Uru、物語に寄り添い深みを与える歌声 『地獄楽』EDテーマなど、心を重ねる大切さを紡いできたアニメ関連曲
次に、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』(TBS系)第2期のエンディングテーマ「フリージア」について振り返っていく。「フリージア」とは花の名前であり、この花には「親愛の情」や「純潔」といった花言葉がある。エンドロールでは使用されていないが、1番の〈果たせなかった約束や/犠牲になった高潔の光〉という一節は、エンドロールの最後にビスケット・グリフォン(CV:花江夏樹)の写真が映し出されることが示唆しているように、第1期で命を落としたビスケットを指していると推察できる。そうした胸を締めつける悲しい別れを経て、それでも力強く前に進もうとする鉄華団に向けて、Uruは、〈希望のはな 繋いだ絆が/今僕らの胸の中にあるから/決して散ることはない/生きる力〉という逞しい言葉を送り届けた。混沌を極める展開が続く第2期であったが、エンドロールで流れるこの歌を聴いて救われるような気持ちを抱いた視聴者はきっと多かったはずだ。
最後にピックアップしたいのが、『劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~』の主題歌に起用された「remember」だ。まず、鮮やかな緑に囲まれた田舎の風景にマッチするノスタルジックな歌のメロディにグッと引き込まれる。長い歴史を誇る『夏目友人帳』シリーズに、そっと溶け込むように寄り添うUruのソングライターとしての手腕に驚かされるし、また、〈夏の終わり〉〈青い、青い、リンドウ〉といった言葉を通して、今作の観客やリスナーに同じ風景を想起させる冒頭の展開も見事だ。人間と妖怪の物語を描く『夏目友人帳』はフィクションの要素が強いシリーズであるが、Uruは今回の劇場版の物語から「出会いと別れ」という極めて普遍的なテーマを抽出して、それを見事に一つの楽曲へと昇華させてみせた。特に、〈さよならじゃない/名も知らない場所へ/離れたとしても 記憶の中で/息をし続ける〉というサビの一節は、アニメ映画の主題歌という本来の役割を果たしながらも、同時に、別れを経験したことのある全ての人へのエールとして響くような普遍性を帯びているように思う。
今回は3曲をピックアップしたが、Uruは、他にも数々のアニメ主題歌を手がけている。もちろんアニメに限らず、現在放送中のドラマ『風間公親-教場0-』の主題歌「心得」をはじめ、彼女の歌に触れる機会は数多くある。それぞれの物語に寄り添うUruの温かな歌声に、改めて耳を澄ませてみてほしい。
※1:https://twitter.com/uru_super/status/1647245319397330949?s=20
■リリース情報
Uru ニューシングル
2023年6月7日(水)リリース
『紙一重/心得』(アニメ盤)
『心得/紙一重』(ドラマ盤)
CD予約:https://smar.lnk.to/wsUOtJ
アニメ盤[CD+BD]¥2,000(税込)
デジパック特別仕様
[CD]
1.紙一重
2.心得
3.それを愛と呼ぶなら - From THE FIRST TAKE
4.振り子 - From THE FIRST TAKE
5.紙一重 -instrumental-
6.心得 -instrumental-
[BD]
1.TVアニメ『地獄楽』Ending Movie<Non Credit>
ドラマ盤[CD+BD]¥2,500(税込)
特別BOX仕様
[CD]
1.心得
2.紙一重
3.それを愛と呼ぶなら - From THE FIRST TAKE
4.振り子 - From THE FIRST TAKE
5.心得 -instrumental-
6.紙一重 -instrumental-
[BD]
1.そばにいるよMUSIC VIDEO
2.恋MUSIC VIDEO
3.脱・借りてきた猫症候群MUSIC VIDEO
4. Artist Photo Making Movie