電気グルーヴ、フジファブリック、バニラズ……2019年に周年迎えるグループの新作

 今回紹介するのは、電気グルーヴ(結成30周年)、フジファブリック(メジャーデビュー15周年)など、2019年に“周年”を迎えるバンド(グループ)の新作を紹介。セルフカバー、ベスト盤、オリジナルアルバムに込めた各アーティストのこれまでの軌跡、そして新たな音楽表現をたっぷり楽しんでほしい。

電気グルーヴ(結成30周年)『30』

電気グルーヴ『30』

 ドイツの伝説的エレクトロ系シンガー、インガ・フンペをフィーチャーした「Shangri-La」のセルフカバー「Shangri-La feat. Inga Humpe」、トミタ栞のガーリーなボーカルが印象的な「いちご娘はひとりっ子」、30周年アニバーサリーソング「電気グルーヴ30周年の唄」など、多彩なアーティスト、クリエイターを招いて制作された30周年記念作品。常に最新鋭のテクノ、エレクトロと同期しながら、独創的としか言いようがないトラック、ナンセンスの極北を描き出すリリック、そして、石野卓球・ピエール瀧の濃密すぎるキャラクターによって、日本のダンスミュージックシーンを大きく前進させ、世界レベルのクオリティを体現してきた電気グルーヴの軌跡と現在地が強く刻まれた作品である。

電気グルーヴ 『いちご娘はひとりっ子』(Video Edit)

フジファブリック(メジャーデビュー15周年)『F』

フジファブリック『F』(初回生産限定盤)

 長くバンドを続けていると、まったく予想できなかったことが起きる。音楽性やコンセプトが大きく変わることもあるし、ときにはメンバーが脱退したり、いなくなってしまうことも。そういう様々な出来事を乗り越え、豊かな音楽へと結実したとき、(それまでのプロセス込みで)聴き手は強く感情を揺さぶられてしまうーーフジファブリックのニューアルバム『F』は、まさにそんなアルバムだと思う。ギターポップ、オルタナティブ、ファンク、エレクトロなどを融合させたキャッチー&ストレンジなサウンド、前進を続ける意志をストレートに反映させた歌詞を軸にした音楽性もさらに進化。メジャーデビュー15周年、3人体制になって8年目のタイミングで生まれた最高傑作であると断言したい。

フジファブリック『破顔』-YouTube EDIT-

go!go!vanillas(メジャーデビュー5周年)『No.999』

go!go!vanillas『No.999』(通常盤)

 表題曲「No.999」は〈デスから デスから デスからアゲイン/墓場で鳴らせコール〉というサビのラインがとにかく最高。その理由は、ロックンロールという“古き良き”と認識されている音楽を現代的なポップミュージックとして蘇らせてきたgo!go!vanillasのスタイルをそのまま示しているからだ(同時にTVアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』(フジテレビ系)のエンディング主題歌としてもバッチリ成立しているところもすごい)。ロックンロール、カントリー、サイケデリック、ハードロック、ミクスチャーなどをガッツリ飲み込んだバンドサウンド、ソウルフルにしてエッジーな牧達弥(Vo/Gt)のボーカルを含め、彼らの新たな代表曲と言っていいだろう。カップリングには柳沢進太郎(Gt)の楽曲を牧が初めて歌った、切なくも美しいポップナンバー「触れたら」を収録。

go!go!vanillas – No.999 Music Video

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