GLAYは“ハイコミツアー”開催 ドリカム、スピッツ、the pillows……レア曲聴けるツアー
バンドがキャリアを重ね、楽曲の数が増えていくことで次第にライブでの定番曲とレア曲という棲み分けができていくものだ。ヒット曲の多いバンドになればなるほど定番曲も増えていき、レア曲をライブで聴く機会は失われがちだ。しかしそんなバンドたちには、過去曲を聴きたいリスナーのための“レア曲ツアー”がある。
GLAYは今年3〜6月までホールツアー『HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2023 -The Ghost of GLAY-』を開催し、現在は12月まで続くアリーナツアー『GLAY HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2023 -The Ghost Hunter-』を開催中である。“ハイコミツアー”という通称で知られる『HIGHCOMMUNICATIONS TOUR』は2003年より不定期で開催されており、「あえてコンセプトを決めない自由度の高いライブパフォーマンスを行なう」ことをテーマとしているためレア曲を披露することも多い。
先のホールツアーの際は、「来た人が「え?」と思うようなマニアックなライブをやりたい」とTAKURO(Gt)が意気込んでいたようで、それを踏まえてメンバー4人が4曲を持ち寄った内容に(※1)。2003年のハイコミツアー以来、20年ぶりに披露された「CHILDREN IN THE WAR」など、今の時代にこそ響く選曲も踏まえたセットリストが組まれていた。現在開催中のアリーナツアーも、来年のデビュー30周年に向け、その楽曲の幅広さを提示する意義深いツアーになるだろう。
DREAMS COME TRUEは『裏ドリワンダーランド』と題したレア曲ツアーを2012年から開催している。これは4年に1度開催されるグレイテスト・ヒッツツアー『史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND』と対を成すような内容であり、ダークサイドで音楽偏差値の高い隠れた名曲が披露される「もう1つのベストヒッツライブ」と銘打たれている(※2)。
そのコンセプト通り、2012〜2013年の同ツアーでは20年ぶりに披露されたという「戦いの火蓋」や吉田美和(Vo)のソロアルバムからの選曲もなされていた。2021年に予定されていた同ツアーはCOVID-19の影響で『DREAMS COME TRUE ACOUSTIC風味LIVE』に変更され開催されたが、こちらもドラムのいない編成としての新たな表現を追求し、楽曲に新たな表情を与えていた。どんなタイミングでもドリカムがレア曲の披露や異なる表現形態を大事にしていることがよく分かる。