ちゃんみな にとって横浜アリーナは通過点に過ぎない 衝撃的なパフォーマンスで観客を圧倒した『AREA OF DIAMOND』
数々の名演によって何度も絶頂が更新され続けたこの日の公演だが、本当のクライマックスはここから始まる。ちゃんみなの外見至上主義に対する一つの回答である「美人」の披露中、トラックが止まり、ちゃんみながステージ上で自身のメイクを落とし始めていく。ありのままの自分を曝け出していくその姿に、フロアからは泣き声や悲鳴にも似た声が混じった壮絶な歓声が飛び交う。
すっぴんで再び歌い出した彼女が曲の最後に届けた渾身のロングトーンは圧巻だった。鳴り止まない歓声の中、彼女は「私が今回のショーでやりたかったのは、これです」と告げた。そして、いつも自分を信じて誰にも言えない悩みや苦しみを打ち明けてくれるファンに向けて、「あなたは、何も飾らなくてもダイヤのように綺麗だということを伝えたくて、この方法を選びました」「あなたがダイヤを望まなくてもいい。あなたがなりたいものになってください。あなたが人生を選んでください。失敗を恐れず、とにかく突き進んでください」と真摯に一人ひとりの観客に語りかけていく。
そしてこのタイミングで、自身のレーベル「NO LABEL MUSIC」を新しく立ち上げることを発表。彼女の新しいスタートを祝福する怒涛の歓声を受けて、本編ラストを締め括ったのは、豪快なギターサウンドが昂るパンクロック調の新曲「I'm Not OK」だった。理想の自分を目指す中では、時には挫けそうになることもある。ちゃんみなは、そうした誰しもが持つ弱さや脆さを優しく肯定しながら、同曲を通して「大丈夫じゃないって言っていいんだよ」とファンに呼びかける。お互いの弱さを打ち明け合うことを促すこの曲は、今後、ちゃんみなとファンの信頼の証として、いつまでも愛され続けていく新たなアンセムになっていくはずだ。
アンコール1曲目の「Never Grow Up」では、感極まって涙ぐむちゃんみなの代わりに、観客が合唱することで歌を繋いでみせた一幕も。そしてここで、ちゃんみなからもう一つのビッグサプライズが届けられる。 なんと、3人目のスペシャルゲストとして登場したAwichと共に、新しいアルバムに収録される「美人 (Remix) feat. Awich」が披露されたのだ。手を繋ぎながら花道を闊歩し、歌唱後に熱い抱擁をかわす2人。Awichは、最高の形で新たなスタートを切ったちゃんみなを祝福する観客たちの姿を観て、「本当に素晴らしい。本当に感動しています」と語っていた。
そして、そうした最高のムードの中で、ちゃんみなは「次は、もっともっと大きいとこ、連れていくことを約束します。」と新たな約束を結び、この日のライブは「花火」で美しい大団円を迎えた。日本武道館も横浜アリーナも、ちゃんみなにとっては一つの通過点に過ぎないのだろう。きっと彼女は、すぐにまた最高の再会のステージを用意してくれるはずだ。
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