Travis Japanメンバー分析:第4回 川島如恵留、ストイックで努力家の最年長 垣間見せる人間らしさや誠実さも魅力に

 一見何でもできるように見える川島は、かつては学業と芸能活動を両立していたことから、周りについ厳しくしすぎてしまい、一時期メンバーと距離があったという。「僕ね、トガってたんです。『俺にできるんだから、みんなできるはずじゃん』って」と、2021年1月放送の『連続ドキュメンタリー RIDE ON TIME』(フジテレビ)で明かしている。

V6 - 涙のアトが消える頃 ft. Choreographers / Performed by Travis Japan [+81 DANCE STUDIO]

 器用なようで、その陰には努力があり、共に活動する仲間に同じだけのものを求めてしまう。特に10代の頃は、自分で精一杯で視野が狭くなってしまうこともあるだろう。芸能活動と比べるべくもないが、筆者も学生時代にそういうぶつかり合いがあったことを思い出した。完璧なようで、少しの不器用さが垣間見えるところ、弱さも正直に見せる部分も、川島の魅力に繋がっていると感じる。

 ここ数年は「Travis Japanといえば仲良し」と周囲からも認められるほど仲が良いグループになっている。そして、デビューしてからさらに川島のまとうオーラが柔らかくなったように感じる。

 「L.A.では一日一日が勝負で、緊張感のある生活でした。気が張り詰めて、精神的にもしんどかった。でもデビューできると聞いてからは、新たな目標に向かって自然と意識が高まっていったのを覚えています」と、留学のことを振り返っていた川島(※2)。

 アメリカ留学を経て世界デビューと聞くと、順風満帆だったように思える。しかし、実際は2012年に結成されたTravis Japanは、メンバーを入れ替えながらデビューまで実に10年かかっている。その10年の節目で、いつ帰れるかわからない無期限のアメリカ留学。メンバー7人での共同生活の中では、不安やぶつかり合いがあったこともそれぞれが言葉にしている。

 プレッシャーや不安があった中でも、世界的なダンス大会『World of Dance Championship 2022』で予選を勝ち抜き、チーム部門で9位になるなど、確かな実力で結果を出して、デビューを掴み取った。

「Travis Japanという船に乗ってくれる人を、誰も取り残さずに進んでいきたい。デビューが決まったとしても、デビューしたら終わりじゃない。山は登ったら下りるだけだけど、僕らの人生って登山じゃないから、終わらないから、みんなで一緒に進みたい」(※3)

 こう語っていた川島は、広い世界を見据えながらも、一人ひとりを見ていてくれるような誠実さを持つ。そんな誠実さやパフォーマンスに惹かれ、多くの人がこれから彼らの船に乗っていく未来が見えるように感じる。

※1、3)https://dot.asahi.com/wa/2022030400012.html?page=1
※2)https://baila.hpplus.jp/lifestyle/entertainment/53334

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