安田レイ、デビューから10年を経た今しか歌えない歌 アルバム『Circle』携えたツアーファイナル

安田レイ『Circle』ツアーファイナル

 去る2月8日に4thアルバム『Circle』をリリースした安田レイ。ニューアルバムを携えての東名阪ツアー『Rei Yasuda Live Tour 2023 “Circle”』のファイナルが、3月21日、東京・渋谷CLUB QUATTROで開催された。全20曲を歌い、2時間以上に及んだ白熱のライブの模様をお伝えしよう。

 バンドメンバーに続いて、オーバーサイズのジャケットを颯爽と着こなしステージ上に現れた安田レイ。1曲目はニューアルバム収録曲「us」だ。〈Let's sing along 二度と来ない今を君と共に〉とサビで歌われる、ライブのオープニングを飾るのにぴったりな曲。続いてもアップテンポの、前作『Re:I』収録の人気曲「アシンメトリー」で早くも主役の歌声は全開。満員となった客席の空気も一気にヒートアップする。「A beautiful world」に、「Brand New Day」が続いて、というように、新旧の曲を織り交ぜたセットリストは誰もが楽しめるもので、客席もノリノリ。自然と湧き上がる手拍子で、手振りでステージと客席が一体となると、「風の中」で早くも最初のピークがやって来る。後のMCで、「(客席の)みんなに火をつけられて、今日はロックシンガーになった気持ちで歌っていました」と笑いながら話していたが、「風の中」は今の“カッコいい安田レイ”にとてもよく合う、ライブで特に盛り上がる曲となった。

 最初のMCタイムで、「客席の熱気に感動して、早くも“うるっと”きた」ことを告白。その後、「blank sky」「It's you」「Sunday Morning」とニューアルバム収録の比較的、安田のルーツに近いR&B調の曲を続けて歌う。こういったスロウ〜ミディアムな曲ではまさに、歌声が会場を支配。客席にいる皆が聴き入っている様が印象的だった。

 2回目のMCタイムで、「コロナ禍で、ライブができない時間があったからこそ気づけたこと、作り出せた曲がある」と話し、歌い出したのが「Not the End」。最小限のピアノ演奏をバックにほぼほぼアカペラで歌い始めると、明らかに客席の空気が変わる。安田の歌が特に映える、新たな代名詞ともなった人気曲だが、ここで聴けた圧巻の歌声はこの日のハイライトの一つ。続いてもコロナ禍の最中にリリースされた「through the dark」、そして「Not Enough」と続いた3曲は、今年デビュー10周年を迎える安田の成長・進化を存分に聴かせるものだった。

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