22/7(ナナブンノニジュウニ)、「曇り空の向こうは晴れている」が得るリスナーの共感 新体制となったグループの勢いに迫る

ナナニジ、新曲が得るリスナーの共感

 デジタル声優アイドルグループ・22/7(ナナブンノニジュウニ)が、7月27日にシングル『曇り空の向こうは晴れている』をリリースした。秋元康総合プロデュース、ソニー・ミュージックとアニプレックスがタッグを組んで2016年に結成された同グループは、二次元のキャラクターと実在するメンバーという両軸で展開するプロジェクト。『曇り空の向こうは晴れている』は、今春に新メンバー8人を加えて14人体制になってから初めてのシングルとなる。

 表題曲のdance videoは7月27日現在までに214万再生を突破。そこで本稿では、同楽曲が話題を呼んでいる背景とグループの勢いに迫りたい。

22/7 9thシングル『曇り空の向こうは晴れている』dance video

 7月8日に放送された『MUSIC BLOOD』(日本テレビ系)でも語られた通り、22/7の歌詞には、グループ初期からのオリジナルメンバーである、西條和のパーソナリティが反映されている部分がある。ストレートに明るく背中を押す応援ソングといった楽曲とは一味異なる、どこか影のある言葉の数々。西條自身、番組で語っていた通り「元々はゴミ捨て場にいるような人間」だったが、「このまま死ぬのは嫌だ」と思ってオーディションを受けたという。明るくハッピーな雰囲気のグループや楽曲も多いアイドルシーンの中で、西條、そして22/7は特異な存在だが、一方でリアリティのあるグループとも言えるだろう。実際、様々な理由から自分に自信を持てなかったり、社会に希望を見出せないなど、西條と似たような悩みを持つ同世代の若者も少なくなく、彼らを中心にグループは着実にファンを増やしている。22/7の楽曲の中でも、そんなリスナーにとりわけ共感と支持を得たのが新曲「曇り空の向こうは晴れている」だ。

22/7 『曇り空の向こうは晴れている』music video

 楽曲全体としてはこれまでの22/7が描いてきた世界観と共通しながら、〈死にたかった 死ななくてよかった〉という印象的なサビに向かって切り開いていく明るさは、絶望(=死)を経て描かれた希望(=生)がより深みと説得力を増しているように思う。〈心と体が重くて起き上がれない〉〈同じことをぐるぐると考え続けて 夜が明ける〉と“生きること”について思い悩む様子を描いたA〜Bメロは、非常に具体的で胸に重たくのしかかるものがある。だからこそ、ようやく少し見えた明るさを、タイトル通り“曇り空の向こうの晴れ間”に例えたサビ部分でパッと目の前が開けたように感じられる。“生と死”というのは決して軽々しく扱えるテーマではないが、これまでに彼女たちが作り上げてきた世界観やグループ像があるからこそしっかりと響く。そして、SNS上でのコミュニケーションや学校生活、家庭……眠れずに悩む主人公を取り巻く様々な環境が想像できることも、同世代のリスナーにも共感を得ている理由だろう。実際、前述したdance videoのコメント欄にも「自分と重なって涙が出る」「苦しいけど救われた気持ちになった」といった言葉が並んでいた。

 西條は今、パフォーマンスを通じて笑顔で自信に満ち溢れた“アイドル”としての姿を見せている。それはまさにこの曲の主人公のように、絶望から這い上がって希望を見出したからとも捉えられるのではないだろうか。

 今夏は開催中のライブツアー『ナナニジ夏祭り 2022』のほか、『TOKYO IDOL FESTIVAL 2022』、また『SUMMER SONIC 2022』にも出演が決定している22/7。「曇り空の向こうは晴れている」で彼女たちが気になった人はぜひ足を運んで、新体制となったグループの勢いを見逃さないでほしい。

■リリース情報
9th single「曇り空の向こうは晴れている」
作詞:秋元康 / 作曲:田靡達也、中山聡 / 編曲:中山聡、田靡達也
<発売日>
2022年7月27日(水)
<形態数(全4形態)>
①完全生産限定盤A SRCL-12150~2 / 7,000円(税込)
・CD
・Blu-ray:『22/7 LIVE TOUR 2022 「14」』昼公演@Zepp DiverCity(TOKYO)(2022.03.27)
-Overture-
ムズイ
理解者
ポニーテールは振り向かせない
何もしてあげられない
風は吹いてるか?
ロマンスの積み木
Rain of lies
願いの眼差し
循環バス
ヒヤシンス
シャンプーの匂いがした
僕が持ってるものなら
覚醒
僕は存在していなかった
未来があるから

・ライブフォトブック
・三方背BOX
・トレカ:完全生産限定盤Aアーティストトレカ14種のうちランダムで1枚を封入

<CD収録内容>
1.曇り空の向こうは晴れている 
2.打ち上げ花火の拒否権 
3.君は誰だ?/晴れた日のベンチ
4.曇り空の向こうは晴れている -off vocal ver.- 
5.打ち上げ花火の拒否権 -off vocal ver.-
6.君は誰だ? -off vocal ver.-

②完全生産限定盤B SRCL-12153~5 / 7,000円(税込)
・CD:※完全生産限定盤Aと同内容。

・Blu-ray:『22/7 LIVE TOUR 2022 「14」』夜公演@Zepp DiverCity(TOKYO)(2022.03.27)
-Overture-
ムズイ
理解者
ポニーテールは振り向かせない
何もしてあげられない
風は吹いてるか?
君はMoon
Just here and now
韋駄天娘
循環バス
ヒヤシンス
シャンプーの匂いがした
僕が持ってるものなら
覚醒
僕は存在していなかった
未来があるから

・ライブフォトブック
・三方背BOX
・トレカ:完全生産限定盤Bアーティストトレカ14種のうちランダムで1枚を封入

③ 初回生産限定盤/SRCL-12156~7/1,850円(税込)
・CD
・Blu-ray:Making of Tour "22/7 LIVE TOUR 2022 「14」"

<CD収録内容>
1.曇り空の向こうは晴れている 
2.打ち上げ花火の拒否権 
3.カントリーガール/気の抜けたサイダー
4.曇り空の向こうは晴れている -off vocal ver.- 
5.打ち上げ花火の拒否権 -off vocal ver.-
6.カントリーガール –off vocal ver.-

④ 通常盤/SRCL-12158/1,250円(税込)
・CD only

<CD収録内容>
1.曇り空の向こうは晴れている 
2.打ち上げ花火の拒否権 
3.読みかけの漫画/蛍光灯再生計画
4.曇り空の向こうは晴れている –off vocal ver.- 
5.打ち上げ花火の拒否権 -off vocal ver.-
6.読みかけの漫画 –off vocal ver.-

■最新公演情報
『ナナニジ夏祭り2022』
7月15日(金)<神奈川>KT Zepp Yokohama ※FC限定公演
7月24日(日)<北海道>Zepp Sapporo
7月28日(木)<大阪>Zepp Namba(OSAKA)
7月29日(金)<福岡>Zepp Fukuoka
8月7日(日)<愛知>Zepp Nagoya
8月11日(木・祝)<神奈川>KT Zepp Yokohama

■SNS情報
22/7(ナナブンノニジュウニ)公式HP
http://www.nanabunnonijyuuni.com/
22/7(ナナブンノニジュウニ)スタッフtwitter
https://twitter.com/227_staff
「22/7計算中」Twitter
22/7 計算中(@227keisanchu)
https://twitter.com/227keisanchu

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