日向坂46、おひさまとの一体感で盛り上げた『ひなくり2022』 二期生の絆が垣間見える宮田愛萌の卒業スピーチも

日向坂46『ひなくり2022』レポート

 日向坂46の単独ライブ『ひなくり2022』が12月17、18日に有明アリーナにて開催された。全国ツアー『Happy Smile Tour 2022』終了から1カ月という短いスパンで行われたこのライブは、前身グループのけやき坂46時代の『ひらがなくりすます2018』から5年連続(2020年のみ無観客配信)で行われている恒例のクリスマスライブ。事前に一期生の影山優佳の休演が発表されたものの、新たに加わった四期生の参加や、すでに卒業を発表している二期生の宮田愛萌が挨拶をするなど、見どころの多い公演となった。本稿では12月18日公演について記す。

 クリスマスらしいBGMが流れる中、開演前のスクリーンにはメンバーによる「HEY!OHISAMA!」のペンライト講座映像が上映されるなど、ライブ開始前から会場内にはすでにハッピーオーラが充満。そんな中、上村ひなのと髙橋未来虹が影アナで場内や配信で開演を待つおひさま(=日向坂46ファンの総称)の期待を煽る。そして「Overture」に続いていよいよライブがスタート。クリスマスを目前に、楽しそうに準備に励むメンバーの様子がスクリーンに映し出され、齊藤京子がサンタクロースへの願い事を綴った手紙をクリスマスツリーに結びつける。その流れから、一〜三期生がステージに姿を現し、「月と星が踊るMidnight」から本格的にライブに突入する。

 白とベージュで構成された衣装を身にまとったメンバーは、力強くもしなやかなダンスで観る者を魅了。続く「青春の馬」では火花が吹き上がる演出によりエモーショナルさが際立ち、「ときめき草」では楽曲の持つ切なさや儚さが、シャボン玉が舞う演出でさらに増幅されることに。特に「ときめき草」ではアリーナ中央の花道やアリーナ後方のサブステージに設置されたやぐらを使うなど、会場中のおひさまに向けて笑顔を振りまく。そして、ステッキを使ったダンストラックを経て、「アディショナルタイム」ではステージ一面に展開されるLEDスクリーンを使った迫力のある映像演出とともに、圧巻のパフォーマンスでオーディエンスを惹きつけた。

 続くMCパートでは四期生も参加。和気藹々とした空気の中、丹生明里の考案によるペンライトを使ったウェーブで会場の一体感を高める。その後、一期生がクリスマスパーティに来ていく服を選ぶ映像を上演。その流れから“りまちゃんちっく”(潮紗理菜、加藤史帆、齊藤京子、佐々木久美、高本彩花)による「ママのドレス」、一期生8人による「My god」へと続く。また、ニ期生がパーティ料理の準備をする映像では、“花ちゃんズ”(富田鈴花、松田好花)の歌を聴きたいという同期メンバーの声に応え、突然ステージに2人が姿を現す。ギターを抱えた2人は弾き語りによる「ジングルベル」で、会場を温かな空気で包み込む。これに続くように、サブステージに登場したニ期生は「世界にはThank you!が溢れている」でキラキラ感の強い歌とダンスを提示。さらに、三期生がクリスマスツリーの飾り付けをする映像に続いて、星型タンバリンを手にした三期生が「Right?」を元気いっぱいにパフォーマンスし、期別にカラーの異なるクリスマスを演出していった。

 そんな幸福感に満ちた4曲から一変、アシンメトリーのドレスを着用した齊藤がソロ曲「孤独な瞬間」でパワフルな歌声を響かせる。大人びた世界観とともにその歌姫ぶりを思う存分に発揮すると、今度は四期生の初々しいクリスマスパーティ準備映像から「ブルーベリー&ラズベリー」へと続く。『Happy Smile Tour 2022』最終2公演で初パフォーマンスを経験しているとはいえ、その堂々とした佇まいからはさらなる成長も伝わる。2023年2月11、12日には『おもてなし会』の開催も決定したことから、ここからの2カ月でさらなる進化が期待できそうだ。

 そんな四期生と入れ替わる形で登場した一〜三期生は満面の笑みとともに、「一生一度の夏」でこの夏の楽しかった記憶に想いを馳せる。緩やかなMCを挟んで、今度はサンタ衣装に着替えた一〜三期生が「HEY!OHISAMA!」を披露。事前のレクチャー映像の甲斐もあり、おひさまと一緒に息の合ったダンスで熱量を高めていく。

 続く「君しか勝たん」「ドレミソラシド」でハッピーオーラをさらに強めることに成功すると、「誰よりも高く跳べ!2020」「キツネ」といった今やライブには欠かせないキラーチューンを連発し、ライブをクライマックスへと導く。そして、佐々木久美の「みなさんへの、今年の、今までの感謝を込めて、おひさまを思って歌わせていただきます」というメッセージとともに、「知らないうちに愛されていた」にてライブ本編をドラマチックに締めくくった。

 その後、ライブTシャツに着替えたメンバーがデビュー曲「キュン」でアンコールを開始。初めて四期生を交えた全体パフォーマンスは、その圧倒的なステージングでおひさまを魅了することに。これまでにないスケール感が今後の日向坂46にとって新たな武器になるであろうことは、この日のライブを目撃した者にとって想像に難しくなかったはずだ。

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