ちゃんみな、日本武道館で見せた一つの到達点 『THE PRINCESS PROJECT』シリーズ完結の先に見据えた未来

ちゃんみな、日本武道館公演レポ

 ラッパー/アーティストのちゃんみなが、10月15日に日本武道館にて『THE PRINCESS PROJECT – FINAL – 』を行った。

 今回のライブは2017年3月の1stワンマン『未成年~To be QueeN』、そして2018年2月に行われたワンマンライブからスタートした『THE PRINCESS PROJECT』シリーズの日本武道館公演という一つの到達点であり、同時に「- FINAL -」というショッキングなタイトルが名付けられた。その本公演を目撃しようと、会場には多くのオーディエンスが駆けつけた。

 その観客たちを迎え入れる会場は、ステージには城をモチーフにしたセットと、王冠とちゃんみなを表す「CM」の文字で構成されたピンクのロゴマーク、そしてBGMとしてクラシックが流れ、会場は荘厳な雰囲気とキャッチーさが同居する空間が広がる。

 そして客席の明かりが消え、観客が手に持つ王冠型のピンクのサイリウムが会場を照らすなか、ステージ最奥に据え付けられた玉座に座るちゃんみなにスポットライトが当たり、ライブは「Princess」からスタート。従者のような左右のダンサーが、玉座のちゃんみなをダンスで引き立てながら、ライブはバンド編成によってロッキッシュに彩られた「FXXKER」、彼女のデビュー曲「未成年」、活動初期に発表された「You can’t win me」と展開。彼女が身につけたマントに記された「THE PRINCESS PROJECT – FINAL – 」という言葉が、ステージ上の階段に広げられ、ビジュアル面でもこの日のライブを象徴する。

 「みなさま、ようこそお越し下さいました。心よりお楽しみください」という慇懃なMCに続いては、ニューアルバム『ハレンチ』収録の「ディスタンス」、そしてハードな「I’m a Pop」と展開。ティーンならでは攻撃性と荒削りな才能が印象的な「You can’t win me」、ワルツ進行に合わせた舞踏会のような舞台演出も印象的な「ディスタンス」、そして感情をむき出しにしながら自分の存在を提示する「I’m a Pop」という流れは、彼女のアーティストとしての成長とレンジの広がりを、楽曲として証明するような非常に印象的な流れだった。そしてモニターに広がるオリエンタルな映像と、ダンサーとのアバンギャルドなダンスでも観せた「美人」で、ライブの温度はさらに上がっていった。

 そして続くMCで「改めましてちゃんみなと申します。今日、日本武道館に立つことが出来たのは、皆様のおかげです。本当に心から感謝を。私と皆さんが愛し合うことがどれだけ奇跡的なことなのか、心の底から感じました」と丁寧な挨拶で改めて観客に感謝の意を表すちゃんみな。

 ちゃんみなの楽曲は、USマナーな先進性も、ロッキッシュなハードさも、メロウなエモーショナルさも、『ハレンチ』で言えばJ-POP的な軽やかさもと、様々な側面を持っている。それは今回のライブで言えば、上記のMCに続いて披露された、張り出しステージに建てられた電話ボックスのセットで歌ったエモーショナルな「Call」や、トロピカルハウスな「CHOCOLATE」、ポエトリーに歌う「想像力」という展開からも感じられるが、今回のライブは「一つのブロックを一つのムードで統一」「一つのブロックをニューアルバムを中心に構成」で綺麗に纏めるアプローチではなく、時間軸的にもバラバラな、彼女の幅広い音楽性を一気に詰め込み、ジェットコースターに乗っているような感覚を覚えるスリリングで多面的な楽曲展開が印象的だった。そこからは、このライブが「リリースライブ」ではなく、彼女が培ってきた「THE PRINCESS PROJECT」という、彼女のこれまでのキャリアを象徴するパッケージを総括する、そして終わらせるための構成だと感じさせられた。



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