Cateen(かてぃん)=角野隼斗、yonkeyら個人活動をバンドに還元するミュージシャン 表現の場を広げて新たな刺激に

BREIMEN・高木祥太

 ポルノグラフィティ・岡野昭仁とKing Gnu・井口理のコラボ楽曲として注目された「MELODY (prod.by BREIMEN)」(2022年リリース)。同曲は5人組バンド・BREIMENの高木祥太(Ba/Vo)が作詞作曲を務めた楽曲で、『ミュージックステーション』のステージでもバンドとしてバックで演奏し話題を集めた。

岡野昭仁×井口理『MELODY (prod.by BREIMEN)』MUSIC VIDEO

 高木は高校2年でベースに触れ、その一年後には亀田誠治主催のベーシストコンテスト『亀田杯』にて最年少でファイナリストに。これまでにChara、Tempalay、AAAMYYYなど、高いベーススキルで数多くのアーティストのサポートメンバーを担当し、他方で作編曲も行っている。

 ブラックミュージックをベースとしながら、オルタナティブファンクバンドとして自由な音楽性が特徴のBREIMEN。メンバーそれぞれが他アーティストのサポートメンバーとしてステージに立っていることも、バンドでの個々の表現に反映されているだろう。彼らの楽曲「D・T・F」には“Don’t Think, Feel”ーー考えずただ感じて聴いてほしいという意図が込められているが、これはBREIMENの音楽性そのものを象徴しているようにも感じる。ジャンルや音楽性もバラバラな数々のアーティストとの経験が豊かな音楽性を作ることに繋がり、BREIMENというバンドの持ち味に昇華されているのではないだろうか。

BREIMEN「D・T・F」Official Audio

Lucky Kilimanjaro・熊木幸丸

 代表曲「Burning Friday Night」がTikTokで注目され、ダンス動画のBGMとして人気を集めているLucky Kilimanjaro(通称:ラッキリ)。「世界中の毎日をおどらせる」というテーマを掲げ、ハウスやヒップホップ、R&Bなどをベースにした様々なダンスミュージックでシーンを盛り上げている6人組バンドである。作詞作曲を手がけ、バンドの核ともなっている熊木幸丸(Vo)は、多くの人気アーティストへの楽曲提供もしている。

Burning Friday Night

 音楽好きの両親の元で育ち、バンドの音楽をよく聴いていた熊木は大学時代にLucky Kilimanjaroを結成。シンセサウンドで気持ち良い音楽を作るという方針から、バンドの音楽を通じてみんなが踊る社会を目指すという方向性に切り替え、メジャーデビューを果たした。

 2020年にHey! Say! JUMPに楽曲提供した「ときめきは嘘じゃない」はラッキリらしいポップなダンスナンバーで、Hey! Say! JUMPの新たな一面を見せ、バンドの注目度をあげるきっかけにもなった。同年にはDISH//に「SAUNA SONG」を提供。DISH//の北村匠海の歌詞の原案から熊木がソングライティングし、楽曲が完成した。

DISH// - SAUNA SONG [Official Video]

 音楽プロデューサーとしても楽曲制作を通じて活躍の場を広げられているのは、思わずノリたくなる伸び伸びとしたラッキリの楽曲が聴く人を元気にし、「世界中の毎日をおどらせる」という目標を着実に叶えている証明なのかもしれない。

 バンドマンによるバンド以外での活動はグループを知ってもらう大きなきっかけにもなりうる。表現の場が広がることはミュージシャンにとっても新たな刺激になるはずだ。同じ想いを持つ仲間との音楽、そしてソロだからこそのオリジナリティで生み出される音楽、それぞれを味わうことも音楽の楽しみ方の一つかもしれない。

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