ちゃんみな にとって横浜アリーナは通過点に過ぎない 衝撃的なパフォーマンスで観客を圧倒した『AREA OF DIAMOND』
ちゃんみなが3月21日、横浜アリーナ公演『AREA OF DIAMOND』を開催した。振り返れば、彼女は2021年10月の日本武道館公演のMCで「もっと、もっとすごいところ連れて行くからね」と宣言していた。今回の公演は、その約束を最高の形で果たしたものであり、同時に、ちゃんみなの新たなスタートを宣言する非常にメモリアルな一夜となった。この記事では、まさにハイライトの連続だった本公演について詳細にレポートしていく。
定刻を少し過ぎた頃、荘厳なBGMと、2人のヴァイオリン奏者（ライブの終わりに、この2人はちゃんみなが幼少期を共に過ごした従兄弟であったことが明かされる）が奏でる勇壮な調べに合わせてライブがスタート。そして、会場の熱気が最高潮に達したその時、ステージ中央に鎮座する巨大なダイヤモンド型のセットの上に、フードを深く被ったちゃんみなが登場した。
オープニングナンバーは、「PAIN IS BEAUTY」だ。フードによって表情こそ見えないが、次々と放たれる鋭いリリックによって、彼女の胸の内で熱く昂る感情がダイレクトにフロアに共有されていく。何より、力強くしなやかな歌の響きと、そのメロディのアンセミックな輝きに冒頭から強く心を掴まれる。そして、セット上からステージへ移動したちゃんみながフードを外すとさらに大きな歓声が巻き起こる。「KING」では、完璧に統率された約34名のダンサーを従えながら、もはや覇気すら感じさせる堂々たるパフォーマンスを見せつけていく。その後も、彼女のリアルな生き様を刻んだ楽曲が次々と繰り出される。まさに、圧巻の幕開けだ。
この日初めてのMCパートで、ちゃんみなは、超満員のフロアを見渡しながら、集まってくれたファンに丁寧に感謝の気持ちを届けた。そして、ついに声出しが解禁されたことを受けて、ファンと一緒に歌う前提でセットリストを組んできたことを伝える。続く「ハレンチ」では、ちゃんみながフロアにマイクを託すと、観客はめいっぱいに声を上げて彼女の想いに全力で応えてみせた。次々と巻き起こる壮大なシンガロングとコール＆レスポンス。これこそが、ちゃんみなが、そしてファンがずっと渇望していたライブ空間だ。何より、歌いながら何度も感極まっていた、ちゃんみなの歓びと充実感に満ちた表情が忘れられない。
その後も怒涛の展開が続く。「Rainy Friday」では、言葉を失うほどに濃密で濃厚なダンスパフォーマンスとアクロバティックにフロアから絶叫のような歓声が飛び交い、新曲「You Just Walked In My Life」では、10メートル近い高さを上下するWリングに乗って、エアリアルパフォーマンスが届けられた。まさに、ライブの域を超えた究極のエンタメショーだ。特筆すべきは、それが単なる一方的なショーではなく、観客とのコミュニケーションを前提としたライブとして成り立っていることである。
幕間映像を経て、会場後方から自転車に乗って再登場した彼女は、ステージへ移動しながら一人ひとりのファンと親密なコミュニケーションを重ねていく。そして、アメコミ風の街並みを模したセットによって、まるでミュージカルのように次々と場面転換していく中で披露した「Mirror」では、彼女はキュートでパワフルなロックボーカルを届けながら、何度もチャーミングな笑顔を見せていた。カリスマとして圧倒的な支持を集める彼女の、等身大でカジュアルな姿に至近距離で触れられるのは、まさにライブならではの体験だ。
この日の公演には、続々とスペシャルゲストが出演した。1人目のゲストは、長きにわたり絆を深め続けてきた同志であるSKY-HI。「3月だけど、クリスマスってことにしていいですか？」というちゃんみなの熱いアジテーションの後に、両者のコラボ曲であるクリスマスソング「Holy Moly Holy Night」が披露される。2人は、ビッグバンド風の演奏を乗りこなしながら、ラップ＆歌唱の目まぐるしい応酬を通して豪快なスウィンギングロックンロールを届けていく。SKY-HIによる「みんなも歌いたくなってきたんじゃない？ 歌えるか、遊ぶぞ！」という煽りを受けて、すでに最高潮に達したかのような熱狂をみせるフロアの高揚感がさらに何段階も高まっていく展開は圧巻だった。
そして、ライブがクライマックスへと向かっていく中で、この日のために韓国から来日した2人目のゲスト・ASH ISLANDがステージに登場。コラボ曲「Don't go feat. ASH ISLAND」では、2人がお互いに向き合いながら声を重ね合わせたエモーショナルなデュエットで観客を魅了。ちゃんみなの「この曲、大好きなの。みんな一緒に歌ってね。」という紹介の後に披露されたASH ISLANDの楽曲「MELODY」では、彼の「Are you fuck'n ready?」という絶唱のような煽りと熾烈なパフォーマンスが、横アリの一体感をさらに高めていく。
