カメレオン・ライム・ウーピーパイ、初ワンマンで見せたマジカルなムード すべてを“楽しさ”に転換する手腕

CLWP、初ワンマンで見せたムード

 「新曲やっちゃおうと思います!」と披露された「Chair」を経て、ライブは終盤に向けてさらにギアを上げていく。カメレオン・ライム・ウーピーパイの始まりの1曲となった「Dear Idiot」から「MANabUUUU」へ。パワフルなビートがオーディエンスを踊らせ、その熱を受けてChi-のパフォーマンスもますますボルテージを上げていく。サビでフロア中から手が挙がった「Burn Out」を終えると、Chi-が一息ついて自分たちのこれまでを振り返り始める。

カメレオン・ライム・ウーピーパイ ライブ写真

 「このバケモノ(Whoopies)と出会って7年ぐらい経つんですけど、最初はマジでこの3人以外誰もいなくて。純度100のカメレオン・ライム・ウーピーパイだったんです。そこからコツコツやってきて、どんどん仲間も増えてきて……」と、そこでおもむろに昔泥団子を作るのにハマっていたと告白するChi-。泥団子は丁寧に磨くとツルツルピカピカになるのだが、CLWPはまさにそうやって自分たちの音楽を作り続けてきたのだ、と彼女は言う。「その泥団子を見せている気分というか……。誰も見てくれなかったんですけど、どんどん磨いていったらこんなに集まってくれた。それがすごく嬉しくて。もっともっとツルツルの泥団子を作っていこうかなと思います」。たまたま出てきた言葉なのかもしれないが、これほどカメレオン・ライム・ウーピーパイを言い表すのにぴったりのたとえはないのではないだろうか。最初からキラキラ輝く宝石ではなかったからこそ、CLWPの音楽はより人間的な魅力を放っているのだと思う。

 そして『Orange』に収録されたカメレオン・ライム・ウーピーパイの最新テーマソングといえる「Stand Out Chameleon」から問答無用にフロアを上げきる「Crush Style」、さらに「Love You!!!!!」というコンボでこの日のクライマックスを描き出すと、「めちゃめちゃ楽しかったー!」とChi-は叫んだ。その後のアンコールではこの日ゲストアクトを務めたPARKGOLFとのコラボ曲「Indie Slime」を披露。さらにWhoopie 1号がカメラでフロアやChi-を撮影しながら「Stand Out Chameleon」のリミックスバージョンを繰り出すと、最後は「Whoopie is a Punkrocker (CLWP ver.)」。〈Whoopie Wanna まだ Rock〉という歌詞と呼応するように、ライブが終わったあとのスクリーンには「To Be Continued...」の文字が浮かんでいた。そう、カメレオン・ライム・ウーピーパイの物語はまだまだ始まったばかり。新曲もガンガン作り続けているということなので、これからの新しい展開にも期待したい。

カメレオン・ライム・ウーピーパイに聞く、活動を通じたライブ表現の変化 アルバム『Orange』に与えた影響も

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