KANDYTOWNの終演に続いてBAD HOPは解散、国内HIPHOPクルーに新時代到来か ニューカマー3組への期待
解散や活動終了となったアーティストも、リスナーが彼らの曲をプレイする限り真の意味で終わりを迎えることはない。BAD HOPやKANDYTOWNにとっては、この区切りはむしろ新章の始まりとして捉えることもできるだろう。ここからは今後注目したいグループをいくつか紹介していく。
STARKIDS
STARKIDSは、Space Boy、espeon、TAHITI、BENXNI、Lil Roar、leviによって結成された6人組の多国籍クルー。2023年5月に開催された『POP YOURS 2023』にも出演した。彼らの楽曲は乗り心地の好い高速のビートに、日本語と英語が入り混じるリリックを特徴としている。新進気鋭ならではのフレッシュさを余すことなくアウトプットし、リスナーを『スーパーマリオ』で言うところの“スーパースター”を獲得したような状態にさせてくれる印象だ。
HIPHOPというジャンルに捉われず多様な音楽を奏でる彼らは、今後思いもよらない場所で見かけることになるだろう。
SELF MADE
SELF MADEは、KOWICHIがCEOを務めるHIPHOPレーベル。Candee、ERASER、Merry Deloらが所属しており、2022年8月に初となるクルーコンピ作品『We Made It』をリリースし、『THE HOPE 2023』ではクルーとしてシークレットゲストで出演。堂々のパフォーマンスを披露した。
YouTubeに公開されている「SELF MADE CYPHER」は、単なる自己紹介のようなマイクリレーではなく、ひとつの楽曲のようにしてスムーズに耳に届く。それぞれが持ち合わせている強烈な個性が絶妙にマッチしているのだ。クルーを組むことの魅力のひとつとして、個性を最大限に活かせる環境であるというのは間違いないだろう。とりわけSELF MADEは今後の楽曲でも化学反応が大いに期待されるクルーだ。
Sound’s Deli
Sound’s Deliは、G YARD、Gypsy Well、Kaleido、Moon Jam、Tim Pepperoniの5人によって2019年に結成された、HIPHOPコレクティブ。声色から得意とするフロウの違いなど、こちらも個性が際立つ集団だが、注目してほしいのは多彩なビートアプローチである。「Sound’s Deli」のようなサウンド豊富なトラックはもちろん「LOWKEY LIKE」といった音数の少ないトラックも乗りこなす。そして、「好きなことを楽しむ」というマインドを何よりも大切にしているからだろう、どのMVを見てもエネルギッシュな姿が眩しく映るのだ。
そんなSound’s Deliは、2023年10月に渋谷で開催されたニューカマーのHIPHOPクルーが一堂に会したイベント『GLOCAL』に出演し、年が明けた今年1月31日には2024年初の新曲「CLOVER」をリリース。今後もデリシャスな音楽を届けてくれるであろう彼らの活躍に注目だ。
今回は筆者の主観で今後の活躍に注目したいグループを紹介したが、今後名もなき大型新人が突然現れてシーンを変革したり、個人でプロップスを獲得していたラッパー同士がクルーを結成してスマッシュヒットを叩き出すということもあるかもしれない。我々の知らないところでまだ見ぬアーティスト達が着々と力を蓄えていることを想像すると、Digの手は止まらなくなる。
※1:https://www.youtube.com/watch?v=y_PD-ScjWb0
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