『まらフェス 2023』3年越しの大阪公演独占レポ ゆかりあるゲストから『東方Project』生みの親 ZUNまで登場
続いて登場したのは、『まらフェス』初登場となるビートまりお(COOL&CREATE)とまろん(IOSYS)の2人。ビートまりおはステージに姿を現すなり陽気にコール&レスポンスをはじめ、一気に会場はライブ感を増していく。楽曲披露前からさらに賑やかになったステージで披露したのは、COOL&CREATE feat.ビートまりお&まろんの楽曲「マツヨイナイトバグ」。まろんがDJ、ビートまりおがボーカルを担い、まらしぃはキーボードを演奏するという布陣だ。続く本公演のテーマソングである「やったれ!音合戦」では、2人の初音ミクによって歌われる、3年前の無念と本公演の開催への思いを綴った歌詞が朗々と響くのが圧巻。
すっかり夜も更けてペンライトが煌々と大阪城音楽堂の夜を照らし、オーディエンスによる掛け声が楽曲を彩るその景色は、3年前叶わなかった大阪での『まらフェス』開催のリベンジを最高の形で果たせたと思わせるものだった。それから「カラフルバレット88」を披露する頃には、早くも会場にはフィナーレ級の一体感が漂う。
さらに与野とdrmを呼び5人編成になると、『ボカコレ2023春』で1位に輝いたまらしぃの楽曲「新人類」をビートまりおをボーカルに披露。与野のドラムやdrmのベースといった臨場感たっぷりのリズム隊の演奏、ビートまりおとまらしぃが率いるコール&レスポンス。華やかな演奏と耳に残る歌詞の「新人類」はこれまでもまらしぃの生放送やライブにてひときわ存在感を発揮していたが、ここまで圧倒的なライブチューンに進化したことには驚きを隠せない。
天井知らずの盛り上がりの中、さらにスペシャルゲストがいるとのまらしぃの呼びかけで登場したのは、「マツヨイナイトバグ」や「カラフルバレット88」の原曲にあたる楽曲の生みの親、そしてまらしぃがピアノを再開するきっかけとなった『東方Project』の生みの親であるゲームクリエイター・ZUN。ひとつのカルチャーを作り上げたと言っても過言ではない人物と、様々なジャンルで活躍する演奏者が同じステージに一堂に会するというレアな光景が広がる。そんなステージを前に大熱狂の会場に投下されたのは、ビートまりおによる東方アレンジの代表曲のひとつ「Help me,ERINNNNNN!!」。たっぷりのコール&レスポンスに、ピアノを弾きながらときに手を挙げるまらしぃ本人も楽しんでいる様子。すっかり盛り上げ隊長となっているビートまりおの煽りが会場の熱狂に拍車をかける。のちのMCでは出演者全員がステージ上に集まり乾杯をするというミニ打ち上げ状態になったりと、賑やかかつアットホームな、幸せな光景が続いた。
そんな盛り上がりの余韻を残したステージに残ったのは、まらしぃとZUNの2人。「もう少し僕のピアノを聴いてもらいたくて」とZUNに特等席を用意し、東方メドレーを演奏する。『まらフェス』大阪公演開催の悲願達成に加え、先日活動15周年を迎えたばかりというなにかと特別なタイミングに、活動の原点になった人物の目の前でまらしぃがメドレーを演奏する瞬間に立ち会えた喜びを、きっとオーディエンスの誰もが抱いていたはずだ。最後には15年前に初投稿した楽曲「ネイティブフェイス」をZUNの前で披露し、野外に気持ちよくピアノの音色を響かせて本編を終えた。
興奮冷めやらぬ中アンコールに応じたまらしぃは、アニソンや東方楽曲、ボカロ曲をふんだんに詰め込んだ「ナイト・オブ・ナイツメドレー」をオーディエンスの手拍子と戯れるように披露。本公演ではイベントの形式上ソロでの演奏が少なかったが、こうしてソロ演奏を聴いていると、抑揚やリズムの変化によって聴き手を盛り上げる能力に長けていると改めて感じる。配信でも恒例となっている誕生日祝いの演奏を終え、自身のボカロデビュー曲「夢、時々…」をマイクを通さずに披露。柔らかな音をしっとりと響き渡らせ、メモリアルな1日を終えた。
多くのゲストとともに大盛り上がりに終わった3年越しの『まらフェス』大阪公演。この日の景色は、豪華なゲストとのステージだからこそ作られたものであると同時に、活動15周年を迎えた現在の彼だからこそ実現したものでもあっただろう。悲願の大阪での『まらフェス』は、これまでにない新たな景色を見ることができたという意味でも決して忘れられない公演となった。
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