THE RAMPAGE筆頭に新興グループも大活躍 総勢106名で締め括った『LDH LIVE-EXPO 2023』
EXILE B HAPPYからNEO EXILE世代まで、新グループ躍動
既存のグループが一段と翼を伸ばした一方で、2023年はLDHから新たなプロジェクトやグループが多数誕生した1年でもあった。その最も新しいグループが、EXILE TETSUYAをリーダーとして、ボーカルに吉野北人(THE RAMPAGE)と中島颯太(FANTASTICS)、パフォーマーに小森隼(GENERATIONS)、関口メンディー(GENERATIONS)、浦川翔平(THE RAMPAGE)、木村慧人(FANTASTICS)を迎えた7人組音楽ユニット・EXILE B HAPPYである。彼らはVTRを通して、2024年5月5日(こどもの日)に1stシングル『MORNING SUN』をリリースすることと表題曲のMVが完成したことを告知すると、ピースサインを有明アリーナに掲げ、キッズダンサーたちと共に「MORNING SUN」を届けた。先ほどまでTHE RAMPAGEの一員として闘志を剥き出しにしていた吉野や、FANTASTICSのステージでクールな表情を見せていた中島も、ここではキラキラとした表情とグループの垣根を越えた新たなハーモニーで、会場に笑顔を咲かせていく。そのアットホームな雰囲気はMCでも変わらず、「最高に良い年末ですね~! 2013……」と言いかけたTETSUYAが、すかさず小森に「10年前に戻りました?(笑)」とツッコまれる場面や、「僕も颯ちゃんや北人みたいにキャーって言われたいんです!」と言い放つ小森や関口に黄色い声が飛び交う場面も。中島曰く“油断するとすぐにトークライブ状態になってしまう”愉快なグループは、2曲目「BE HAPPY」でも観客とたくさんの“ありがとう”を交換し、“Love, Dream, Happiness”な空間を作り上げたのだった。
2022年に始動したLDH史上最大のオーディション『iCON Z 2022 ~Dreams For Children~』からも、2023年は多くのNEO EXILEグループが誕生し、アーティストデビューの夢を叶えた。登場するやいなや、リーダーの夫松健介から順に自己紹介し、「めちゃめちゃ緊張するわ……(笑)」と口にしながらステージに歩み出したのは、『iCON Z』第二章で誕生した後、今年8月にメジャーデビューした7人組ダンス&ボーカルグループ KID PHENOMENON。彼らは今年出演し、話題を呼んだ「THE FIRST TAKE」を想起させるスタンドマイクを使った演出で、11月にリリースした最新曲「存在証明」(TVアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』第二クールエンディングテーマ)を歌い始めた。遠藤翼空と山本光汰の艶のあるツインボーカルを軸に魅せた1番に続き、途中からはハンドマイクに持ち替えて、パンチの効いたラップやダンスで観客の心に自分たちの存在を刻む。デビュー曲「Wheelie」は、“Boom Boom”とバイクをブンブン鳴らすキャッチーなダンスで会場をひとつに。愛嬌たっぷりの笑顔でじゃれ合う姿も、平均年齢17歳でデビューしたキドフェノならではの魅力で、Jr.EXILEの先輩たちともひと味違うNEO EXILE像を示した。
だが次の瞬間、熱気溢れるステージに涼やかな風が舞い込む。同じオーディションから誕生した4人組 WOLF HOWL HARMONYの登場だ。最年少のHIROTOが、静寂を切り開くようにデビュー曲「Sweet Rain」をアカペラで歌い始めると、GHEE、SUZUKI、RYOJIもそれぞれアカペラで頭サビを歌い繋ぎ、年上グループならではの人生経験が垣間見える歌声で観客を楽曲の世界に惹き込んでいく。MCでマイクを握る4人の素顔は、なんだかほっとけない可愛らしさがあるのだが、だからこそ歌唱時とのギャップにハマるファンが多いのだろう(2日目の12月31日には、バースデーボーイのGHEEを祝う声も多数上がっていた)。2曲目には2024年2月14日リリースのニューシングルより、ますます進化したダンスが映える表題曲「Frozen Butterfly」をサプライズ初披露。スリリングな曲調で新たな一面を見せると、2024年への期待を煽って4人はステージを後にした。
そして3組目のTHE JET BOY BANGERZは、ボーカルの宇原雄飛が「TJBBのショーケース、Are you ready!?」と煽り、名刺代わりのデビュー曲「Jettinʼ」を披露。宇原、エイロン、石川晃多というバリエーション豊かなスリーボーカルもさることながら、アウトロではパフォーマー全員がDリーガーとしても活躍しているTJBBならではのアクロバットを交えたテクニカルなダンスパートで圧倒する。2024年1月31日にリリースを控える最新EP『PHOTOGENIC』のリード曲も、シャッターを切るようなキャッチーな手振りで観客を巻き込み、リリース前と思えないほどの熱狂を生み出した。
ちなみに、2日目はJr.EXILEによる前哨戦に続く形で、NEO EXILEの4組が登場。そのトップバッターを『iCON Z』第一章でグランプリを獲得した6人組グループ LIL LEAGUEが務めた。前日の12月30日に『第65回 輝く! 日本レコード大賞』(TBS系)で新人賞を受賞した彼らにとっては、凱旋ライブのようなステージである。余裕たっぷりの仕草でカメラにフレームインした岡尾真虎を筆頭に、メンバーたちは大人びた表情を浮かべながらステージに歩み出すと、炎を背負いながら『LIL LEAGUE LIVE TOUR 2023 “LIL GATEWAY”』のタイトル曲「GATEWAY」で新たなLIL LEAGUEを見せた。曲中に百田隼麻が「行くぞ、『EXPO』~!」とシャウトすると、一際大きな歓声が上がる。リーダーの岩城星那が「僕たちの始まりの曲です。知ってる方は一緒に歌って踊って、一緒に楽しんでいきましょう!」と呼びかけた「Rollah Coaster」では、10代らしい無邪気な“LIL SMILE”も見せつつ、まっすぐに夢を見据える6人の瞳はいつになく真剣だった。
初日公演には、NEO EXILEのブロックに続いてスペシャルなゲストも現れた。今年放送されたドラマ『パリピ孔明』(フジテレビ系)の世界から前園ケイジ(関口メンディー)がやってきたのだ。前園ケイジはTHE JET BOY BANGERZの中村碧・佐藤蒼虎・小嶋滝・NOSUKEを従えて、作中の挿入歌「SO SO」を歌い踊り、事務所やグループといった“さまざまな垣根を超えて活動したGENERATIONSの2023年”を有明アリーナのステージに広げていく。関口と共にこのブロックを任された中務裕太は「Oh s**t!! feat. SKY-HI」(s**t kingz)に合わせてソロダンスを披露。2人揃ってマイクを握ると、「(2023年は)歴史が動いているなと思う瞬間が何度もありました。でも、その中で明確にわかったことがあります。ダンスカルチャーの先駆けは、間違いなくLDH!」と叫ぶ関口に賛同の拍手が沸き起こった。
そして、全てのアーティストにリスペクトを込めて、一夜限りのダンスショーケースへ。BE:FIRSTの「Mainstream」「Boom Boom Back」やSnow Manの「Dangerholic」、YOASOBIの「アイドル」、GENERATIONSの「ミンナノウタ」「Diamonds」といった2023年にリリースされた楽曲たちを2人で踊り、『LDH LIVE-EXPO 2023』を彩る。他アーティストの楽曲に合わせてダンスだけで生まれる一体感は、ダンスを愛する多くの人々が歴史を変えた証だろう。最後に、今年TikTokでのカバーが大きな話題を呼んだ、JUNG KOOKの「Seven」をパフォーマンスした関口は、気持ち良さそうに天を仰ぎながら「ダンス最高~!」と叫んだ。
そのステージに続くのは、Jr.EXILEの仲間であり、ダンス好きの同志であるBALLISTIK BOYZとFANTASTICS。BALLISTIK BOYZは花道を通ってステージに歩み寄ると、低音ラップが囁く“誘惑”と、透明感溢れるボーカルで貫く“信念”の掛け合いで、2023年5月にリリースした「Ding Ding Dong」を表現。今年開催したホールツアー『BALLISTIK BOYZ LIVE TOUR 2023 “N.E.X.T.”』のセットリストをなぞったメドレーも飛び出し、メンバーたちは笑顔で駆け抜けた。だがMCでは、松井利樹が2024年4月からスタートする『BALLISTIK BOYZ LIVE TOUR 2024 “HIGHER EX”』について「本当はもっと規模を上げてツアーをやりたいと言っていたんですけど、その目標が叶えられなくて、正直悔しい想いがあります」と吐露する場面も。それでも悔しさをバネに、生バンドをつけてさらにパワーアップした自分たちを見せることを誓い、メンバーで作詞作曲したミディアムバラード「N.E.X.T.」を届けると、等身大のリリックが胸を打った。
入れ違いに登場したFANTASTICSは、2023年に初の単独アリーナ公演を実現し、2024年、待望のアリーナツアー『FANTASTICS LIVE TOUR 2024 “INTERSTELLATIC FANTASTIC”』を控えている。彼らのパートは“HOP STEP JUMP”と駆け上がり、花開いた1年を表すように「PANORAMA JET」からスタートした。FANTASTICSも結成からの道のりを振り返れば、多くの苦難を乗り越えてきたグループだが、メンバー全員でジャンプを繰り返す姿はじつに楽しそうである。リーダー2人(世界・佐藤大樹)や夏夏コンビ(澤本夏輝・堀夏喜)のペアダンス、最年少組(中島颯太・木村慧人)や“ゆせれや”(八木勇征・瀬口黎弥)が寄り添う姿もあり、観客を大いに喜ばせた。また「Tell Me」では、八木がチラ見せしたセクシーな肩に黄色い声が。最新アルバム『FANTASTIC ROCKET』のリード曲「STARBOYS」も、澤本のしなやかな身のこなしが目を惹く冒頭のダンスや、世界をセンターにしたパフォーマー6人でのダンスパートなど、見どころ満載で届けられた。