浪漫革命、新たな始まりを予感させた熱気溢れる演奏 無邪気な喜びに満ちたワンマンライブ『黎明』を振り返る
静寂を打ち破るように披露されたのは、昨年9月リリースの3rdアルバム『ROMANTICA』に収録された「優しいウソで」。拳を突き上げたり、手を左右に揺らしたりと、ステージと客席が一体となって盛り上がる。すでに本編ラストのような熱気が感じられたところで、「ありがとうー!」と叫んだ藤澤はステージから去ってしまった。
残された4人も藤澤を追いかけて行き、無人となったステージにざわめくフロア。しかしそれも束の間、裏から「まだ物足りない人たちがいっぱいいる感じですか?」とメンバーの声が聞こえてきた。応えるように客席からメンバーの名前や「浪漫革命」のコールが飛び交うと、チェックシャツに着替えた5人が踊り場に登場。階段を降りてステージへと向かい、全員がボーカルをとる「月9」を披露した。メンバーがタオルを回すのに合わせ、フロアでも至る所でタオルを回す姿が見られるなど、パーティ会場さながらの盛り上がりだ。
曲が終わり、着替えを済ませた5人がステージに戻ったところでバンド編成での演奏が再開。彼らの代表曲「あんなつぁ」が投下されると、〈あんなつぁ〉のフレーズで観客の歌声も響き渡っていた。
「ふれたくて」では踊り場へ続く階段で華波と後藤がソロを弾きあい、フロアを沸かせる一幕も。「音楽を頑張って続けるんで、また会いに来てくださいね。これからもよろしくお願いします!」ーーそんなMCを挟んだ後、アップテンポなナンバー「青い春」で本編を熱く締めくくった。
アンコールに応えて再度ステージに登場した5人は、6月から始まるツーマンツアー『共闘Vol.3』の開催を発表。さらには、未発表の新曲「君という天使」をサプライズ披露した。ツアーが始まる前の5月には、結成6周年を迎える浪漫革命。6年間の集大成と、7年目の期待感を漂わせながらステージは幕を閉じた。
“夜明け”を意味する“黎明”。“新しい時代の始まり”を意味する“黎明期”。新しい何かが始まるとき、まだ知らない世界に触れるとき、人は期待に胸を膨らますものだろう。楽しいことを前にしたときに生じる胸の高鳴りを、浪漫革命は誰よりも大切にしているバンドだ。そう、まさに「青い春」で〈大人になったって/忘れてたまるものか/僕らの熱がずっと/騒いでいる〉と歌うように。そして、その気持ちを忘れてはいけないと私たちに教えてくれているようにも思える。何が起こるのか、どんな景色が見られるのか、まるで童心に帰ったように終始ワクワクさせられたライブだった。
浪漫革命、全員主役だから鳴らせる柔軟で真摯なポップス バンドの現在地や音楽シーンへの素直な想いも語る
京都で結成された5人組バンド・浪漫革命より、3rdアルバム『ROMANTICA』が届けられた。無邪気さが存分に詰まった1stアル…
浪漫革命が鳴らす、手を取り合って生きていくロマン “ひとりであること”と対峙して描くエバーグリーンな物語
浪漫革命というバンドをご存知だろうか。2017年に京都で結成された5人組で、同年には早くも『RISING SUN ROCK FE…
■セットリスト
1 リリ
2 HEY×3
3 JUST DO IT
4 ラブストーリー
5 ベイベ
6 アバンチュール
7 KYOTO
8 Lovely moon night
9 そっとぎゅっと
10 ふたりでいること
11 ひとり
12 優しいウソで
13 月9
14 楽しい夜ふかし
15 ラブソング
16 あんなつぁ
17 ふれたくて
18 青い春
EN 君という天使