太陽とシスコムーン、ごまっとう、W(ダブルユー)……ハロー!プロジェクトMV一挙公開で再度注目を集める名曲たち

 ハロー!プロジェクト(以下、ハロプロ)25周年を記念して、これまでYouTubeに公開されていなかった過去のミュージックビデオがアップフロントチャンネルにて順次公開されている。

 モーニング娘。'23やアンジュルムなどハロプロ現役グループのMVについてはすでに公開されているのだが、YouTubeの普及以前に制作されたMVについては、当時DVDでのリリース、またはアップフロントが2006~2010年に独自運営していた無料動画配信サイト「Dohhh UP!」にて公開されていた。そのため、誰でも知っている有名曲でも、これまでYouTube上での正式アップロードのタイミングを逃している楽曲が多々あった。

 現在、200曲以上のMVが公開されているが、本稿ではその中から特に注目したい6本をピックアップして紹介していく。

太陽とシスコムーン「Magic of Love」Music Video

 初期ハロプロをモーニング娘。や平家みちよらと盛り立てていた4人組グループ、太陽とシスコムーン。「ガタメキラ」などが有名だが、5thシングルより「Magic of Love」は村山達哉によるストリングスアレンジ、そして金原千恵子ストリングスによる生ストリングスがバックトラックをゴージャスに引き立てるフィリーソウル調の1曲だ。

 本曲が現行ハロプロファンにもよく知られている理由は、Juice=Juiceが2015年にアルバム『First Squeeze!』でカバーしたからだろう。曲中のフェイク部分をメンバーの高木紗友希が見事に歌い上げたことからライブ人気曲に成長。さらに曲中で金澤朋子が〈何処にいるの〉と歌った後に「ここだよ朋子!」というファンコールが入るのが定番になったこともあり、Juice=Juiceのライブでは欠かせない鉄板曲となった。なお、金澤卒業後は入江里咲が歌割を引き継ぎ、現在では「ここだよりさち!」というコールになっている。

 そんな出世魚のような成長を楽曲が遂げて、引き継がれていくのがハロプロの面白いところでもある。その起点となる太陽とシスコムーンのオリジナルバージョンをこの機会にぜひ観てほしい。

ごまっとう「SHALL WE LOVE?」Music Video

 後藤真希・松浦亜弥・藤本美貴の3人が2002年に結成した期間限定ユニット、ごまっとう。それぞれ確固たる人気があった三者がひとつのユニットに合体したのは、当時インパクトがあり話題にもなった。

 期間限定ユニットなので、リリースはこのシングル「SHALL WE LOVE?」のみ。コンテンポラリーR&B的サウンドは、今あらためて聴き直すと2000年代初頭の雰囲気が濃厚だ。アイドルポップス寄りの弾けたサウンドという選択肢もあったはずだが、それはそれぞれのソロでもできるので、ということだったのかもしれない。

 ハロプロでは翌年以降にも安倍なつみ、後藤真希、松浦亜弥による後浦なつみ、安倍、後藤、石川梨華、松浦によるDEF.DIVAといった期間限定ユニットが秋口頃に結成されることが多く、これらは“スペシャルユニット”と呼ばれている。それらの楽曲のほか、後藤・松浦・藤本らのソロ曲MVも一挙公開されているので、そちらもチェックを。

W(ダブルユー)「ロボキッス」Music Video

 辻希美と加護亜依がモーニング娘。卒業後のセカンドキャリアとして結成したユニットがW(ダブルユー)。モーニング娘。在籍時から“ニコイチコンビ”だった2人によるアイドルデュオユニットだ。

 この「ロボキッス」は3rdシングル曲。キッチュな勢いのあるサウンドは2人のキャラクターにもマッチしていて、数あるW楽曲の中でも一二を争う高い完成度、そして人気を誇る名曲だろう。サビの〈好き好きっす キスはひとりじゃ/好き好きっす 誰も出来ません〉という歌詞は、2人組デュオのWが歌うことにより説得力がブーストしている。

 振り付けの完成度も高い。女性ファン2人組がこの曲の振りコピを「踊ってみた」動画として投稿するという状況を当時よく見かけた印象がある。

 なお、MVには前作「あぁ いいな!」から引き続き、Berryz工房のメンバーがバックダンサーとして登場している。ハロプロのMVではこういったゲスト出演が時折行われており、それを見つけるのも楽しさのひとつだ。

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