SUKEROQUE、自在な歌と演奏で魅せる生粋のエンターテイナー 「utopia utopia」は音源でもライブでも驚きのある新曲に

SUKEROQUE、ライブでもたらす驚き

 作詞・作曲・編曲を手掛けるシンガーソングライター SHOHEIによるソロプロジェクト SUKEROQUE(スケロク)。両親がいつも車の中で聴いていたという山下達郎、大瀧詠一、また、ジャミロクワイ、マイケル・ジャクソンや、UKロックのバンドをはじめとした様々なアーティストに強い影響を受けてきた彼が作る音楽は、一言では表し切れないほど非常に多彩である。それは、2019年のSUKEROQUE名義の活動開始後にリリースされてきたバラエティ豊かな楽曲たちを聴けば明らか。ロック、ファンク、R&Bをはじめとした複数のジャンルを軽やかに往来しながら独自のポップスを追求し続ける彼の音楽的探究心は、活動5年目を迎えた今も衰えないばかりか、むしろ日に日に深まり続けているように思える。

 特筆すべきは、7月から8月にかけて立て続けにリリースされた3つの新曲だ。まず、7月に「オリーヴの星」「蝸牛」の2曲を、8月に「COOL CHINESE」をリリース。激渋なファンクネスを宿したポップス、切実な歌心を丁寧に伝えるR&B、極彩色のシンセやブラスサウンドによってゴージャスに彩られた至極のダンスナンバー、というように三者三様の響きを放つ新曲が、ほぼ時を同じくしてリリースされたことに筆者は強く驚かされた。また、それぞれの楽曲で揺るがぬ軸となっているSHOHEIの力強くも優しい歌声に、改めて惹かれた。

【MV】COOL CHINESE / SUKEROQUE

 8月31日、SHIBUYA Spotify O-nestで開催されたSUKEROQUE主催の企画『HYPER BEAT WAVES』で初めて彼のライブを観たことで大きな気づきがあった。彼が誇るシンガーとしての才能、ソングライター/トラックメイカーとしての才能、メロディメイカーとしての才能、また、アレンジャーとしての才能は、これまでに発表されてきた数々の音源を聴いて理解したつもりでいたのだが、ライブを観て、彼の生粋のライブアーティストとしての一面を知ることができた。

 カラフルなポップフィーリングを振りまくファンキーなダンスナンバーや、重厚なギターリフを軸にしたハードロックナンバーなどが次々と披露されていく熱烈な展開。フィジカルに直接訴えかけてくるような並々ならぬ気迫に満ちたバンドサウンドは圧巻で、躍動的でダンサブルなグルーヴによって思わず体が動き出してしまうような、まさに血湧き肉躍るライブ体験だった。SHOHEIとサポートメンバーとの息もぴったりで、演奏の安定感と時折剥き出しになるバンドサウンドの爆発力、そのコントラストも非常に鮮やかだった。

 何より、自分自身が誰よりもライブ空間を心から楽しみながら、集まった観客を誰一人置き去りにせず、全員楽しませようとするSHOHEIのエンターテイナーとしての矜持をびしびしと感じた。セットリストにはアッパーな楽曲だけではなく、日本人の琴線に触れる美麗なメロウナンバーや、ブルージーなギターが印象的なバラードをはじめとした多彩な楽曲が組み込まれていて、改めて彼のマルチな才能の大きさを感じたし、それぞれの楽曲を目の前の観客の心にしっかりと響かせる歌唱も本当に見事だった。

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