22/7(ナナブンノニジュウニ)、グループ一体で見せた“パレード” 新メンバー加入から1年、現在のパフォーマンス力を示す場に

22/7が見せた“パレード”

 デジタル声優アイドルグループ・22/7(ナナブンノニジュウニ)が4月9日、『ナナニジスプリングパレード2023』の最終公演を、東京・Zepp DiverCity(TOKYO)で開催した。3~4月にかけて愛知、大阪、福岡、東京を巡った同ツアーは、1月発売の10thシングル『神様だって決められない』全収録曲の披露を含め、後輩メンバー加入から約1年を経た現在の22/7がもつパフォーマンス力を示す場となった。また、グループからの卒業を発表している宮瀬玲奈にとっては、22/7メンバーとして帯同する最後のツアーでもあった。本記事では、昼夜2回公演で行なわれたツアーファイナル東京公演のうち、夜公演の模様を振り返る。

 舞台背後に2本の大きなフラッグを配したステージ上、一人ひとりスタイリングを違えた新鮮なルックで登場するメンバーたち。それぞれの手には、各人の名前が書かれたフラッグが掲げられ、全員で行進するようなパフォーマンスから“パレード”は開演する。

ナナニジレポ

 序盤ブロックは「循環バス」で開始。ライブ終盤のポイントとなるイメージが強い同曲だが、新鮮ながら穏やかな雰囲気で会場を温かく包み込んで公演をスタートさせた。そこから、「Rain of lies」「ヒヤシンス」へと一気に楽曲のムードを変え、限られた曲数のなかで早くも起伏のある展開を作ってみせる。

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 MCののち、メンバーたちの会話の流れから、ユニット・“晴れた日のベンチ(麻丘真央、清井美那、相川奈央、雨夜音)による「To goでよろしく!」に始まるユニット楽曲のブロックへと移ってゆく。続く気の抜けたサイダー(椎名桜月、天城サリー、西條和、涼花萌)の「カントリーガール」からメンバーたちは10thシングルの衣装に着替え、“蛍光灯再生計画”(四条月、河瀬詩、白沢かなえ、月城咲舞、宮瀬玲奈)による「タトゥー・ラブ」、さらに10thシングル初回生産限定盤に収録の紅白ユニット楽曲「最後のピアノ」(白組)、同シングル完全生産限定盤に収録の「ハレロ」(紅組)まで、前半ブロックを新旧のユニット楽曲で彩っていく。

 「To goでよろしく!」「カントリーガール」では朗らかなトーンを描いた一方、「タトゥー・ラブ」を起点にシリアスにモードチェンジし、ハードな印象の振付が続く「最後のピアノ」や「ハレロ」への流れでは、楽曲終わりのポーズと次曲の冒頭とをシームレスに繋ぐようにメンバーが入れ替わっていく構成をとり、ここでも冒頭同様にブロック前半~後半で対照的な表現を打ち出していった。

 さらにフラッグパフォーマンスのシークエンスとMCを挟み、後半ブロックに入ると、10thシングル表題曲「神様だって決められない」、さらに同シングルから「謎の力」が披露される。現行メンバーの体制になって以降、従来得意としてきた内省的な人物像に加え、他者とともに明るく未来を志向する表現が強みになっている22/7だが、これらの楽曲もまたその系譜を形作っていく作品であることが、晴れやかなライブパフォーマンスからも窺える。

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