日向坂46、現体制初の声出し解禁ライブで怒涛の盛り上がり 層の厚みや演出に磨きがかかった横浜スタジアム公演

日向坂46、横浜スタジアム公演レポ

 その後、上村のソロ曲「一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルを思い出せない」を三期生4人で披露し、一期生と二期生も合流して「こんなに好きになっちゃっていいの?」をしっとりと表現。さらに、小坂をセンターに据えた二期生楽曲「半分の記憶」では大人になった彼女たちが、しっかり成長を遂げた姿を提示し、齊藤京子センターの「月と星が踊るMidnight」では満点の星空のもとドラマチックなパフォーマンスが展開される。

 さらに、四期生は思い出の1曲「青春の馬」を全身全霊で披露したかと思えば、その気迫に刺激されるように先輩メンバーたちが「My fans」で頼もしさを見せる。そして、ライブのクライマックスには欠かせない「誰よりも高く跳べ!2020」で盛り上がりは最高潮に達し、コロナ禍に生まれた新たなライブのクロージング曲「知らないうちに愛されていた」では観客のシンガロングが新たに加わることで、ようやくひとつの完成形へと到達。感動的なエンディングを迎えた。

 アンコールは、4月19日リリースの9thシングル曲「One choice」をライブ初披露。ここでは「大きな音がある環境下での活動が難しい状況」にあり、ライブ活動を休止している影山優佳もステージに加わり、初めてシングル表題曲センターを務める丹生を中心に、高揚感とエモーショナルさが入り混じった歌とダンスでおひさまを圧倒。コロナ禍以降、シングルごとにさまざまなメンバーがセンターを担ってきた日向坂46だが、今回の丹生センター就任によりまた新たな色が加わり、表現の幅もさらに広がっていく明るい未来が期待できそうだ。

 新曲「One choice」を披露し終えると、同曲での活動をもってグループ卒業を発表した影山が「今回ライブをお休みさせていただくことも、こうやってアンコールで登場させていただくことも、(おひさまの)皆さんやメンバーに心配や迷惑をかけてしまうんじゃないかと、ずっと悩んでいたんですけど、 こうして皆さんと4周年をお祝いできたこと、そして大好きな丹生ちゃんのセンター曲をみんなと披露させていただけたことが本当に光栄です」と、彼女のペンライトカラーである赤で染まった客席に向けて挨拶。

 その後、久美が広大な会場を前に「みーぱん、走っちゃダメだよ?」と美玲に声をかけると、これを合図にメンバーが「期待していない自分」のサビをアカペラで歌い出し、曲中パフォーマンス同様に美玲が花道を全力疾走するという一幕もあり、おひさまの笑いを誘った。こうした息の合った笑いの取り方も実に日向坂46らしく、大舞台でもマイペースぶりを見せる姿はさすがの一言だ。

 最後は一期生から四期生まで勢揃いで「NO WAR in the future 2020」、そして客席が虹色のペンライトで染め上げられる「JOYFUL LOVE」と緩急に富んだ選曲を用意。「JOYFUL LOVE」では各期を代表して、清水理央(四期生)、上村(三期生)、丹生(二期生)、久美(一期生)が順番にメッセージを告げていく。清水は「日向坂46が私の光となってくれたように、今度は私が人一倍の笑顔をずっと大切にして、人としてもアイドルとしても心から応援したい、見ていたいと思っていただけるような存在になれるように精一杯頑張っていきます」、上村は「今までもたくさんの夢を叶えてきましたが、これからももっともっと大きな夢を掴んでいきたいです」とそれぞれ力強く宣言。そして、新センターの丹生が「新しい仲間がたくさん増え、その分お別れもあり、日々変化を感じています。それでも私は、私たちは、絶対に初心を忘れずに、感謝の気持ちを忘れずに、世界中の皆さんにハッピーオーラを届けたいです」と笑顔で思いを届けると、キャプテンの久美は「人生はつらいことがあるからこそ、楽しいときが輝くと思っています。皆さんも生きていてつらくて、立ち直れないと思ってしまうことも、時にはあるかもしれません。そのときに日向坂46が皆さんの心の拠り所になれたら嬉しいです」と伝え、「これからも素敵な景色を、おひさまの皆さんと一緒に見ていきたいです。32人の日向坂46を、これからもよろしくお願いします!」と力強く締めくくり、盛大な花火が夜空を彩る中、4回目のアニバーサリー公演を大成功のうちに終了させた。

 ライブのたびにメンバーの多彩さや層の厚さを感じさせてきた日向坂46だが、丹生をセンターに据えた新たな編成が放つ魅力と、日々急成長を続ける四期生の個性が強く打ち出された『4回目のひな誕祭』からは、デビュー5年目に突入した彼女たちの行く末が明るいものであることが強く伝わったことだろう。もちろん、影山の卒業は非常に残念だが、そんなピンチをチャンスに変えていくのも日向坂46。悲観することなく、ポジティブな気持ちでここからの躍進ぶりに期待したい。

■セットリスト
日向坂46『4回目のひな誕祭』
2023年4月2日(日)横浜スタジアム
00. Overture
01. HEY!OHISAMA!
02. ドレミソラシド
03. アザトカワイイ
04. ソンナコトナイヨ
05. ブルーベリー&ラズベリー [四期生]
06. ゴーフルと君 [三期生]
07. Dash&Rush [二期生+上村ひなの]
08. 好きということは… [一期生]
09. ハッピーオーラ
10. ひらがなで恋したい
11. Footsteps [加藤史帆・佐々木久美・佐々木美玲・高本彩花・小坂菜緒]
12. 線香花火が消えるまで [金村美玖・富田鈴花・松田好花]
13. Cage [東村芽依・金村美玖・河田陽菜・丹生明里]
14. Happy Birthday To You [花ちゃんズ(富田鈴花・松田好花)]
15. 一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルを思い出せない [三期生]
16. こんなに好きになっちゃっていいの?
17. 半分の記憶 [二期生]
18. 月と星が踊るMidnight
19. 青春の馬 [四期生]
20. My fans
21. 誰よりも高く跳べ!2020
22. 知らないうちに愛されていた
<アンコール>
23. One choice
24. NO WAR in the future 2020
25. JOYFUL LOVE

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