RADWIMPS、back number、関ジャニ∞、Ayumu Imazu、ヤングスキニー、iri……注目新譜6作をレビュー

New Releases In Focus

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回はRADWIMPS「正解」、back number「冬と春」、関ジャニ∞「アンスロポス」、Ayumu Imazu「Obsessed」、ヤングスキニー「恋は盲目」、iri「hug」の6作品をピックアップした。(編集部)

RADWIMPS「正解」

 2018年に『RADWIMPS 18祭』(NHK総合)のために書き下ろされた曲で、当日の放送バージョンは同年リリースのアルバム『ANTI ANTI GENERATION』に収録されていたが、改めてスタジオレコーディングが行われた5年越しの正式音源がこちら。大勢で歌うことが前提の曲なので今回もバックに合唱の存在は不可欠。ただ、野田洋次郎のメインボーカルで聴くと、歌詞から滲む孤独や不安、震える心に戸惑いながらも少しずつ前に踏み出そうとする10代の勇気が、よりクリアになって胸に沁みてくるよう。楽曲を聴いて改めて感じるのは彼の声が持つ永遠の少年性。強いメッセージを伝えるのが得意なシンガーは数多いるが、ここまで震えながらも透明に輝く声の持ち主、そうそういるものじゃない。(石井)

RADWIMPS - 正解 [Official Live Video from "ANTI ANTI GENERATION TOUR 2019"]

back number「冬と春」

back number「冬と春」

 一瞬のブレスの後、最初に聴こえてくるのは〈私を探していたのに 途中でその子を見つけたから〉という言葉。back numberの新曲「冬と春」は、“好きな人に選ばれなかった私”を主人公にした失恋バラードだ。「幸せ」「ハッピーエンド」などと同じく女性目線で描かれたと思しき歌詞は、まさに清水依与吏(Vo/Gt)の真骨頂。昨年は初の5大ドームツアーを成功させるなど、日本のトップバンドに上り詰めた彼ら。新たなスタートとなるタイミングで“これを待ってた!”と快哉を叫びたくなる名曲を生み出せるのがこのバンドの強さだろう。骨太なバンドサウンドと抒情的なストリングスを融合させた島田昌典のアレンジワークにも注目してほしい。MVは初めて清水が原案・ディレクションを担当。石井杏奈が出演し、楽曲の主人公像と重なる女性を演じている。(森)

関ジャニ∞「アンスロポス」

関ジャニ∞「アンスロポス」

 アニメ『め組の大吾 救国のオレンジ』(読売テレビ・日本テレビ系)OP主題歌となる新曲。壮大にタメるドラムと“Oh〜Oh〜”のコーラスから始まり、ギターリフに引っ張られるように熱量を上げていくロックナンバー。作詞作曲はキタニタツヤである。本人の楽曲よりもストレートな熱さと前向きな歌詞が目立つため、楽曲提供の仕事に徹するキタニの職人的側面がよくわかる。ただし、人気グループに相応しい親しみやすさのみを重視した仕事ではない。間奏は極力省き、ギターソロの代わりに繊細なピアノを差し込む中盤のアレンジ、後半とんでもない動きを見せるベースラインなど、細かい聴きどころがたっぷり。暑苦しくなる前にサクッと終わる尺も気持ちがいい。(石井)

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