aimi、EMI MARIAと表現した“自分を大切にする”というテーマ ジャパニーズR&B発展への情熱も語る

aimi、自分を大切にするということ

tofubeatsとのコラボで開いた新しい引き出し

aimi(写真=西村満)

――話は変わって、「BACARDI Sound Distillery 音楽蒸溜所」という企画で、tofubeatsとコラボした「No One Is feat. aimi (Blended by tofubeats)」という曲をリリースしました。

aimi:この曲はラム酒のBACARDIとのタイアップなので、私が思うラテン要素のあるR&B楽曲をtofubeatsさんに送らせてもらって。tofubeatsさんらしさがめちゃくちゃ詰まったレゲトン的なビートが返ってきました。

――EMI MARIAとのコラボとは違うアップテンポな曲調ですが、レコーディングではどうアプローチしましたか?

aimi:普通のレゲトンだったらもっとビートが中心だと思うんですけど、tofubeastsさんのトラックはメロディアスで、サウンドスケープが広いなと。そこで私がいつものR&Bな感じで歌ってしまうとメロウな曲に聞こえてしまうと思ったので、どうダンスミュージックにするかにポイントを置きました。ちょっとメランコリックな要素も出しながら、ちゃんとビートを意識してリズムを縦に刻むように入れています。

――aimiとして新しい引き出しが開きましたか?

aimi:めちゃめちゃ開きました。今までと一番違うのは、プロデューサーとコミュニケーションを取らないスタイルだったことで。実はtofubeatsさんとは一度もお会いしてないんですよ。だから、もう音での会話ですよね。そういう作り方は初めてだったんです。今回、BACARDIさんがドキュメンタリーを撮ってくださって、私の制作過程に密着したり、私のライブにもカメラが入ってくださったんです。「自由」「らしさ」「解放」っていうのがBACARDIさんのブランドメッセージだったので、そのスタッフのみなさんに「自由ってなんだと思いますか?」とか聞いて回って(笑)。そうやっていろんな人の価値観をインプットして、自分なりのらしさを表現できたのではないかなと思います。

【ドキュメンタリー #1】No One Is feat. aimi (blended by tofubeats)

――aimiさんは現在、事務所に所属せず活動されているそうですが、どんなところにメリットを感じますか?

aimi:自分が決めたことをやれる、自分の思うがままにできることが一番のメリットです。ひとりだとキャパに限界があるので、ちゃんとやろうとすると何事も時間がかかってしまうけど、やりたいこととか、好きなことにトライできるチャンスがたくさんあることがインディペンデントの良さだと思います。制約がないですからね、金銭面的なことを除けば。

――反対に大変なことは?

aimi:たとえばカメラマンさんに撮影を頼むのも自分だし、ギャラ交渉も自分だし、ひとりで何役もやらなきゃいけないところですかね。ひとつの脳みそと体ですべてのやりとりをするので、単純に体力的な問題があるのと、精神的に「私、アーティストだったよね?」って凹むときがあるんです。心の持ちようみたいなところでの苦労が大きいかもしれないです。

――それこそプライオリティをどこに置くのか問題。

aimi:そう。グレイトなマネージャーになるべきなのか、素晴らしいアーティストになるべきなのか。それって相反するところがあって。良い意味でわがままを言った方がアーティストとしては良いんだけど、プロジェクトを円滑に進めるためには、ここで1個ガマンしたほうがいいのかもと思ってしまうというか。ただ、私は周りのクリエイターに恵まれていて。Modesty Beatsもそうだし、EMIさんもそうだし、ヘアメイクさんとかもそう。そのぶん、この人たちを押し上げたいっていう気持ちも強くなっちゃうんですけど。

――みんなで上がっていきたいと。

aimi:みんなが大好きで、尊敬しているから、この人たちがこんなところで終わっちゃならないって勝手に使命感を感じて、もっと大きく、もっと大きくって欲が増すほど、ひとりじゃやりきれなくなってくる。それをカタチにするためには、たくさんの人のアイデアや力、人脈や時間の使い方が重要になってくると思っています。

――そんなこともあってThe Orchardのサービスを使っているんですか?

aimi:The Orchardは全世界に支部があるので、世界のいろんなチームの意見を吸い上げてくれて私にフィードバックがあるんです。こういうアプローチの仕方をすると海外で展開してもらいやすくなるとか。The Orchardを使っていても、実際、海外のプレイリストに入れてもらうことは難しいことなんですよ。でも、まずはそこにトライし続けられる環境にあるのもありがたいことです。あとはスタッフのみなさんにたくさんのことを教わりながら、自分のマネジメント力を鍛えてます。筋トレです(笑)。

――こういう取材の場をセッティングしてもらえるのも大きいことでは?

aimi:そうなんです。アーティストサービスという今年の4月から新しく始まった取り組みで。自分の音楽を伝えられる場があることは嬉しいです。言わばアンプですよね。The Orchardは自分の小さな声をアンプリファイしてくれるというか、今までずっと小さな声で言っていたことをようやくみんなに大きな声で言えるという感覚があります。「R&Bシンガーでこんな熱量を持ってるヤツ、まだいたんだ」と希望を見出してくれる人はきっといると思うんです。そういう人たちに私の声が届けばいいなと思っているし、それをThe Orchardはサポートしてくれているから本当に感謝ですね。

■リリース情報
aimi, EMI MARIA『How’s The Weather』
2023年5月24日(水)発売
ダウンロード&配信:https://orcd.co/howstheweather_aimiemimaria

<収録曲>
M1. How’s The Weather?
M2. Priority
M3. Day N Night

「How’s The Weather?」ライブ映像:
https://youtu.be/qLHo4Y_GB0U?t=2889

異なる音が混ざり合い、新しい音楽が生まれる場所 BACARDI Sound Distillery 音楽蒸留所
No One Is (feat.aimi) [Blended by tofubeats]
2023年5月20日(土)
ダウンロード&配信:https://orcd.co/nooneis

Official WebSite:https://bacardi-rum.jp/music/
音楽蒸溜所 コンセプトムービー:https://www.youtube.com/watch?v=MzK5XVJQtg0&t=0s
音楽蒸溜所 ドキュメンタリー #1:https://www.youtube.com/watch?v=DJpMk4xigvs︎

ラジオ放送中
毎週金曜日 22:00〜 J-WAVE MUSIC BLOOM
https://www.j-wave.co.jp/original/musicbloom/
毎週水曜日 20:00〜 FM802 EVENING TAP
https://funky802.com/et/

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