DISH//、バンドとしての成長と野心に満ちた『TRIANGLE』が首位獲得 メンバー作詞作曲の楽曲が光るアルバムに
参照:https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2023-02-13/
2023年02月13日付のオリコン週間アルバムランキングで首位を獲得したのはDISH//『TRIANGLE』で推定売上枚数は23,822枚。以下、トップ10圏内の初登場作品としては、4位Uru『コントラスト』(15,161枚)、7位YUKI『パレードが続くなら』(11,371枚)、8位『ポケモンTVアニメ主題歌 BEST OF BEST OF BEST 1997-2023』(10,425枚)、9位NCT 127『Ay-Yo:NCT 127 Vol.4 Repackage』(8,913枚)、10位『Paradox Live -Road to Legend- Consolation Match “SHOWDOWN”』(8,306枚)となった。
さて、今回取り上げるのは首位のDISH//『TRIANGLE』。通算5作目となるオリジナルフルアルバムで、12曲中11曲でメンバー自身が作詞・作曲などを手掛けた意欲作だ。2020年、YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」で北村匠海(Vo/Gt)が歌唱した「猫」が話題となって一躍注目度をあげ(前作『X』には同曲の「THE FIRST TAKE ver.」も収録)、メンバーそれぞれが意欲的な活動を繰り広げてきたなか、バンドとしての成長と野心がみなぎる一作といえよう。
一聴して惹かれたのは、歯切れがよく華やかなダンスロックチューン、「スパゲッティ」と「万々歳」だ。「スパゲッティ」はメンバーの橘柊生(DJ/Key)の作詞・作曲で、イントロのホーンにエレピのコードまわし、ディスコビートの絡みが心地よい、大人なディスコファンク。メロディアスな側面と躍動感あふれる側面を行き来するベースラインにも耳がいく。「万々歳」ははねる音を多用した歌詞もふくめ、アップテンポで飛び上がるような勢いに心躍る。中盤の変拍子やアウトロのひねり(終盤に油断していると、思わず「おっ」と驚くしかけだ)など、楽曲構成のなかの遊びも楽しい。いずれも編曲にDISH//と関係の深い新井弘毅が参加し、「万々歳」についてはDISH//と共同作曲となっている。
一方、作詞・作曲・編曲までをDISH//で行った「ブラックコーヒー」は、ダイナミックで骨太なサウンドに貫かれたミッドテンポの一曲。続く「FLY」(作詞・作曲・編曲は泉大智)は一転してアグレッシブでハイスピード、パンキッシュなナンバーだが、この2曲はどちらも演奏することの楽しさが詰まったような装飾の少ないアレンジで、DISH//の「バンドらしさ」を思う存分味わわせてくれる。