星野源、Number_i、YOASOBI、アイナ・ジ・エンド、花譜 & 岸田繁、[Alexandros]……注目新譜6作をレビュー

アイナ・ジ・エンド「帆」

アイナ・ジ・エンド - 帆 [Official Teser Movie]

 2023年12月31日に突如としてリリースされた新曲。生々しく、強靭なグルーヴを描き出すビート、深みのあるベースライン、鋭利なギターフレーズがぶつかり合うトラックが鮮烈なインパクトを残すミディアムチューンだ。作曲は安室奈美恵、TWICE、Red Velvetなどの楽曲を手がけてきたDSign Musicのメンバー。全曲の作詞・作曲を本人が手がけたアルバム『THE END』、出演映画『キリエのうた』の役名であるKyrie名義でリリースしたアルバム『DEBUT』とは異なる方向性を示すことで、アーティストとしての幅広いポテンシャルを改めて証明している。一つの場所に収まることなく、自らの表現欲求を自由に発揮したいという強い思いは、〈ここから出して〉のリフレインからもはっきりと感じてもらえるはずだ。(森)

花譜 & 岸田繁「愛のまま」

【組曲】花譜×岸田繁 # 131「愛のまま」【オリジナルMV】

 バーチャルシンガー・花譜による、リアルのアーティスト&コンポーザーを中心としたコラボレーション企画「組曲」。2021年10月からスタートし、GLIM SPANKY、たなか、くじら、長谷川白紙、MIYAVIなどが参加したこのプロジェクトの第15弾にして最終作となる「愛のまま」は、岸田繁(くるり)の作・編曲、岸田と花譜の共作詞によるノスタルジックなバラードナンバーだ。曲のなかで描かれるのは、夕暮れの風景、“僕”と“あなた”の切ない別れ、そして〈涙の粒が乾いてしまわないうちに行こう〉に象徴される、未来に進む意思。繊細で淡い歌声はもちろん、岸田のギター、佐藤征史(くるり)のベース、石若駿のドラムを中心とした感情の揺れと同期するようなバンドグルーヴも素晴らしい。(森)

[Alexandros]「todayyyyy」

[Alexandros] - todayyyyy (MV)

 スマホゲーム『モンスターストライク』への書き下ろしとなるコラボレーションソング。疾走感溢れるギターロックに始まり、川上洋平(Vo/Gt)の甘い歌声がメインとなるのだが、単純なルート弾きとは違う発想で動くシンセベースが非常に面白い。また、冒険や夢をテーマとする歌詞は、よく読めば楽観とはほど遠く、〈理想〉と〈幻想〉は紙一重であること、〈嘘〉を〈希望〉にするのは自分自身であることを、己に言い聞かせるように歌い上げている。川上の声はどちらかと言えば高音域でパーンと伸びていくタイプだが、声を張り上げない低音域、特に英語詞が続く後半部分がハッとするほど色っぽい。勢いに溢れた若手には出せない、今の彼らの魅力がある。(石井)

星野源、感覚に直結した言葉とサウンド 「光の跡」は追い込まれた先で自信を深めた1曲に

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