緑黄色社会ら輩出した『閃光ライオット』、9年ぶり復活の背景 関係者4名が語る2023年に開催する意義

『閃光ライオット』9年ぶり復活の背景

平手友梨奈も感銘を受けたステージ上での出演者の輝き

提供:TOKYO FM
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ーーこれまでの出場者の中で印象的だったアーティストはいますか?

清水:初年度に出場したねごとは、最初は演奏が荒くて聴き取れないくらいで(笑)。でも頭の中で「これはこういう曲なんじゃないか」と補っていたら、「実はめちゃくちゃ良い曲なのではないか」と思って、半分賭けで3次のライブ審査に残したんです。当時『SCHOOL OF LOCK!』でレギュラーコーナーを持っていたチャットモンチーが電話で彼女らにアドバイスをしたら、ライブ審査までにすごく練習してきて。その後のファイナルでのライブはそれ以上に良くて、全くのノーマークだった彼女らが審査員特別賞を受賞しました。ねごとは高校最後の思い出作りとして参加して、大学受験のために解散する予定だったんですけど、その場でソニーミュージックのレーベル・Ki/oon Musicが手を挙げてデビューすることになったんです。

ーー歌や楽器の上手さだけでなく、ポテンシャルを見抜くのも『閃光ライオット』ならではの審査ポイントですね。

清水:最初の審査からファイナルまでに、どんどん成長していく姿を見られるのが良いですよね。最初は拙くても次の審査までにたくさん練習をしてきてくれるので、短時間でびっくりするくらい成長するんです。数カ月かけて成長していくドキュメンタリー的な部分も面白いなと思います。

大橋:僕が印象に残っているのは出演アーティストじゃないんですけど、『未確認フェスティバル』時代に平手友梨奈ちゃんに応援ガールを務めてもらった回があって。彼女は当時欅坂46のセンターで人気もありましたが、同世代の子たちがステージで輝いている姿を見てすごく感銘を受けたそうなんです。「出場していたアーティストたちのステージ上の輝きが凄かった」と言っていたと聞いて。それほどの強烈なエネルギーがステージ上にあったというのは、すごいことですよね。

ーーそれほど凄まじいエネルギーなんですね。審査の基準はどのように設けているのでしょうか?

大橋:ファイナルで優勝するのは、“その日ステージで一番輝いていた人”ですね。すごく良い曲を書いていたとしても、ステージ上のパフォーマンスがあまり良くなかったら優勝は難しい。逆に、多少荒削りだったとしても、とんでもないエネルギーを放出していたら優勝する可能性はあると思います。

ーー楽器の上手さやテクニックだけでなく、ライブパフォーマンスを重視しているということですね。

大橋:楽器は長く練習していたら上手くなりますし。テクニックだけを見ていたら、キャリアがある人が勝ってしまうので。

佐藤:ライブパフォーマンスを重視するのは例年と同じですが、今年からは顔出しなしでも出演OKになりました。顔を出さなくてもステージ上で記憶に残るパフォーマンスさえできたら、評価されます。

ーー顔出しをしないというのもここ数年で活動形態の選択肢の一つとして定着した印象があります。あとは今年に限り、応募時点で22歳までの方が対象となっています。

佐藤:コロナ禍でこの3年間、出場したくても出場できなかった子たちにもチャンスを与えたいという想いから、今年に限り22歳まで出場可能にしています。この3年間の想いを爆発させてほしいですね。

ーーちなみにライブ審査前の音源審査の段階では、どのようにジャッジするのでしょうか?

向島:明確な審査基準を設けているというよりは最初の音源・書類審査はデスクトップ上でしか判断できないので、そこを通じて可能性を感じる人やエネルギー溢れる人をピックアップしたいなと思っています。

佐藤:審査員の誰かひとりでも可能性を感じたら一度会ってみたいと思っています。「会っておかないといけない」という何かを持っているはずなので。

ーーコロナの影響や時代の変化と共に、音楽の聴かれ方や求められるものも変化していると思います。具体的に今求めるアーティスト像はありますか?

清水:具体的な人物像があるというよりは、応募してくれたアーティストを見て、「会いたい」と思うかどうか。これまでもずっとそうでした。『閃光ライオット』が始まったばかりの時期はロックバンドの応募が多かったですけど、バンドに限定しているわけでもないですし。ヒップホップでもアイドルでもなんでもOKです。『閃光ライオット』の運営陣や音楽業界の人が音楽シーンを作っているわけではなく、アーティストのパフォーマンスの影響で世の中が変わっていくんですよね。そのパフォーマンスを増幅させてより良く見せるお手伝いをするのが、私たちの仕事。なので、何の制限もなく自由に表現してもらえたらと思います。

佐藤:今の時代はあらゆるものがジャンルレスになってきていますよね。メジャーとインディーズの違いもあまりなくなってきているし、音楽のジャンルも多様化しています。いろんな才能を持った10代の子たちに会えたらいいなと思います。そういう背景を含めて、キービジュアルも、2000年生まれのインディーアニメ界の気鋭の若手アーティスト・こむぎこ2000さんに依頼をしました。

ーー今の10代のアーティストに期待することや伝えたいことはありますか?

清水:今回の『閃光ライオット』のコピーには、「叫べ」と入れています。思っていることや感じていることを、どんな形でも良いから発信してほしいと思っていて。インターネットやSNSが発達すればするほど、内に籠ってしまう子もいると思うんです。そうではなく、内に秘めている想いを歌に乗せて叫んだり、楽器で表現したりしてほしい。元々2005年に『SCHOOL OF LOCK!』が始まったときは、「起立、礼、叫べ!」と言っていたので、原点回帰でもあります。コロナ禍でずっとマスク生活だったので、マスクを取って思い切り叫んでほしいですね。

向島:本当にその通りで。10代の子たちの心の叫びや初期衝動をぶつけられる場所を、我々が作っていきたいなと思っています。

佐藤:今はようやくコロナによる規制が緩和されてきましたが、2020年ごろは世の中がピリピリしていて、外にも気軽に出られなかったじゃないですか。それによって10代は部活動や行事ができなくて、解散してしまったバンドや音楽を諦めてしまった子もたくさんいたと思うんです。それがすごく悔しかったので、『閃光ライオット』では想いを存分に発散してほしいなと思います。

大橋:『閃光ライオット』は部活ではないから、お行儀良くするのが必ずしも良いわけではないんです。思いっきり枠からはみ出してほしいなと思います。

ーーここからまた音楽シーンが盛り上がっていくのが楽しみですね。最後に、10代のアーティストたちにメッセージをお願いします。

大橋:「こういうのがウケるよね」とか「今の流行りはこれだから」ではなく、自分たちがかっこいいと思うものを送ってきてもらいたいですね。

向島:何もできなくても良いんですけど、何かやりたいと思う気持ちがとても大事です。私たちは、その気持ちを受け止めたいと思っています。

佐藤:Zeppの大きいステージで叫びたい、暴れたい子たちに会いたいです。『SCHOOL OF LOCK!』は全国放送であることが強みだと思うので、全国各地からの参加者に会えることを楽しみにしています。最高の夏の思い出を作ってほしいですね。

清水:迷って一歩踏み出せないと、次も踏み出せなくなってしまうんですよね。これまでも「斜に構えて応募しなかったけど、本当は参加したかった」という声もたくさん見てきましたし、彼らの「自分は挑戦できなかったから、今の10代は絶対に応募してほしい」という声も聞いています。今回の『閃光ライオット』への応募は今後ジャンプするための練習と思ってもらってもいいし、未完成でもいいです。とにかく一歩踏み出してほしいなと思います。挑戦する中で新たな出会いがあったり、成長につながるきっかけが見つかったりすると思います。

■イベント概要
『マイナビ 閃光ライオット2023 produced by SCHOOL OF LOCK!』
開催日:2023年8月7日(月)
会場:Zepp DiverCity (TOKYO)

オーディション概要
募集期間:2023年2月20日(月)~4月17日(月)
・5月3日(水・祝)~5月27日(土)全国スタジオ審査
・6月17日(土), 18日(日), 24日(土), 25日(日)ライブ審査
・8月7日(月)ファイナルライブ審査『マイナビ 閃光ライオット2023 produced by SCHOOL OF LOCK!』

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