DISH//、2023年締め括った“HAPPY”で色とりどりなワンマン 意欲的なセットリストで笑顔に

DISH//、2023年を締め括ったワンマン

DISH// ライブ写真(撮影=Ray Otabe)

 このように最初から最後まで盛りだくさんのライブで、DISH//の持つ様々な側面がライブエンタテインメントとして昇華されていた。EP『HAPPY』が完成した時、彼らは、DISH//らしさを追い求めると、自然と色とりどりの作品が生まれると言っていた(※2)。同じように、DISH//らしいライブを追い求めた結果、自然と色とりどりのライブが生まれたのだろう。そう考えると、メンバーの多彩なステージ衣装もDISH//の在り方を象徴していたように思う。オールホワイトの神秘的なコーディネートでまとめた北村。着物をアレンジしたような個性的な衣装を見事に着こなす矢部。チェック柄をあしらったカジュアルな装いが似合う橘。かっちりとした黒スーツに見えて、ところどころ穴が空いているのがパンクな泉。ファッションもルーツも好きな音楽も異なる4人は、一見バラバラだが、ひとたび音を鳴らせばバンドになる。DISH//がロックバンドになる以前からあった彼らが有していた「楽しかったらなんでもありでしょ」というテンションを、今はロックバンドとしてこの上なく楽しんでいる。

 今やフェスの常連となり、他バンドから対バンに誘われることも増え、初の主催フェス『皿祭 -sara fes-』も実現。メンバー作の曲のみでEPを作り上げ、新曲「Dreamer Drivers」「いつだってHIGH!」はメンバー書き下ろしによるタイアップソングと、2023年はロックバンドとしての歩みが一つ結実した。バンド/ミュージシャンとしての成長を経て、DISH//の本来のキャラクターが、より素直に音楽に出るようになりつつあるのではないだろうか。多彩で楽しくDISH//らしいライブを、ここ2~3年のライブの空気作りに大きく貢献した「猫」や「No.1」などを含まないセットリストでやりきってみせた点にもバンドの意欲を感じた。

DISH// ライブ写真(撮影=Ray Otabe)

 4~7月には全国ホールツアー『DISH// HALL TOUR 2024』を開催するDISH//。次のツアーでもバンドとしての成長とともに、笑顔溢れる景色を生み出すことだろう。

※1 https://realsound.jp/2022/12/post-1221773.html
※2 https://numero.jp/talks100

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