたように思う。活躍の仕方も多様で、音楽活動を中心とするメンバーもいれば、女優業に力を入れるメンバー、さまざまなジャンルで実力を発揮するメンバーと、それぞれの個性に基づいた活動のあり方を体現している。かつてはハロー!プロジェクトを卒業したメンバーについて興味が薄れてしまうファンも少なくなかったが、それも過去の話と言っても過言ではないだろう。こうしたOGの活躍は、国内のガールズグループシーンで活躍するメンバーの将来に多彩な可能性を示す好事例となり、シーンを盛り上げる一助となっていると言えるのではないだろうか。
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