Uru、鮮やかな表現で引き出す“新しい自分” 優里、wacci 橋口洋平、Ayase……話題のソングライターとのコラボに注目

Uru、鮮やかな表現で見せる“新しい自分”

 シンガーソングライターのUruが、3rdアルバム『コントラスト』を2月1日にリリースした。2ndアルバム『オリオンブルー』とデジタルシングル「あなたがいることで」(ともに2020年)がオリコン週間音楽ランキングで、ソロアーティストとして史上初のデジタルシングル&デジタルアルバム同時1位を記録したことで、一躍その名を広めることになった。そこから約3年ぶりにリリースされた今作は、昨年の自身最大規模となる全国ツアー『Uru Tour 2022「again」』などを経て、「今の自分の色を大切に、そしてより鮮明に」(※1)というコンセプトで作られた大充実の内容だ。

 Uruの充実の活動ぶりは、日曜劇場『マイファミリー』(TBS系)の主題歌「それを愛と呼ぶなら」や、木曜劇場『推しの王子様』(フジテレビ系)の主題歌「Love Song」、映画『ファーストラヴ』の主題歌「ファーストラヴ」など、ドラマや映画のタイアップ曲がこのアルバムに多数収録されていることでもよくわかる。一方で、ソングライティング力に長けた気鋭のアーティストとコラボした3つの新曲たちも光彩を放っている。

【Official】Uru 『それを愛と呼ぶなら』 TBS系 日曜劇場「マイファミリー」主題歌

 まず1つ目は、優里が作詞・作曲を手がけたM2「そばにいるよ」。Uruが自身のシングル『ファーストラヴ』(2021年)収録曲として、優里の「ドライフラワー」をカバーしたことが今回のコラボのきっかけになったという。この曲は、ABEMAオリジナルシリーズ恋愛番組『私たち結婚しました4』の主題歌として書き下ろされたこともあり、ゴールイン直前の幸福感あふれる可愛らしい曲調ながら、愛を通じて生きることを考え、力強い芯を感じさせるような主人公の想いが浮かび上がるメッセージソングに仕上がっている。同じシンガーとしてのリスペクトも込めて、優里がUruの可憐さの中にあるしなやかな強さを引き出すような言葉とメロディを紡いだことがよくわかるコラボだ。

【Official】Uru『そばにいるよ』

 そして2つ目は、wacciの橋口洋平が作詞・作曲を手掛けたM3「恋」。昨年、「恋だろ」が大ヒットしたwacciだが、Uruの「恋」は終わった恋を噛み締めるような心情を優しいメロディに乗せて綴った、切なくも前向きなナンバー。〈あんなに幸せだった時間を/さよなら一つくらいで なかったことにしないで〉という歌詞も印象的で、出会えて恋をしたことと同じように〈さよなら〉だって素敵だよと教えてくれるような1曲である。恋が終わってしまった寂しさも感謝も少しの未練も、その全ての感情をそっと確かめるようなメロディに、Uruの独特な重みを放つ歌声がリアリティとなって加わり、聴き手の心に迫るような仕上がりになっている。これもまた、橋口がUruのシンガーとしての可能性を信じて名曲を託した意義深いコラボだ。

【Official】Uru 『恋』

 3つ目は、YOASOBIのコンポーザーとしても活動するAyaseが作曲、Uruが作詞を手掛けたM10「脱・借りてきた猫症候群」。トイピアノのような軽やかでキュートなイントロで始まるこの曲は、Uruの新たなイメージを開拓する軽やかなポップナンバー。タイトルもユニークだが、Uruが世間のイメージとはちょっと違う〈ありのままの私〉をさらけ出しながら素直な言葉を綴った歌詞にも注目。華やかに転調するメロディを楽しそうに追いかけるボーカルも聴きどころだ。2020年にUruがLiSAと共演した「再会 (produced by Ayase)」でのコラボも印象的だったが、そこで得た信頼関係も功を奏し、今回はAyaseがUruのポップで等身大な魅力を引き出すような楽曲に仕上がっている。

【Official】Uru 3rd ALBUM「コントラスト」ダイジェスト 2023.2.1 Release

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる