甲斐田晴・長尾景・弦月藤士郎によるVΔLZ、初単独ライブは発見が満載のステージに パフォーマンスで提示した無限の可能性
6月9日、VΔLZ 1st Live『一唱入魂』がKT Zepp Yokohamaで開催された。VΔLZはにじさんじ所属の甲斐田晴・長尾景・弦月藤士郎によるユニットで、今回が初めての単独ライブとなる。
開演直前、三人から注意事項がアナウンスされ、和気藹々とした空気でコールアンドレスポンスが行われると、開演を待つオーディエンスも大きな声とペンライトで応える。OP映像とカウントダウンでその期待感が最高潮に達すると、ステージ中央にVΔLZの三人が登場。オープニングナンバーは「恋愛レボリューション21」。キュートなダンスも披露し、意表をついた楽しい一曲でライブが開始した。
ソロパフォーマンスのトップバッターを務めた長尾は、オリジナル楽曲「Universe」を披露した。「Zepp Yokohama! 盛り上がっていくぜ!」とシャウトし、ライブを盛り上げる。全身から放たれる伸びやかな高音に加え、ハリのあるシャウトを捻り出し、その歌唱力の高さを見せつけた。
次に弦月が歌ったのは「怪獣の花唄」。普段はあまり歌わないというJ-POPの選曲だ。巧みに織り込まれた高音やハイレベルなフェイクにより、声の美しさが際立つ。会場を見渡しながら大きく手を振る姿は喜びに溢れている。
ピアノのイントロに合わせ登場し、壮大なバラード「All Alone With You」を披露した甲斐田は、高い表現力で会場を自分の色に染め上げる。力強く澄んだ歌声に、客席も心酔するように聴き入った。
MCではそれぞれのソロについて細かい部分を語り合うなど、同期三人の仲の良さと絆の強さを見せる。そしてこの日、VΔLZのYouTubeチャンネルが開設されることが発表され、客席からは大歓声が起こった。
VΔLZのオリジナル曲「浮世の演舞」は、オリジナルの雰囲気とは一味違うハードな表情で魅せる。本人たちも「リハーサルで聴いてかっこよさに驚いた」というバンドアレンジは、迫力の生バンドを擁したライブならではの音の厚みだ。
次に長尾・甲斐田ペアが「シネマ」を歌唱。跳ねるようなメロディを鮮やかに乗りこなし、相性の良いハモリとユニゾンで聴かせる。
長尾のソロコーナーへ移り、「potetoになっていく」を披露。白い衣装を纏ったダンサー2人を従え、色気を携えた幻想的なステッキダンスでファンを驚かせた。さらに「クレマチスの祈り」では低音を活かしたボーカルに加え、シアトリカルな演出で高いパフォーマンス力を示す。
長尾と弦月による「青いベンチ」は、温かみのある演奏が個性にマッチし、顔を見合わせながら紡がれるサビのハモリが美しく響いた。
続く弦月のソロコーナーで披露された「カタオモイ」は、「好きな人を思い浮かべながら聴いてください」という言葉と共に始まった。目の前で物語が展開するような表現力、感情がダイレクトに伝わり共感を呼ぶ。さらに「wanderland」と続き、楽曲によって声色を使い分ける多才さを見せた。