go!go!vanillas、10周年ツアー幕張メッセワンマン 痛快かつキャッチーに表現したバンドのオリジナリティ
ステージが暗転し、ファンへのプレゼント企画である映像が流された後、後方から悲鳴に近い歓声が上がり振り返るとサブステージに牧の姿が。メンバーとの演奏の時差に苦戦しながらも「どうしてもここに来たかったんだ、俺は!」と、「LIFE IS BEAUTIFUL」を披露。そしてもう1曲、トランペットの晴れ晴れとしたフレーズから「ツインズ」へ。柳沢のファルセットのコーラスもいい。カントリーも日本の綿々と続く名曲のイメージもバニラズという器で昇華される表現力を見た。
明快にバンドの個性をブロックごとに見せてきたあとは、怒涛のキラーチューンを連投していく。ルーツミュージックに根差しつつ、自分たちの世代感を歌詞に映した「平成ペイン」、プリティの3カウントからスタートした「エマ」での、オルガンもフィドルもトランペットもリズムを担い、時にメロディの主役に躍り出るアンサンブルはオーケストラのような迫力。プリティのボーカルに続いて全員が歌う「デッドマンズチェイス」はタイトル通りレースのように加速。セイヤのウインドミル奏法にも似た腕をぶん回すドラミング、先程の“動く歩道”上に寝そべる牧、そこに座ってギターを弾く柳沢と、メンバーのキャラが立つ場面もどんどん増えていく。
柳沢がメインボーカルをとるポストパンクテイストの「ストレンジャー」が終盤のいいフックになっており、「カウンターアクション」では演奏途中で牧と二人で花道で一つのマイクで歌うシーンも。こんなに絵になるバンドが日本にいるだろうか。しかもライティングやカメラワークなどチーム一丸で「このカッコいいバンドを見ろ!」と言わんばかりの熱量で攻めてくるのだから、もうお手上げである。終盤はバニラズのオリジナリティを明確にした「お子さまプレート」、そして「アメイジングレース」を連発。ルーツに根差した音楽性に、自分や若い世代がストレートに気持ちを乗せられる日本語の平易な歌詞を乗せた、まさにバニラズ印を刻みつけたエンディングだった。
アンコールを含む約2時間半。10年を一望して同じ板に乗せることを可能にしたのは彼らがオリジナルのより良いあり方を模索したからだろう。日本のロックバンドとして唯一無二のポテンシャルはまだ尽きそうにない。
■セットリスト
OP.RUN RUN RUN
1.マジック
2.ヒンキーディンキーパーティークルー
3.クライベイビー
4.チェンジユアワールド
5.サイシンサイコウ
6.青いの。
7.SHAKE
8.ナイトピクニック
9.コンビニエンスラブ
10.LIFE IS BEAUTIFUL
11.ツインズ
12.平成ペイン
13.エマ
14.デッドマンズチェイス
15.ストレンジャー
16.カウンターアクション
17.お子さまプレート
18.アメイジングレース
En1.セルバ
En2.おはようカルチャー
En3.ギフト
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