花譜、新たな姿=“廻花”でバーチャルの向こう側へ 国立代々木第一体育館を圧倒した音楽×テクノロジー

花譜、4thワンマン『怪歌』レポ

 花譜のワンマンライブ『花譜 4th ONE-MAN LIVE「怪歌」』が1月14日に東京・国立代々木競技場 第一体育館で開催された。自身としてもソロのバーチャルアーティストとしても史上初となる単独アリーナ公演ということもあり、定番曲から新曲までをふんだんに盛り込んだソロステージはもちろん、多数の豪華ゲストを迎えたコラボステージ、VIRTUAL BEING KAFとしてのパフォーマンス、さらには事前に一切アナウンスされていなかった新たな活動形態のお披露目まで、極めて盛りだくさんな内容となった本公演。その濃密な一夜の様子を以下ピックアップしてお伝えする。

 ステージ中央にはバーチャルアーティストたちの姿を映し出すための大型LEDディスプレイが横たわっており、その上部には生身の人間がパフォーマンスを行える舞台が設けられていた。ステージ背面には巨大なメインスクリーンが3面に分かれて鎮座しており、両サイドは天井まで届こうかというタワー状の椿で装飾されている。その足元にはオーケストラピットよろしく演奏陣の持ち場が備えられ、下手側にバンドメンバー5名が、上手側にストリングスカルテットが配置された。

 定刻を迎え、メインスクリーンにカウントダウンを告げる数字が映し出されると、会場を埋め尽くした観測者(花譜ファンの呼称)たちが一斉に手拍子を開始。続いてオープニングムービーの映写が始まり、バンドとカルテットが先鋭的かつクラシカルな響きのイントロを奏でだすと、“第四形態 雉”姿の花譜がゆっくりと歩みを進めてその姿を現した。そしてステージ中央に陣取り、「花譜です! 始めます!」の言葉を合図に「青春の温度」でライブをスタート。これを皮切りに「人を気取る」「未観測」といった楽曲を立て続けに投下していき、早くもフロアの熱気を最高潮にまで押し上げた。

 ライブは大きく5つのブロックに分かれて進行した。まず「邂逅」と題された第1部では、これまで花譜プロジェクトのメインコンポーザーを務めてきたカンザキイオリの手によるおなじみの楽曲群を披露していく。観測者たちの気合十分な“オイ”コールや大合唱などを巻き起こしながら、代々木第一体育館の広大なスペースをみるみるうちに一体化させていった。

 続く第2部「組曲」では、その名の通り外部アーティストとのコラボレーションで楽曲を制作する『組曲』プロジェクトにおいて生まれた楽曲群をゲストアーティストとともにパフォーマンス。花譜は新コスチューム“第五形態 雷鳥”へと姿を変え、声優・佐倉綾音とのリアルステージ初共演が実現した「あさひ」で次元を超えた心の交流を見事に表現してみせたのち、ホロライブプロダクション所属のVTuber・Mori Calliopeとの意外なジョイントでオーディエンスに新鮮な驚きを与えた「しゅげーハイ!!!」、#KTちゃんと白熱のラップバトルを繰り広げる新曲「ギミギミ逃避行」(『組曲 2』第一弾楽曲)といった楽曲を次々に畳みかけ、変幻自在なステージングで聴衆を魅了していった。

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