渡邉美穂、日向坂46卒業から1年で積み重ねた俳優としての現在地 大きな覚悟とストイックな姿勢で掴み取った大舞台

 2023年は、1月に竹野内豊主演の月9ドラマ『イチケイのカラス  スペシャル』(フジテレビ系)に出演。同放送ではヤンキーグループの決闘の仲裁に入った青年の傷害事件裁判が展開される中、渡邉はヤンキーグループの1人であり、ドラマレギュラーの裁判所書記官・川添博司(中村梅雀)の不良娘役という重要な役どころに選ばれた。

 日向坂46時代からツンとした役には定評があり、同作でも名優・中村梅雀に笑顔で駆けより張り倒して睨みつける演技を見せたほか、感動的な親子愛を熱演するなど、視聴者の記憶に残るシーンを作り上げる。“中村の不良娘”というのが絶妙にハマっており、もし続編があるのであれば今後レギュラー出演してほしいと思った視聴者も少なくないだろう。また、同じく1月には久間田琳加主演ドラマ『ブラザー・トラップ』に主人公あかりの頼れる親友役で、TBSの連続ドラマに初出演。名優たちが出演する様々な現場で演技経験をコンスタントに積み、作品にスパイスを加える名バイプレイヤーっぷりを見せていた。

  2月に『音楽劇 「逃げろ!」~モーツァルトの台本作者 ロレンツォ・ダ・ポンテ~』で自由奔放なイタリア人女性・ココ役で音楽劇にチャレンジ。さらに3月には『アニ×パラ~あなたのヒーローは誰ですか~』 (NHK BS1)の16話「パラカヌー」で本格的な声優にも初挑戦するなど、様々なジャンルの作品に出演することで演技の幅を広げている。

 4月からは、渡邉が映画人に直撃する番組『シネマ・アディクト』(BSテレ東)のナビゲーターを担当。これまで広瀬すずや高橋一生といった先輩俳優や、藤井道人監督ら映画人との対談、映画『男はつらいよ』の寅さんの故郷を巡るなど、多角的に映画に触れる同番組の経験も彼女のキャリアにおいては大きいだろう。

 そして、ミュージカル『SUNNY』(脚本・演出:西田征史 振付:akane)にて、主人公・奈美の高校生時代のキャストに抜擢。今作は2011年に韓国で製作された映画『サニー 永遠の仲間たち』と、日本でリメイクされた2018年公開の映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』をもとにした、渡邉にとっては初の本格的ミュージカル。仲良し6人組の青春時代を演じるというのは、アイドルとして大事な仲間たちとの青春時代を持つ彼女にも重なる部分があるようにも思うし、表現は違えど過去に経験した歌とダンスのスキルが支えになることもあるだろう。

 『SUNNY』のインタビューで彼女は、俳優業について「自分が思っていた以上に、すごく広くて深い世界なんだなっていうことを最近、感じています」と心境を述べ、「私はまだまだ駆け出しで、スキルや経験も周りの皆さんに比べたら本当に浅いのですが、できる努力というものは自分にも必ずあると思いますし、その積み重ねで作品に貢献できればと思います」と語る(※1)。この1年間に積んだキャリアの集大成とも言える同公演は、俳優としての現在地を示す作品とも言える。

 人気絶頂期の国民的グループのメンバーという看板をおろし、仲間と別れて、役者の道をひとり邁進する渡邉美穂。その道は決して容易いものではないだろうし、それ相応の覚悟をもっての決断だろう。そんな彼女にとって、この大舞台が俳優キャリアにおけるマイルストーンとなるのではないだろうか。

※1:https://spice.eplus.jp/articles/317050

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