LIL LEAGUE、1stアルバム『TRICKSTER』が首位に 意表をつくサウンドと新世代ならではの勢い

CD Chart Focus

参照:https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2024-03-11/

 2024年03月11日付(3月5日発表)のオリコン週間アルバムランキングで首位を獲得したのはLIL LEAGUEの『TRICKSTER』で、推定売上枚数は34,039枚だった。ほか、トップ10圏内の初登場作品としては3位 私立恵比寿中学『indigo hour』(22,773枚)、4位 TWICE『With YOU-th』(20,598枚)、6位 BiS『NEVER MiND』(11,171枚)、7位 Lucky²『ずっとずっとずっと』(9,534枚)、8位 hololive × HoneyWorks『ほろはにヶ丘高校 -Complete Edition-』(9,299枚)、10位 ジョー・力一『カーニバル・イヴ』(6,726枚)が並ぶ。

 本題に入る前にちょっと寄り道。6位 BiS『NEVER MiND』は様々なプロデューサー陣を招いた一作で、Age Factory、AxSxE、中村弘二、フルカワユタカ、中野雅之等々が楽曲を提供。ロックな軸は押さえつつもサウンドにバラエティが出た仕上がりに。我ながらそういうプロデューサーで釣られるのはちょっとちょろすぎやしないか、と思ったけれど実際聴いたら抗えませんでした(というかノーマークだったので本当に予備情報なく聴いて驚いた)。とりわけ、青臭さを保ちつつも円熟したフルカワユタカの作風がBiSに映えるとは。

 さて、今回取り上げるのは首位のLIL LEAGUEの1stアルバム『TRICKSTER』。以前取り上げたTHE JET BOY BANGERZと同じく2022年にLDH主催で開催されたオーディション『iCON Z』の出身で、男性部門グランプリとなったグループだ。2023年のはじめにメジャーデビューを果たして1年強、最初のアルバムリリースとなる。

 ボーイズグループらしいダンサブルな楽曲を基調としつつ、「15分」のように男性シンガーソングライターのバラードのようなメロディアスで言葉の比重がとても高い楽曲もあり、正直サウンド面からグループのカラーをパッと感じることは難しい。ボーナストラックの「タングステン」はR&B的なコード感に歯切れのよい断片的なメロディを組み合わせた曲調がインターネット以降っぽく、「そういうところを取り入れていくのか」と意表をつく感じもある。もっとも、あくまでボーナストラックなので、アルバムで提示したいグループのカラーから離れた番外編なのかもしれないが。

LIL LEAGUE '15分' Concept Video
タングステン

 個々の楽曲に耳を傾けてみよう。まず今作のリード曲であり冒頭を飾る「Lollipop」。グリーグの『ペール・ギュント』から「山の魔王の宮殿にて」の印象的なフレーズを引用した、ダークな雰囲気とキャッチーさを両立した1曲だ。無駄のないタイトな楽曲構成も手伝って、ランニングタイムはなんと2分9秒ほど。大ネタを引用するくせの強い内容だけに、さらっとした幕引きがかえって効果的に思える。

LIL LEAGUE 'Lollipop' Music Video

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