OWV、8作目シングル『BREMEN』で初の首位獲得 独自の道切り拓く4人の心意気
CD Chart Focus
参照:https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2024-02-19/
2024年2月19日付(2月13日発表)のオリコン週間シングルランキングで1位を獲得したのは、OWVの『BREMEN』。OWVとは、2019年に放送されたオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』に出演した元練習生4名で結成されたボーイズグループです。つまり、JO1を生んだ番組からOWVも生まれており、吉本興業に所属しています。2020年のデビュー以降、すでに8枚のシングルをリリースしており、その8作目である『BREMEN』で初の1位を獲得しました。
タイトルナンバーの「BREMEN」は、冒頭からトライバルなビートが鳴り響きます。そしてラップが始まるとドラムが主体となってビートを鳴らし、メロディを歌うボーカルも加えて進行。そこにギターなどが加わっていき、サウンドは再び厚みを増していきます。そしてBメロからサビへと進んでいきますが、楽曲自体の構造は基本的にヒップホップ。J-POPとしてはかなり大胆にサウンドの音数を減らしている部分もあり、それが4人のメンバーそれぞれのボーカルの個性を浮きあがらせています。
そうしたヒップホップをベースにしたサウンドながら、2分30秒過ぎにはR&Bのようなメロディも登場。かと思うと、そこからアブストラクトなビートに変貌していき、さらに再びサビへと進行していきます。OWVは「BREMEN」で「ノレる」ことを重視したとのことですが、それを体現するかのようなサウンドに仕上がっています。
作詞を担当しているのはYVES&ADAMSのZERO。YVES&ADAMSは、EXILE THE SECOND、三代目 J SOUL BROTHERS、GENERATIONS、THE RAMPAGE、FANTASTICSなどEXILE TRIBEのアーティストの作詞を多く手がけており、LDH所属グループが好きな人なら見たことがある名前のはず。「BREMEN」では、音に対して日本語の乗せ方が巧みであり、〈連れていくよ未体験ゾーン〉というフレーズについては、「このメロディにこの歌詞を乗せるのか」という驚きがありました。〈Mic check 1,2 BREMENのお通りだ〉という歌詞で幕を開けますが、ヒップホップにおいて自分を大きく見せるセルフボースティングになることはなく、OWVが「BREMEN」で目指す音楽を描きだしています。
そして、『PRODUCE 101 JAPAN』をきっかけとして生まれたグループであり、しかもヒップホップを志向しながらも、「BREMEN」ではアートワークも含めてK-POPの要素をあまり感じさせない点に、OWVの心意気を感じました。独自の道を切り拓こうとする4人の意気込みを強く感じさせるのが「BREMEN」です。
連載「lit!」第25回:INI、Da-iCE、8LOOM、超特急、OWV……群雄割拠のシーンで新たな一手を打つボーイズグループたち
日本のボーイズグループは近年、“戦国時代”と称される新時代へ移行しつつある。2010年頃のいわゆる「アイドル戦国時代」と一線を画…
kemio、西川貴教、OWV……JO1、「SuperCali」コラボダンスから広がるグループの輪
10月12日、6TH SINGLE『MIDNIGHT SUN』をリリースしたJO1。同日18時には、タイトル曲「SuperCal…