『まらフェス 2023』3年越しの大阪公演独占レポ ゆかりあるゲストから『東方Project』生みの親 ZUNまで登場

『まらフェス 2023』独占レポ

 8月19日、大阪城音楽堂にてまらしぃのライブイベント、『まらフェス 2023』が行われた。

 まらしぃのソロパフォーマンスだけでなく、交流のあるゲストを多数迎えて行う本イベント。2020年に予定されていた『まらフェス』初の大阪公演はコロナ禍により惜しくも中止に。3年越しの大阪での開催となったこの日は、見事な快晴の下、多くのゲストとともに多ジャンルの演奏が賑やかに大阪の夜を彩った。

『まらフェス 2023』ライブ写真

 17時、日が傾きはじめ客席が日陰に包まれる頃にライブは開演。まずはまらしぃが1人で登場し、ソロで「Love Piano」を演奏してイベントがスタートする。待望のイベントの始まりにふさわしい、高揚感を煽るナンバーだ。青く澄んだ空にぴったりの「青く駆けろ!」では会場周辺で鳴く蝉声ともマッチし、この夏の暑さも演出に組みこむよう。爽やかなナンバーをリズミックな演奏とともに届けた。

 最初のゲストとして登場したのはまらしぃの地元、名古屋にて結成されたバンド・logical emotion。tabclear(Dr)とdrm(Ba)が登場すると、オリジナル曲「Forever Shootingstar☆ミ」を披露。アイコンタクトを取りながら疾走感たっぷりの柔軟な演奏を繰り広げる様子は、野外ステージの開放感にもぴったりだ。さらに「千本桜」(黒うさP)のカバー、「ラーメン†デュエル」へ。派手に歪ませたdrmのベース、どことなくメタルサウンドの影響を感じるtabclearのドラムとメロディを担うまらしぃの流麗な演奏やパワフルなソロと、それぞれ突出した特徴を持つ演奏が阿吽の呼吸で混ざりあう。「アマツキツネ」ではdrmがベースを弾きながら客席に降りて駆け回るなど、自由かつ楽し気なパフォーマンスで会場を沸かせた。

 続いて2019年に発足したまらしぃのバンドエディション、まらおバンドのメンバーとして登場したのはドラマーの与野裕史。「アマツキツネ」と同様、狐をテーマにした楽曲「弧ギツネの乱」、「天照ラセ」を披露する。与野の演奏するツーバスの強かな低音と疾走感はもちろんのこと、歯切れのいいアタックや手数のバリエーションが華やかな雰囲気を作り上げる。クラシックの名曲をまらおバンド仕様にアレンジした「めっちゃつよいクシコス・ポスト」では与野とまらしぃ2人の競り合うようなストイックな演奏が客席の熱気を煽り、続く「運命」では原曲の優美な魅力を残しながらも互いの手数の光る演奏で圧倒する。クラシックの名曲をここまでのライブチューンに仕立て上げる2人の演奏力とアレンジには感服するほかない。

 2016年に行われた初の『まらフェス』から出演し続けているDJ、kors kとのユニットであるmaras kのステージは、和風のお祭りソング「Piano Ninja」で幕開け。kors kの煽りによって会場は一体感に包まれる。当日が雨だったら別の曲になっていたと話し披露した「アンラッキーガールちゃんの日録」と昨年の『まらフェス』テーマソング「回せツインテール」では初音ミクのボーカルも流れ、まらしぃによる瑞々しいピアノとkors kによるダンサブルなトラック、初音ミクのボーカルが気持ちよく混ざりあって会場の熱量は高まるばかりだ。

 ここでmaras kに加えてdrmを迎え入れると、満を持して披露したのは「Okini」。この大阪の地で開催予定だったものの、惜しくも中止となってしまった2020年の『まらフェス』のテーマソングだ。同年にオンラインで開催された『まらフェス2020 ONLINE LIVE』では披露された「Okini」だが、いよいよ大阪城音楽堂で聴くことができたという感慨深さもあり、会場は感動的な空気に包まれる。さらに同じメンバーで「情熱大陸」(葉加瀬太郎)のmaras kリミックスを披露し、ライブ後半に向けて賑やかに盛り上がった。

『まらフェス 2023』ライブ写真

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