譜久村聖・山岸理子・岸本ゆめの卒業、25周年記念公演……2023年下半期ハロプロ重大ニュースを振り返る
ハロー!プロジェクトの2023年7月~12月の下半期における重大トピックスを選考し、その半年間に何があったのかを振り返ってみようと思う。
(上半期については、以前執筆した記事「竹内朱莉・浅倉樹々卒業、コール解禁で戻りつつある“ライブでの日常”……2023年上半期ハロプロ重大ニュースを振り返る」をお読みください。)
まずは重要と思われるトピックスをグループ別に10個挙げていく。なお、関連する項目はひとつにまとめた。また、厳密にはハロプロではないアップフロント系グループなども、ハロプロ関連と捉えて選考の対象に含める。
【01】10.10[モーニング娘。'23]洋服の青山とのコラボキャンペーン「アオヤマ娘。'60」展開
2024年5月に60周年を迎える紳士服販売チェーン『洋服の青山』とモーニング娘。'23がコラボ。「アオヤマ娘。'60」と名を変えてアンバサダーとして就任、TikTok動画が10月17日より5週連続で配信されるなどのキャンペーンを展開した。
動画ではハロプロ楽曲の編曲を多く手がけている大久保薫がオリジナルインスト楽曲を制作、メンバーの石田亜佑美とコレオグラファーの木下菜津子が共同で振り付けを担当。スーツスタイルやビジカジスタイルに身を包んだメンバーたちがダンスを披露するという内容だった。
今年は他にも、9月にモスバーガーとのコラボキャンペーン「モスバーガー×モーニング. 娘。'23『朝、モスしよ!』キャンペーン」があったり、上半期3月にはスペースシャワーTVとのコラボによるオリジナルステーションIDが公開されたりと、企業コラボ案件が目立った。
【02】11.29[モーニング娘。'23]譜久村聖、卒業
昨年12月にモーニング娘。'23およびハロプロを卒業することを発表した譜久村聖。それから約1年をかけて、様々な機会を通してモーニング娘。メンバーとしての最後の時間を過ごしてきた。8月に開催された生田衣梨奈との合同によるファンクラブバスツアーもその一環だったことだろう。そして迎えた11月28日・29日、横浜アリーナでの2DAYS公演が譜久村の最後のステージとなった。
28日の『モーニング娘。'23 コンサートツアー秋「Neverending Shine Show」SPECIAL』では、モーニング娘。OGの安倍なつみ・保田圭・矢口真里・石川梨華・辻希美・高橋愛・道重さゆみ・田中れいなといった先輩メンバー8名、さらに佐藤優樹・森戸知沙希といった譜久村の後輩メンバー2名がゲストとして参加。この顔ぶれならではの楽曲が披露され、譜久村の卒業に華を添えた。
29日は『モーニング娘。'23 コンサートツアー秋「Neverending Shine Show ~聖域~」譜久村聖 卒業スペシャル』と題されて、現役メンバーのみによるステージングを展開。譜久村ソロ歌唱の「I WISH」、そして全員歌唱による「みかん」でコンサートを終えた。彼女の15年間のアイドル人生が凝縮されたかのような内容で、モーニング娘。史およびハロプロ史に大きな句読点が刻まれた2公演だった。
【03】12.21[アンジュルム]佐々木莉佳子、2024年春の卒業を発表
今年5月には下井谷幸穂・後藤花が加入、6月には竹内朱莉が卒業という変化の季節を迎えたアンジュルム。新体制での活動をスタートさせた矢先、さらに12月には佐々木莉佳子の来春卒業も発表された。
6月リリースのシングル曲「アイノケダモノ」のMV冒頭でもセンターポジションで存在感を発揮していた佐々木。アンジュルムのアグレッシブな一面を担う存在でもあった彼女の卒業は、グループへも大きな影響を与えることだろう。
本人による卒業発表メッセージには、「『表現』という心の底からワクワクするものに出逢い、今とは違った自分を知りたくなったのが卒業を決めた一つのキッカケです。」という一文がある(※1)。卒業を決めた時期が厳密にはいつだったのかはわからないが、今のこの発表タイミングでは、どうしてもかつての同僚メンバーだった笠原桃奈の昨今の活躍を連想してしまうところがある。
【04】08.16[Juice=Juice]植村あかり、2024年春の卒業を発表
Juice=Juiceのグループ結成10周年という節目の年に、植村あかりの来春卒業が発表された。現在ではただ一人となる結成時からのオリジナルメンバーで、グループのリーダーも務めている植村。彼女の卒業をもって、Juice=Juiceは真の意味で第2章を迎えることになるだろう。
今年2023年は、すでに人気曲として評価が高い楽曲「プライド・ブライト」がシングルリリースされ、5月と12月には二度の日本武道館コンサートを成功させた。植村卒業後も、Juice=Juiceというグループの個性である「高い音楽性」は保持されて受け継がれていくことは想像に難くない。
【05】10.11[Juice=Juice]初のベストアルバム『Juicetory』発売
Juice=Juiceは10年という活動期間中、オリジナルアルバムは3タイトルをリリースしているが、ベストアルバムはこれまでなかったというのは少々意外でもある。
10年間での代表曲や人気曲を、現在のメンバーで再レコーディングしたのがこの『Juicetory』。メジャーデビュー曲「ロマンスの途中」やオリコン週間チャート1位を獲得した「Wonderful World」はバックトラックも新たにリアレンジされて収録。特に前者ではベースにハマ・オカモト、ドラムに小笠原拓海といったミュージシャンを迎え、生演奏のグルーヴが楽しめる出色の出来となっている。この曲は新録バージョンのMVも制作されてYouTubeにて公開されている。
【06】11.06[つばきファクトリー]山岸理子・岸本ゆめの、卒業
山岸理子と岸本ゆめのの両名が、つばきファクトリーおよびハロー!プロジェクトを今秋卒業することを発表したのが今年4月。しかし岸本は6月に適応障害により活動休止となってしまった。卒業コンサートはいったいどうなるのか……と不安視されていたが、10月より岸本が活動再開。そして11月6日、日本武道館にて『つばきファクトリー コンサートツアー 2023秋 可惜夜~山岸理子・岸本ゆめの 卒業スッぺシャル~暁』と題された卒業公演が行われた。
当日はつばきファクトリーの代表曲に加え、山岸・岸本がハロプロ研修生時代に触れていたBerryz工房や℃-uteのカバー曲もメドレー形式で多く歌われるという意表をついたセットリストとなった。卒コン恒例のソロカバー曲は、岸本がBerryz工房「BE」、山岸がハロー!プロジェクト モベキマス「かっちょ良い歌」を歌った。そしてグループとしてのラストはつばきファクトリー「勇気 It's my Life!」で感動的に締めくくられた。