tofubeats×kojikojiによる「LA・LA・LA LOVE SONG」カバーも話題に 久保田利伸、幅広いアーティストから支持される存在感

 tofubeatsがアレンジ、kojikojiが歌唱した久保田利伸「LA・LA・LA LOVE SONG」のカバーバージョンが話題を集めている。これは俳優の見上愛が出演する「エッセンシャル」テレビCM「Essential THE BEAUTY バリアループ」編のCMソングとして制作されたもの。浮遊感のあるビートと透明感に溢れた音像、そして、穏やかなエモーションを感じさせるボーカルが溶け合う、個性的なカバーに仕上がっている。

花王 Essential THE BEAUTY バリアループ CM

 トラックメイカー、プロデューサーとしても活躍しているtofubeatsは「今回は幻想的なCMのイメージがあったので、そちらにあわせて制作させていただきました。言葉よりも本気なアレンジとなっております」と、「LA・LA・LA LOVE SONG」の歌詞を引用してコメント。Z世代を中心に圧倒的な支持を獲得しているシンガーソングライターのkojikojiも「緊張しましたが、tofubeatsさんのビート、アレンジでとてもかっこよく仕上がっています」と手ごたえを感じているようだ(※1)。

 4月7日にCMのオンエアが始まると、SNSでは「エッセンシャルのCM、tofubeatsとkojikojiなんだ、めっちゃ好きな組み合わせ」「kojikojiとtofubeatsのLA・LA・LA LOVE SONG!フルで聴きたいな」という声が寄せられた。さらにApple Music、Spotifyなどのストリーミングサービスで「LA・LA・LA LOVE SONG」の再生数がアップ。この国民的名曲に改めて注目が集まっている。

 1996年5月にリリースされた「LA・LA・LA LOVE SONG」は、久保田利伸の16枚目のシングル曲。木村拓哉、山口智子の主演による大人気ドラマ『ロングバケーション』の主題歌として話題を集め、自身初のオリコンランキング1位を獲得。その後もロングヒットを続け、ダブルミリオンセールスを達成した代表曲だ。

久保田利伸 - LA・LA・LA LOVE SONG with NAOMI CAMPBELL [Official Video]

 1986年に「流星のサドル」「Missing」が収録されたデビューアルバム『SHAKE IT PARADISE』でいきなりブレイクを果たした久保田利伸。同時代のR&Bをいち早く取り入れ、ブラックミュージック由来のグルーヴと日本人の耳に馴染むメロディを融合させた音楽性は当時の音楽シーンに鮮烈なインパクトを与えた。山下達郎、鈴木雅之、大澤誉志幸など、ソウル、ファンクの影響を感じさせるアーティストはそれまでにも存在していたが、海外のシーンとリアルタイムでつながりーー音楽性、ボーカルスタイル、ビジュアルを含めてーー新しいポップミュージックとして体現したのは久保田が初めてだったと言える。

 1993年からはニューヨークに拠点を移し、1995年にアメリカデビュー。日本とアメリカを行き来しながら音楽的なスタイルをアップデートさせてきた。1996年に発表された「LA・LA・LA LOVE SONG」は、彼自身のルーツミュージックと90年代のアメリカR&Bシーンの空気が最高のバランスで共存した楽曲と言えるだろう。〈まわれ まわれ メリーゴーラウンド〉からはじまるソウルフルな歌声、シンプルかつタイトなビートと心地よいファンクネスを感じさせるベース、そして、〈息が止まるくらいの 甘いくちづけをしようよ〉というキャッチーでスウィートなサビ。コーラスやギターカッティング、シンセの音色なども含めて、久保田利伸の最高傑作のひとつだと言っても過言ではないだろう。

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